マリファナにまつわる神話と真実 [目次] [前へ] [次へ]

19. マリファナの効力

【神話】

 今日のマリファナはこれまでのものより効力が高まっている。1960年代から1970年代にマリファナを使用していた人々は、今日の若者が使っているマリファナがずっと危険なドラッグであるという事実を理解していない。

「ラバランプを囲んでボングをまわすといった…楽しい思い出しか持っていないベビーブーム世代の人々は、…マリファナが再び広まっていると聞いたところで心配などしていないかもしれない。…しかし、カナビス・カルチャーは…フラワーチルドレンがヘイトアシュベリーを去ってからというもの…ずっと危険なものとなっている。…(今日のマリファナは)2倍も強力だ」
---ニューヨークタイムズ(1994年2月6日)

「今日のマリファナは…10年、15年、20年前のものと比べて40倍も強力だ」
---麻薬取締政策局長リー・ブラウン(1995年5月21日)

「マリファナの効力を高めるために(栽培者は)…水耕栽培、クローニング、…特殊な化学肥料、植物ホルモン、ステロイド、一酸化炭素…など高度な農耕技術を用いている」
---麻薬取締局(1993年)

「効力が高いということは…少量のマリファナでも陶酔度が大きく高まることを意味する」
---マーク・A. R. クライマン『マリファナ: 濫用と規制のコスト』(1989年)

「60年代後半にマリファナを使ったことがある人が、…今日のマリファナタバコを吸ったら、後ろ向きにひっくり返ってしまうだろう」
---麻薬取締政策局長ウィリアム・ベネット(1990年4月23日)


【事実】
 今日の若者が使っているマリファナと1960年代や1970年代に使われたものに違いはない。1970年代初期に麻薬取締局が押収した少量のTHC含有量の低いサンプルが計算に使われているために、効力が劇的に増加しているように考えられている。しかし、これらのサンプルが当時一般的に使われていたマリファナを代表しているとは言えない。1980年代初めから今日にかけての効力に関するより信頼性の高いデータが得られているが、マリファナに含まれるTHCの平均含有量の増加は見られない。仮にマリファナの効力が増加傾向にあるとしても、必ずしも危険性が増しているとは言えない。効力が大きく異なるマリファナでも、その向精神作用には大きな違いはない。
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