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14. マリファナと免疫系

【神話】

 マリファナの使用は免疫系に損傷を与える。マリファナ使用者はHIVを含む感染症にかかるリスクを負っている。エイズ患者は既に免疫系が抑制されているため、特にマリファナの免疫病理学的作用による影響を受けやすい。

「マリファナは免疫系に損傷を与え、陰部疱疹やエイズなどの性的感染症に感染する確率を高める」
--- PRIDE:麻薬教育に関する全米父兄情報協会(1990年)

「マリファナに含まれているTHCが白血球に悪影響を与えることは研究により確認されている。…マリファナを使用すると風邪をひきやすくなる」
---ペンシルヴェニア州法務局(日付なし)

「マリファナは免疫系を弱めるため、マリファナ使用者はあらゆる種類の感染症にかかりやすくなる。弱まった免疫系は気管支炎やアスペルギルス症などの病気に対する抵抗力を失う」
---W. R. スペンス『マリファナ:効果と危険性』(日付なし)

「今日では、人体の細胞免疫が(マリファナによる)損傷を受け、…感染症に対する抵抗力を失うことが証明されている」
---国際ドラッグ監視隊(日付なし)

「マリファナの喫煙は免疫系の機能を損い、エイズ患者は感染症や呼吸器の病気にかかるリスクを負う」
---国際ドラッグ監視隊(日付なし)


【事実】
 マリファナ使用者が非使用者よりも病気に感染しやすいという証拠は存在しない。マリファナが性的感染症に対する抵抗力を損うという証拠もない。マリファナ使用者から採取された細胞の免疫機能の低下を示す初期の研究もあったが、その後否定されている。非常に大量のTHCを動物に与え、ウイルスにさらすと感染率は高まる。このような研究結果は何ら人体との関連性を示していない。既にエイズなどの免疫障害にかかっている患者でさえ、マリファナの使用は比較的安全と見なされている。しかしながら、最近の発見ではエイズ患者によるタバコの喫煙と肺の病気の感染との関連が示されており、免疫系を損傷している人々がマリファナを喫煙することにより生じる可能性のある害については、さらなる研究が必要である。
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