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15. マリファナの喫煙と肺

【神話】

 マリファナはタバコよりも肺に有害である。マリファナ喫煙者は肺がん、気管支炎、肺気腫にかかる危険性が高い。

「1本のジョイントが肺に与える影響はタバコ4本分に相当し、使用者は気管支炎、肺気腫、気管支ぜん息にかかる危険性が高まる」
---薬物濫用耽溺センター(1995年)

「燃える過程で発生する発がん性物質ベンゾピレンの量は、マリファナの煙の方がタバコの煙よりも70パーセント多い」
---米国ドラッグ教育委員会(1981年)

「マリファナの煙に長期間さらされることによって、…肺気腫によく似た症状や肺がんが発症するなど有害な影響が報告されている」
---ニューヨーク大学医学センター、ガブリエル・ナハース医学博士、(1993年12月4日)

「1本のジョイントには14本から16本のタバコと同じ量のタールやそのほかの有害物質が含まれている」
---ダリル・S. イナバ、ウィリアム・E. コーエン『アッパー、ダウナー、オールラウンダー:向精神薬物の身体的・精神的作用』(1995年)


【事実】
 節度のあるマリファナの喫煙が肺に与える損傷は軽微なものである。タバコの煙と同じように、マリファナの煙には多くの刺激物や発がん物質が含まれている。しかし、マリファナ使用者はタバコの喫煙者よりも頻度がずっと少なく、長期的に見ても吸い込む煙の量が少ない。このため、肺に重大な損傷を受ける危険性はマリファナ喫煙者の方が低い。これまでにマリファナのみを原因とする肺がんの報告はない。しかしながら、マリファナのヘビーユーザーの肺から採取した細胞に前がん病変が発見されているため、マリファナによる肺がんの可能性は否定できない。タバコのヘビースモーカーに見られる肺の気道閉塞はマリファナのヘビースモーカーには見られない。これはマリファナの喫煙により肺気腫が発症することはないことを示している。
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