トピックス

・ここでは、カンナビストの活動や大麻問題に関わるニュース・報告など、さまざまな情報を発信していきます



トピックス目次

民主党の政策懇談会(7/15)
成田さんの医療大麻裁判 第3回公判(6/26)
2009年5月17日、マリファナ・マーチin TOKYO 速報(5/18)
5月17日(日)2009マリファナ・マーチ in TOKYOに向けて広報の協力を求めています(4/24)
2009マリファナ・マーチinTOKYO(5月17日)では、こんな企画を募集しています(4/24)
成田さんの医療大麻裁判 第2回公判(4/23)
東京マーチの出演、展示、飲食の出店者を募集します(4/11)
マリファナ・マーチin TOKYOのフライヤー配布を協力してくれる方を求めています(4/10)
3月12日(木)、成田さんの医療大麻裁判初公判レポート(3/13)
2月6日(金)定例会(東京)の報告(2/12)
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民主党の政策懇談会
2009年7月15日(事務局A・記)

 7月14日、民主党本部で行われた「市民パワーと民主党の政策懇談会」にカンナビストの仲間も参加、意見交換の場で大麻の規制問題、医療大麻の問題を訴えました。

 午後6時から党本部5階の会場で開催された懇談会は、いろいろなNPO、市民団体関係者350人以上が集まりました。民主党の岡田幹事長をはじめ国会議員11名も参加しています。前日の東京都議選での躍進を受けて、テレビ局も取材に来ていました。

 懇談会の政策提言で、取り上げられたのは、福祉、介護、子育て、国際協力など、いま、国民生活で課題になっている問題です。各NPOからの提起に、国会議員が答えました。最後の質疑応答、意見交換の場で、会場に来ていた参加者からの発言がありました。発言希望者が多く、発言できた時間はごく僅かですが、カンナビストは、大麻問題について訴えました。
 「民主党政策INDEX 2008」の「麻薬・薬物対策」の項目に対する提言として、薬物問題を刑事罰の問題として扱っている現状を改め、治療、教育の問題として扱うべきであること。とりわけ緊急の課題として、大麻取取締法の過剰刑罰の問題、医療大麻の問題をあげました。懇談会、終了後、カンナビストの資料類を国会議員さんたちに手渡ししました。

 上気のように、懇談会の主なテーマ、全体的な流れの中では、大麻問題に対する関心は、決して大きくはありません。昨年来のメディアの大麻報道がそうであったように、会場内でも、大麻に対する悪イメージは払拭されていないと思われます。
 誤解がないように、付け加えますと、現段階で、民主党の政策に、カンナビストの意見が取り入れられるということではありません。自由に意見を述べることができる場で、カンナビストは、提案を行ったというにとどまります。とはいえ、このような場で、大麻規制のあり方に異議を唱える意見が存在してるということを示すことができたことは有意義であったと思います。

 来月は総選挙です。大麻の規制見直しに賛同されているみなさん。地元の候補者に大麻問題のことを訴えてみませんか。大麻問題のことを説明する際に、説得力のある資料などが必要になると思われます。カンナビストに連絡いただければ、資料などお送りすることができます。

 

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成田さんの医療大麻裁判 第3回公判
2009年6月26日(麻生・記)

成田さん医療大麻裁判 第3回公判(5月28日(木)午後3時〜 258号法廷)

 この日は、小雨が降ったり、やんだりの天気でしたが、東京地裁正門で、昼12時から恒例になっている裁判支援を訴えるビラ撒きを行いました。

 3時から528号法廷で、第三回公判が行われました。裁判の傍聴者は回を追うごとに増えています。成田さんは、少しスリムになって背広姿が似合っていました。今回は、法廷での発言はないので、証言台ではなく、二名の弁護士さんの前の席に座っています。検察側は、今回は一名増えて、二名の検察官でした。

 裁判報告の前に、これまでの裁判の経過を簡単に整理しておきます。 
 第一回公判は、罪状認否といって、起訴された具体的事実を被告が認めるかという裁判の前提になる確認でしたが、被告の成田さんは、大麻とLSDの所持を認めました。しかし、大麻については、患っていたクーロン病を治療する目的で所持していたのであり、大麻取締法の適用にはあたらず無罪であると主張しました。
 第二回公判から実質的な審理に入りました。この公判では、弁護側、検察側からの被告人質問が行われました。その審理を通じて、成田さんがクローン病と認定されていること。クローン病と認定された後、インターネットを通じて、クーロン病に大麻が有効なことを知り、大麻を摂取しはじめたこと。そして、成田さんは、自分の体の状態として、大麻の摂取が病状緩和に有効であったと述べました。
 
 今回の主な審理は、弁護側からの証拠申請を採用するかについての検察側と弁護側の論戦になりました。いま最も問題になっているのは、弁護側からの証人申請を法廷が認めるかどうかという点です。
 弁護側からの証拠申請の一部を検察側は不同意しています。そして弁護側からの証人申請を拒否しました。裁判所は、弁護側と検察側の間で、証人申請を認めるかどうか、はっきりとした意見を出さず、一ヶ月空けて検討する述べました。

 この裁判に関心を持たれている方々にとって、この状況をどのように見たらいいのか、少し分かりずらいかもしれませんが、まず法廷でのやりとりを報告し、その後、問題点を指摘したいと思います(以下は、裁判所、検察側、弁護側の発言の概要です。( )部分は、記録者が補足して書きました。メモを基にしていますので、厳密には、発言とは少し異なる部分も含まれていることをご了解ください)。

裁:証拠請求がありますが。
弁:インターネットの記事と翻訳文3つ提出します。アメリカのクローン病の専門医であるジェフ医師が来日してれるというので証人として申請します。
検:立証趣旨、動機に関する証拠物としては異議はございません。
裁:情報があるということだけで意味があるということですか? 新聞記事があるから内容はどうでもいいといった、そういうことですか。
弁:インターネットで情報が存在する(ということです)。
検:8〜10号証は、あまり意味があるものだとは思われません。
裁:知ったという意味はあるが、だからといって、全面的に(内容が)いいということではないということですね。
検:作成者もはっきりしないし、訳文はあるというが、どういうものかはっきりしかねるので証拠としては同意しかねる。
裁:被告人が大麻を所持していた動機として分かりました。医療目的で所持していたという動機にかかる証拠として採用します。
裁:証人申請について(検察の意見はどうですか?)。
検:必要ないと考えています。
裁:今後、(証拠としての資料提出の)予定がありますか。
弁:今は、こちらで証拠調べをしたもののうち、検察に出した6通のうち(同意を得た)3通を提出している。
裁:(弁護側の提出した3通の資料について、検察として)どうですかね。
検:一点はパワーポイントの資料、何かの会議のときの説明です。(提出した資料について、疑問を述べると)医学論文として、内在性カンナビノイドは生体内にあるのではないか。訳文の問題か、理解不足か分かりませんが、外在性カンナビノイドとか言葉の説明がはっきりしない………(など内容に疑問がある旨、述べる)
弁:(検察の述べている疑問について)本来的には信用性ではないでしょうか。わたしも医者ではないので、ジェフさん(クローン病の専門医)に聞くのが適切ではないかと思います。
裁:今後の方向性として証人に聞けばいいじゃないないかということですね。
検:(弁護側の提出した資料について)動物実験の場合であってあって、人に使ってどうなるのかについては全くふれられていない。
検:ここらへん、もう少し分かりやすくしたものがないと。
弁:わたしどもも月曜日に翻訳が上がったもので、改めてということであれば(そのときに提出することも検討します)。
検:(弁護側の提出した資料について)翻訳の原文があるのでしょうか。グラフもよく分からないので。
裁:1ヶ月空けておきますので、今後、どうなるのか検討しましよう。6月29日、2時半、次回の公判です。

(問題点)

■第3回公判の問題点について

(1)法廷では、弁護側から提出したクローン病と医療大麻に関係した資料について、検察は、成田さんが大麻を用いるようになった動機の証拠としては認めるが、その内容について、つまり大麻がクローン病に有効であることを示す資料としては認められないと述べています。
(2)弁護側は、大麻がクローン病に有効であることは、その分野のアメリカの専門医に法廷に証人として来てもらい、発言してもらうのが一番、適切であると証人申請をしました。
(3)検察側は、弁護側による証人申請を拒否しました。
(4)裁判所は、弁護側の証人申請、検察側の証人申請拒否という事態に、この日の法廷では判断を下さず、証人申請を採用するか、不採用にするかの判断を次回公判に先延ばしにしました。

■これまでの公判を通して立証されてきたことと、そしていま何がポイントになっているかについて

・成田さんがクローン病と認定されていること。
・クローン病と認定された後、インターネットを通じて、クーロン病に大麻が有効なことを知り、大麻を摂取しはじめたこと。
・成田さんは、自分の体の状態として、大麻の摂取が病状緩和に有効であったこと。
がこれまで2回の公判で立証されています。

 そうなると、後は、クローン病に大麻が有効であることが医学的に立証されれば、この裁判の展望は大きく切り開かれます。ここで、医学的にと言うとき、文献や資料類もありますが、現実に治療を行っているその分野の専門医が証人になって発言することは、決定的に大きな意味があります。
 このような裁判状況の中で、この証人申請が裁判所に採用されるか、不採用になるか、次回公判で明らかになるはずです。

 次回は、6月29日(月)、午後2時半から東京地裁528号法廷で、第4回公判が開かれます。

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2009年5月17日、マリファナ・マーチin TOKYO 速報
2009年5月18日(事務局)

 この日、直前まで雨で、会場の青山公園(南地区)には水たまりが残っているという悪条件にもかかわらず、多くの参加者がありました。昼12時の開催時間にはまばらだった会場も、だんだん人が増えていき、マーチ宣言を読み上げた後、マーチ(サウンド・デモ)出発時の4時には人で埋まっていました。

 二台のサウンドカーの後に、合わせて500人規模のサウンドデモが横断幕、プラカードを持って青山通り、表参道、明治通り、そして渋谷ハチ公前を席巻しました。名古屋からかけつけた迷彩服の仲間が、犬を何頭もつれて歩いていたのは目を引きました。また、パフォーマーの二人が、身長3メートル近く(たぶん?)に変身しデモに参加して表参道を歩いているのはみんなびっくりしていました。幼い子供を連れた参加者も何組もいました。レゲェと共に歩く人たち、また、トランスのサウンドにあわせて踊る人たち、と多様な価値観の共存そのもののようなサウンドデモでした。

 通行中の人々は、このサウンドでもびっくりした様子で、かけつけ写真を撮る若い人たち、買い物客、外人観光客など、カメラがいっせいに向けられました。手を振る人たちも予想外に多かったです。大麻取締りを改めるよう訴えるカンナビストの仲間、医療大麻裁判を訴える成田さんらの声が街中に響きました。
 これだけの人の列が、そして街を歩いていた人にとってこれまで見たこともないユニークなデモだったはずで、圧倒的な注目を集めました。偶然、サウンドデモと遭遇して、一緒に歩き出した人たち、デモに加わる人たちもいます。
 昨年の一連の大麻事件に関連してテレビ、新聞などのネガティブキャンペーンがありましたが、わたしたちの訴えに市民の反応はおおむね好意的でした。また、雑誌メディア、海外の大手メディアなどの取材などもありました。

 そしてサウンドデモはトラブルもなく、無事、宮下公園で解散しました。これまでで最も盛り上がったデモだったという声をあちこちで耳にしました。マーチ参加者のみなさん、ありがとうございました。

 マーチ、出演者のみなさん、ありがとうございました。出店者のみさん、お疲れさまでした。そして、ボランティアでマーチを手伝ってくれたみなさん、本当にありがとうございました(付記、マーチに参加するため遠路、北陸からかけつけた4人の方々、溜まった水の排除や車両のデコレーションなどご協力いただきました。本当にありがとうございました)。

 以下、17日に会場で読み上げられたマーチの宣言文です。

マリファナ・マーチ 東京宣言2009

2009年5月17日
マリファナ・マーチ(東京)参加者一同

 昨年来、大学生、スポーツ選手らによる大麻事件がテレビや新聞で大きく取り上げられ、連日のように報道されました。いずれも大麻が社会に広まっていると非難していますが、なぜ大麻で逮捕しなければならないのか、大麻はそれほど危険なものなのか、現在の取り締まりに正当な根拠はあるのか、という本質的な問題には触れようとはしません。海外の状況や日本にも大麻規制の見直しを求める声が存在することを無視し続ける一方、取り締まっている行政側の主張のみを何の検証もせずに報道しています。

 しかし、大麻は人に手錠をはめ、刑務所に入れなければならないほど危険なものではありません。大麻には大きな有害性はないというのが世界の共通認識になっています。オランダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、スイス、ロシア、カナダ、オーストラリアなどでは大麻は刑事罰の対象から外されています。アメリカでも13の州では州法で非犯罪化(社会的容認)され、連邦法でも常習的ではない個人の所持や栽培に関しては刑罰は科せられていません。

 この一年、3,000人近い市民、学生が大麻の所持や栽培といった容疑で逮捕されています。大麻取締法は、大麻の所持を最高懲役5年、栽培を最高懲役7年と世界の国の中でも重い刑罰を科しています。国は、大麻の有害性について明確な根拠を示すことできないにもかかわらず、このような取締り政策を続けています。
 その結果、多くの人々が失業や学業の中断、家庭生活への打撃、精神的苦痛、社会的制裁などの弊害を被り、さらには大麻事件の捜査に関連して自殺者までも出ています。いまの日本の状況は、公権力による国民に対する人権侵害と言っても過言ではありません。

 いま、この同じ時に、ごく普通の一家の父親が、あるいは、仕事熱心の心優しい若者が、大麻取締法で逮捕され、勾留されています。難病に苦しみ大麻を治療に使っていて逮捕され、裁判を受けている若者もいます。家から遠く離れた土地で刑務所に服役している若者もいます。
 古着の中に昔の大麻の破片が残っていた、落とし物の中にごく少量の大麻が入っていた、お店の片隅に誰のものか分からない大麻があった、これが重大な犯罪なのでしょうか。
 人の痛みに気づくとき、このような状況を見過ごすことはできません。大麻取締りによる理不尽な状況、人道に反した状況を一刻も早く改めるよう訴えます。

(1) 大麻の少量の個人使用の所持・栽培については刑事罰の適用を止めるよう求めます。
(2) 薬物政策に関して、使用者を刑事罰で罰する政策から治療により社会復帰を実現する政策に転換するよう求めます。
(3) 難病をはじめ、大麻が治療・病状改善に役立つ病気について、患者さんたちが大麻を医療目的に用いることを可能とするよう求めます。
(4) 大麻の農業・産業利用のために大麻規制の緩和を求めます。
(5) マスメディアは、大麻の有害性は高くないという事実、大麻の規制の見直しを求める社会的な声が存在しているという事実を公正に報じるよう求めます。

 

 

 

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5月17日(日)2009マリファナ・マーチ in TOKYOに向けて広報の協力を求めています
2009年4月24日(事務局)

■もうすぐ5月の連休がはじまります。連休期間中は、各地でいろいろなパーティが開催されます。大きな野外パーティもあるようです。この期間中、パーティやライブ、イベントに出かける予定のみなさんにお願いがあります。会場にマリファナ・マーチのフライヤーを置いてもらう、そんな協力をしてもらえないでしょうか。
 広報活動は、マーチを成功させるために大きな力になります。そして、大麻の規制を見直しを実現させようではありませんか!

 イベントによりフライヤーの配布が規制されていることもありますので、主催者や他の参加者に受けいられるような形での広報をお願いしています。イベント会場に出店しているブースや、フライヤー置き場が用意されていれば、そういうところにまとめて何十枚か置いてもらえればと思います。
 カンナビストに連絡をいただければ、50枚単位で、必要なだけ、1000枚の規模でも郵送でお送りしています。必要枚数と送り先のご住所をお伝えください(送料無料です)。

■マーチのフライヤーを配布してもらえないでしょうかと呼びかけをしています。
 なじみの場所の飲食店、雑貨、古着、音楽関係、クラブ、イベント会場などに、30枚、40枚とマーチのフライヤーを置いてもらえないか、そんなボランティアを求めています。
 4月のはじめにそんな呼びかけをして、多くの方からやってみますという連絡をいただいています。協力していただいた方々、ありがとうございました。引き続きマーチ当日まで、配布してくれるボランティアを募集しています。

表面(クリックで拡大)
裏面(クリックで拡大)

■連絡先(カンナビスト)
TEL:090-6049-0518  
E-Mail:info@cannabist.org

 

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2009マリファナ・マーチinTOKYO(5月17日)では、こんな企画を募集しています
2009年4月24日(事務局)

■マーチの会場は、港区にある青山公園(南地区)です。公園内にはちょっとした小山や林のある都心とは思えないスペースです。その林の中で、アート系の展示やパフォーマンスをしてみませんか。

▲アーティストを募集しています。トランスのパーティでライブペインティングや造形、会場デコをしている方、これからそんなことしてみたいという方、山と林の中で、発表会してみませんか。

▲パフォーマンス、大道芸人、ジャグラー、パントマイム、口上芸、変わったこと面白いことをしているパフォーマー、そんな方々、募集しています。

■青山公園(南地区)という不思議空間……住所は六本木7丁目。六本木と青山のちょうど中間あたりに立地してます。すぐ裏に、国立新西洋美術館があります。
 
ところがここは、山の中。ほんとうに山があるのです。高さ20メートルぐらいの山で、木々が茂っています。公園の目の前は、青山墓地の広い敷地。山の裏には在日米軍のヘリコプター基地があります。はて? こんなところに米軍基地が、と目を疑いますが、よくできていて、周りから死角になっていてほとんどの人は存在してることに気づいてません。唯一、基地の全景が見えるのは、この公園の山の頂上からだけ。
 
 山の頂上からは米軍基地の柵ごしに東京ミッドタウン、六本木ヒルズが銀色にそびえ立っているのが見えて、どこか未来世界を想像させる光景です。

 マーチには、たくさんの人がやってきます。公園の山や林は、迷路のような隠れ家のような空間でもあります。そんなスペースならではのアート、パフォーマンス体験を楽しんでみませんか。

■問い合わせ先(カンナビスト)
TEL:090-6049-0518  
E-Mail:info@cannabist.org

 

1.このあたりが山の上です(撮影は、マーチ当日ではないので普段はこんな鄙びた感じです)
 
2.米軍基地の柵の向こうに六本木ヒルズがそびえ立っている(山の頂上から)
 
3.山の上から下のグランドに向かう小径
 
4.公園の山の中腹あたりです。

 

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成田さんの医療大麻裁判 第2回公判
2009年4月23日(麻生結・記)

4月16日(木)成田さんの医療大麻裁判 第2回公判 東京地裁528号法廷

 この日、昼12時から東京地裁の正門前で、成田さんと支援者によるビラ撒きをしました。法廷は、初公判よりも傍聴者が増えていました。

 1時半、開廷。最初に弁護人から8点の証拠が法廷に提出されました。その内容は、成田さんがクローン病の患者であることを示す大学病院のカルテ類。クローン病に関するパンフレット、本のコピー、論文。大麻の医療使用に関する論文などです。
 1時35分、弁護人による被告人質問がはじまりました。【以下、弁=弁護人。検=検察官。被=被告、成田さん。法廷での発言のメモを基にしたものです。プライバシーに関わる部分、その他を一部省略しています。( )=記録者による補足です。】

弁:大麻とLSDの所持については間違いありませんか。
被:間違いありません。
弁:LSDを所持していたのはなぜでしょうか。
被:自分自身がクローン病と診断されたことで、(人生が)まっ暗になってしまいましたが、LSDの作用を体験することで、病気と向き合って前向きに生きていこうという気持ちになれたからです。
弁:供述調書では、LSDについて粘膜の再生にも効果があると述べていますが。今回の裁判ではLSDについて争いますか。
被:いいえ。LSDについては争いません。
弁:大麻所持の理由はクローン病にかかっているということだと訴えていますね。
被:はい。
弁:クローン病と診断されたのはいつでしたか。
被:2004年1月です。
弁:どういう経緯で診断が下りたのですか。
被:2003年夏から秋、もともと体がだるかったのがピークに達し地元の病院を受診したところ、体の中に膿が溜まっていて出さなければならない。もしかしたらクローン病かもしれないと言われました。その後、東京でも手術をし、さらに検査の結果、クローン病と認定されました。
弁:(当初)地元の病院で受けた診断ではどんな病名でしたか。
被:肛門周囲膿症です。
弁:いわゆる痔瘻ですね。はじめて痔瘻の診断を受けたのはいつですか。
被:1999年の夏か秋に痔瘻と診断されました。
弁:どんな治療を受けましたか。
被:塗り薬などを渡されました。
弁:治りましたか。
被:全く治りませんでした。
弁:【証拠として提出された大学病院の平成15年11月13日の入院の記録、平成19年12月25日入院の記録、平成19年9月15日入院の記録、外来の診断の記録などをもとに被告、成田さんに質問をしました】
弁:平成15年11月13日の入院について聞かせてください。
被:クローン病かもしれないということで(ということもありましたが)、東京の大学病院で痔瘻の手術を受けたときのものです。
弁:どんな手術でしたか。
被:【痔瘻の手術についての具体的な説明をしました】
弁:(体から膿みを出す為の)シリコンのチューブを、どのぐらいの期間付けていましたか。
被:このときは半年です。
弁:このときの内視鏡検査報告書がありますね。
被:この診断で、クローン病と認定されています。
弁:痔瘻もクローン病に起因する病状の一つでしょうか。
被:はい。
弁:ここには平成17年からの受給者症がありますが、平成17年にはじめてもらったのでしょうか。
被:平成16年に(そう)診断され、その後、まもなく受給者証をもらいました。
弁:(クローン病の)治療法は確立されていないのでしょうか。
被:はい。
弁:どんな病状なのでしょうか。
被:緩解期という病状が落ち着いている状態と、病状が進行する再燃期があり、それを繰り返しています。
弁:今はどうでしょうか。
被:いまだに肛門の周囲には傷があり、そこから膿や血が出ています。体調が悪いと下痢もします。
弁:(病気によって)日常生活で苦しいことや苦労はありますか。
被:手術の直後は、痛みがひどいです。外では排便ができません。患部の清潔を保つ為に、毎回、自宅に戻らなくてはなりません。また、突然手術することになると、一般の会社だと、突然、会社を休むということになってしまう。いわゆる一般的な社会生活を送る事自体が容易ではありません。
弁:現在の病状はどうですか。
被:中程度と言われています。
弁:平成15年以降も入院したり、手術していますか。
被:その後、一度手術しています。
弁:どういう病状でしたか。
被:このときは、たまたま大麻が手に入らず、体が限界に来ていました。肛門の周囲が晴れ上がり、瘻孔からは膿が出続けていた。緩解と再燃くりかえすのがクローン病です。
弁:容態が悪くなると、絶食をしたり、人口肛門をつけなくてはならないのですね。
【ここで検察官が「それはお医者さんが言ってることか、被告人が思っていることか」と遮りました】
弁:人口肛門が必要になるというのは一般論です。
【裁判官は「まあ、いいので」と被告人質問を進めるよう促しました】
弁:何歳のときにクローン病と診断されたのですか。
被:平成16年ですから24歳です。
弁:そのときの心境を聞かせてください。
被:目の前がまっ暗になりました。将来、結婚したら子供に遺伝するのではないか。食べものが、一切食べれなくなったり、人口肛門を付けたりして生きていくしかないのかなと思いました。
弁:日本で大麻にはじめて手を出したのはいつですか
被:クローン病と診断された後(病気のことで)いっぱい、いっぱいで解決策が見つからず、途方に暮れていた時です。
弁:最初はどこで大麻を経験したのですか。
被:アジアに居たとき、たまたま外国人に勧められて。そのとき体調が良くなった、ということが当時からありました。
弁:その後、調べてみてクローン病に効果があると知ったのでしょうか。
被:まず、クローン病と診断されてから自分の病気のことを調べていました。(大麻が有効なことは)その時にインターネットで知りました。1999年にはワシントン州で医療大麻法の適用疾患の一つに加えられ、実際に効果があるようだと書かれていた。炎症の抑制、腸管の修復に大麻が効果があるという情報がありました。(また)大麻が使えるようになって、病状が良くなったという情報がありました。
弁:(あなたは)英語はできるのですか。
被:日常会話は問題ありません。高1で英検2級を取りました。
弁:(クローン病に大麻が有効であるという)資料などもあるのですね。
弁:こちらは、いま翻訳中で近日中に、提出できます。
弁:大麻をクローン病の治療に使うことができる国や地域をあげてみてください。
被:カリフォルニア、ロードアイランド、ハワイ州、カナダ、イスラエル等。スペインでも自己治療目的での使用は罰せられません。
弁:大麻を吸うとどうなるのですか。
被:まず、僕の場合、ストレスで病状が悪化します。胃腸がうずく、体が抑制的にだるい。そういうものから解放されます。
弁:(東京駅で)職質されたときの供述調書のことを話してください
被:(そのとき)「そこには内臓の粘膜を強める薬があるんだ」と答えたのは、クローン病に効果があるということです。
弁:供述調書では、ストレスを和らげるために(大麻を)所持していたということですか。
被:そこで言っているストレスというのは、クローン病の場合、ストレスそのものが粘膜の状態を悪化させるということで、一般の人が(使っている意味の)ストレスを発散させるというような軽い意味ではありません。
弁:現在の治療について聞かせてください。
被:投薬が主です。毎日20錠の薬を飲んでいます。抗炎症剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、胃を保護する薬などです。それでも緩解期が続くとは限りません。
弁:副作用があるのでしょうか。
被:特にステロイド剤は飲んでいるだけで緑内障や白内障、不眠、精神的不安定もなり、肌がものすごく荒れたり、湿疹ができます。
弁:(クローン病を)大麻で治療している人もいるのですか。
被:海外では大麻のみで治療している人がいることをインターネットで知っています。
弁:(逮捕されて以降)大麻を使っていないのですが病状はどうでしょうか。
被:不眠気味です。病状の指標となる炎症反応の数値も上がっています。ほぼ、2ヶ月おきに病院に行って検査を受けていますが、CRP(炎症反応)という白血球の数を表している数値があります。昨年11月18日、ちょうど逮捕された日のCRPは0.23。保釈後の12月25日の検査では1.23と跳ね上がっている。それ以前のCRPは安定していた。その前後での状況の違いとして考えられることとしては、捕まっている間は、大麻を使用していなかったこと。捕まっていることによるストレスも多少あると思うが。
弁:海外のお医者さんと話されたそうですが。
被:ジェフ・ヘルゲンラザーさんというカリフォルニアのお医者さんとインターネットのスカイブ、テレビ電話で1時間半話しました。(日本の)カルテを見せて、聞かれた数字を読み上げました。
弁:なんと言っていましたか。
被:僕の症状はカルテの通りだが、過去に使用していた倍の量(の大麻)が良いと言われました。
認められるなら日本に来て、法廷で証言してもいいと言ってくれました。
弁:海外ではどうやって(医療大麻を)使っているのですか。
被:主に、巻いたものを吸っているか、(成分を)気化させるベーポライザーを使っているそうです。
弁:医療大麻を合法化すべきだと思っているのですか。
被:大麻は有害性があるから規制していると言われていますが、大麻の有害性について明確な根拠になる資料はないそうです。海外では実際に大麻で治療している人がいます。僕の病気以外にも大麻が有効な病気があり、(今は)患者にとって不利益な状態になっている。日本では研究もできない。厚生労働省の担当者に大麻の医療面での効果について電話で聞いたところ、そういった情報は一切、把握していませんという答えでした。僕以外にも医療面での使用を禁じられていることで困っている人がいる。憲法という根本的な法律に則って対処してほしいと思います。不必要な薬を飲み続けなければならない。大半の患者は医者にまかせるしかないと思っているが、難病については医者も解らないので、自分で調べてやるしかない。

【2時20分から、もう一人の弁護人による弁護人質問の補足がありました】
弁:精神的なストレスが病状を悪化させるということですね。
被:(ストレスは)体に出てくる。うずきを感じます。一般の人には、そういったこと自体ないようですが、肉体的に(自覚として)ストレスを感じます。

【今回は予定されていませんでしたが、急遽、2時25分から、検察官による弁護人質問がありました】
検:特定疾患の受給者証の住所が関西になっていますが。
被:東京にいて倒れたときのことを考えて実家の方に移しました。
検:なぜ、ご両親と同居しなかったのですか。
被:東京で生活していたので。先々の可能性がなくなってしまうので。
検:大麻を本格的に使うようになったのは平成16年のはじめからですか。
被:1月8日に検査があり、1月中旬ぐらいに検査結果が出た。それからです。
検:どのくらいの割合で大麻を使っていたのか。
被:手に入ればなるべく吸うといったところです。
検:ストレスが溜まったときに(大麻を)買っていたのですか。
被:買えるチャンスがあればということです。
検:回数をあげると、二日に一回とかですか。
被:あれば一日何回か、なければ全く吸わないといったところです。
検:(大麻が)なければないで生活できるのですか。
被:生活自体はできるが、体調は悪くなる。できれば常に吸いたいが、金銭的な問題もあるので、そうもいかなかった。
検:気づいたときに(渋谷の)センター街に行っていたということですが、定期的に卸してもらうとか考えなかったのですか。
被:密売人が捕まれば、自分も捕まってしまうので、そういうことは考えなかった。
検:現行犯で捕まったとき、その自分が持っているものは大麻だとは言わなかったのですか。どうしてですか。
被:薬が入っていると言いました。
検:捕まりたくないという気持ちはあるんですね。
被:はい。
検:(かかりつけの)医大には大麻を使っていると言ってるんですか。
被:言ってません。
検:海外の大麻での治療について担当のI先生は有効であるという考えではないようですか。
被:大麻について説明しようとしたらこちらで調べるからいいよと言われました。それについてはコメントできないと言われた。全く受け付けてくれなかった。
検:最初の相談はいつですか。
被:平成19年の入院より少し前のことです。
検:どうして最初に(担当医師に)あしらわれただけで、それ以上、言うのを止めたのですか。
被:入院したときに看護婦さんに、お医者さんと製薬会社のつながりの深さを聞いて、(大麻の件は)無理だと思った。また、お医者さんの心証も悪くしたくなかった。
検:転院とか考えなかったのですか。
被:どこの病院にも(理解ある医師は)見られません。
検:クローン病に関し日本に学者はいないのですか。
被:大麻による治療を研究出来る医者は日本にはいません。
検:薬は毎日飲んでいたんでしょうか。
被:基本的には飲んでいました。
検:副作用のある薬と大麻を併用することについて相談していますか。
被:相談していません。
検:なぜ、先生(担当医)に相談しなかったのですか。
被:判断基準がない日本では、正確な回答は得られないと思いました。
検:そんなにお医者さんが信用できないということなら、通う意味はなかったということですか。
被:全く耳をかさないということでも、定期的な状況のモニタリングや悪化した際の対処などは必要で、意味をなさないということではありません。
検:大麻とLSDを併用してクローン病に悪い影響があると考えなかったのですか。
被:そういった研究データはみたことがありません。
検:LSDの規制についてどういう意見ですか。
被:今の現状だと規制せざるを得ないと思います。
検:副作用のある薬に関して、(担当医に)薬を変えてほしいと言ったことはありましたか。
被:ハルシオンを飲みたくないので変えてほしいと言って、変えてもらいました。
検:外国で(医療大麻が使われ)吸っているということですが、毎回の使用量などもお医者さんの指導の下ですか。お医者さんと相談してのことですか。
被:処方というよりも、使用結果をモニタリングするのが一般的です。量については個人差もあり、個人の裁量に任されている(という面がある)。肉体的に実感できるので患者自身による判断によります。
検:中島らもさんのケースはご存知ですか。大阪地裁の医療大麻が問題になった。
被:はい。

【2時45分。以上で検察官による被告人質問は終了しました。続いて、弁護人による弁護人質問の追加がありました】

弁:クローン病に限らなければ、医療大麻の研究をしている医師は日本にいるのでしょうか。
被:います。薬理学の先生と三時間くらい話をしました。その先生も、現在は規制されているが、臨床研究はできるようになるべき、大麻の医療使用について研究を進めるべきと述べていました。

【裁判官から「検察官の質問は」という問いかけに対し検察官から「もうけっこうです」という返答がありました。また裁判官から、クローン病と大麻の資料翻訳と証人について、いつごろになるか弁護人に問いかけがあり、5月下旬になるとの返答がありました。最後に次回公判は、5月28日(木)、午後3時から258号法廷になることが決まりました】

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東京マーチの出演、展示、飲食の出店者を募集します
2009年4月11日(事務局)

マリファナ・マーチ2009 in Tokyo 5月17日(日)

●主演者を募集しています。音楽、バンドの出演募集中です!………マリファナ・マーチは参加者みんなで作るイベントです。音楽、フリースピーチ、ダンス、演武、パフォーマンスなど、自分の得意なこと、スタイルで意思表示してみませんか。

●飲食関係の出店も募集しています………出店に際して、事前に保健所への届け出を検討しております。詳しくはお問い合わせください。

●会場内での展示、発表、アート、パフォーマンス、トークなどしてみたい方、グループを募集しています………マーチの趣旨に賛同される方でしたらできるだけ広く受け入れていきたいと思っています。販売などはできません。

(問い合わせ先)カンナビスト
TEL:090-6049-0518  
E-Mail:info@cannabist.org

 

(参考)

※こんなことをしてみたい、こんなことができるという人やグループを募集します。もちろん、ここに出ている項目以外でもかまいません。
○アコースティック系の音楽の発表。
○フラダンス、ベリーダンス、パフォーマンス、大道芸、ライブペインティングなどの発表。
○落語、漫談、漫才、コント、講談、ものまね、奇術など。
○写真、絵、イラスト、似顔絵、押花、書、墨絵、版画、木彫、木工などの展示。
○自作のTシャツ、帽子、アクセサリー、折り紙、フラワーデザイン、ファッションの展示。
○旅好きの人へ、自分の旅の記録を発表してみませんか。
○カポエラ(ブラジルの武道)、中国拳法、古武道の実演。
○たこ揚げ、紙飛行機の教室。
○手作り石鹸、籠(かご)を編む、草木染め。
○民族楽器の演奏。
○ボディワーク、整体、呼吸法、気功、ヨガ、瞑想。
○ネイルアート、メイクアップ、占い。
○麻布の染めものワークショップ、麻のアクセサリー作りワークショップ。
○ヘンプ(大麻)を素材にした製品や手作りのアイテムを紹介してみませんか。
○自分の実践しているエコロジー生活の知恵、ノウハウを公表してみませんか。
○ふだん感じている世の中、社会への不満、偏見や差別の問題、少数意見など発言の場を設けます。人権・平和・環境に関して自分の意見を訴えてみませんか。

※2009マーチでは、こんなことのできる助っ人を求めています。
○公園内に広げる「マリファナ・マーチ2009」といった横断幕を作ってくれる人。
○パレード用のプラカードなどを作ってくれる人。
○会場の飾り付けなどを手伝ってくれる人。
○カンナビストのブースでスタッフとして手伝ってくれる人。
○アナウンスなどが得意な人。喋るのが好きな人。
○人を笑わすのが上手な人。プロ、セミプロ、素人どんな方でもけっこうです。

 

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マリファナ・マーチin TOKYOのフライヤー配布を協力してくれる方を求めています
2009年4月10日(事務局)

今年のマーチは、5月17日(日)青山公園(南地区)で行われます。
B6版の一色刷りですが、素敵なデザインのフライヤーです(紙の色はライトグリーン、クリーム、ピンクのいずれかになります)。
マーチは手作りのイベントです。
広報活動に協力していただけないでしょうか。

○希望者には、50〜100枚単位で、お送りします。500枚、1000枚単位でもお送りできます(郵送です。無料)。
○イベント、パーティ、ライブ会場。飲食店、雑貨店、音楽・ファッション関係のお店、その他、フライヤーやミニコミを置いてくれる場所に置いてもらえないでしょうか(主催者、店の担当者に声をかけて依頼します。どこでも好意的な反応のようです)。
○友人・知人のネットワークで広めるというのもいいかもしれません。

表面(クリックで拡大)
裏面(クリックで拡大)

●やってみようという方は、カンナビスト事務局にメールでご連絡ください。
すぐに発送いたします。
メールアドレス info@cannabist.org

 

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3月12日(木)、成田さんの医療大麻裁判初公判レポート
2009年3月13日(事務局A・記)

 この日、東京は快晴。午前11時45分、霞ヶ関の東京地裁の正門前に支援する仲間が集まり、医療大麻裁判のことを訴えるビラを配りました。昼休み前で、多くの人々がビラを手にして読む光景が見られました。
 この日は性教育を巡る裁判の判決があり、教諭や保護者の人たちのビラ撒きが隣で行われていました。その教育・福祉関係者たちにもビラを渡しましたが、ごく自然に医療大麻裁判の問題を受けとめているようでした。

 公判は、午後1時半から5階の528号法廷。56席の傍聴席のほぼ半分が傍聴者で埋まりました。法廷に入って、弁護士さんの席の後ろの壁に大きな画像パネルがあるのが目につきました。以前はなかった設備で裁判のシステムが変わってきているのを感じました。
 成田さんは、グレーの背広姿、黒いネクタイを締めて法廷に立ちました。横には、2名の弁護士さんが席についています。
 裁判は最初に被告人質問からはじまり、裁判官が成田さんに、名前、生年月日、本籍などを尋ねました。

 次に検察側から公訴事実の読み上げ。概要として、被告(成田さん)がみだりに、2008年11月18日、東京駅で大麻樹脂状固形物3.082グラム、LSD固形物0.341グラムを所持していた。大麻取締法と麻薬及び向精神薬取締法の違反というものです。
 二人の検察官のうち、女性の検察官が、ビニールの袋に入った黒っぽい塊を手にして、成田さんに近づき、これはあなたのものですか? と質問しました。所持していた大麻樹脂状固形物のことです。成田さんは認めましたが、検察官は続けて、これを放棄しますね?と強要するような口調で質問をしました。
 この質問は、裁判で大麻を治療のために持っていたと訴えている被告にとっては、理屈に合わないことで、成田さんは、納得いかない様子で、検察官の望んでいるような答えにはなりません。検察官は、予想外の状況に、少し焦り気味に、放棄しますか?と質問を繰り返します。この場面は、筋書き通りにいかない、ちょっとしたハプニングでした。
 見かねた裁判官が、じゃあ、(検察官の)質問はなかったことにしましよう、とその場を収めました。このあたりの駆け引きは、些細なことでしたが、検察側の一方的なやり方が、通らなかったという印象がありました。

 そして、裁判官から成田さんに、検察の公訴事実を認めるかという質問があり、成田さんは、大麻を所持していたことは認めるが、持病のクローン病の治療のために所持していたので「みだりに」ではないこと。また、LSDについては所持も、それをみだりに持っていたことも認めますという返答がありました。

 次に検察側から起訴状の朗読(後日、原文が公開できる予定。控訴事実を具体的に示したもので、上記の控訴事実と同様の内容です)。続いて法廷に提出された証拠物の説明がありました。その中には、被告が医療大麻について述べている調書なども含まれていました(このことは、被告が取り調べ段階から一貫して、病気の治療のために医療目的として大麻を所持していたことを示しています)。

 そしていよいよ弁護側からの冒頭陳述です。冒頭陳述とは、弁護側がこの裁判に対してどのような姿勢で臨むのか、その基本方針を述べるものです(後日、原文が公開できる予定)。
 その内容は、おおよそ以下のような論旨です。大麻の所持について、外形的事実(逮捕されたとき、大麻を持っていたという具体的事実)は認めるが、それはクローン病の病状を緩和するため、治療用に用いていたものであるから無罪であると主張しました。それは次のように要約されます。

○大麻取締法第24条2、第1項が適用される限り、(適用違憲であるので)無罪である(参考-----大麻取締法第24条2 第1項「大麻を、みだりに、所持、譲り受け又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。」)。被告の大麻所持は、治療目的であり「みだり」ではないので大麻取締法の適用は過っている訴えています。

○刑法的に正当行為であること。科罰的違法性を欠いている。これは、冒頭陳述の後半で述べられていますが、被告の大麻所持は、自らの健康を追い求める行為であって、それを法律で罰することはできないという訴えです。

 続いて、クローン病について、現在の医学では原因が不明であり、治療法が確立していないことが指摘されました。そしてクローン病の患者である被告が、毎日20錠もの薬を飲み続けなければならないこと、ステロイド剤の副作用に悩ませれていることなどが指摘されました。また、海外では1980年代から医療的な目的で大麻が使われるょうになってきていること、クローン病の治療に大麻が有効であることなどが指摘されました。
 被告は平成17年にクローン病と診断され、それ以降、闘病生活を続けています。その中で、ステロイド剤を大量に使用せざるをえないという問題を抱えている。近年、医学界では、患者の権利を重視する治療が唱えられているが、それは患者が自ら良質な治療を選べること、治療について自己決定ができること、治療の情報を得られることなどである。そういった観点から見て、被告が大麻を所持していたのは、自らクローン病と闘う手段として用いてきた、つまり自らの健康を追い求める行為であって、それを法律で罰することはできないと訴えました。このような理由から被告は大麻の所持に関して無罪であると述べました。

 裁判官から検察側に冒頭陳述に対して意見があるか求められましたが、検察は、弁護側の立証を裏付ける証拠がまだ提出されてないので、何も反論できないと述べるにとどまりました(冒頭陳述は、それを裏付ける証拠を法廷に提出しなければ、客観性があるとは認められない一見解、一方的な意見としか見なされません。今後、弁護側から客観的な証拠物(=資料)を添えて、被告がクローン病を患っていること、クローン病の治療に大麻が有効なこと、クローン病の治療に大麻を認めている国や(アメリカの)州があること、などを立証していくことになります)。
 
 弁護側からは、現在、クローン病と大麻について海外の文献をあたっていること、証人についてもあたっていると述べられました。検察側は、まず被告のクローン病の診断書、カルテなどを出して欲しいと述べました。

 その後、15分ほど休廷になり、2時半に再会され、次回公判は4月16日(木)午後1時半から同じ528号法廷で行われることになりました。

 ■裁判終了後、成田さん、弁護士さんと支援者を交えた簡単な話し合いがありました。この裁判、出だしとしては健闘したという評価がありました。裁判官も被告・弁護側の主張を聞く姿勢が見受けられたような印象を受けました。被告に対する言葉遣いや態度なども、以前のような、上から裁くといった雰囲気が薄らいできたようにも感じました。司法の視線が市民の目線に近づくように変わってきているのでしょうか。
 今後、医療大麻裁判としてがんばっていきたいということで、一同、前向きな気持ちでこの日の裁判を終えました。

 現在、カンナビストは成田さんの医療大麻裁判を支援する会を全面的に協力して、裁判を支援しています。裁判の今後に、大きな影響を与える資料類(クローン病と大麻の治療)の証拠収集、翻訳などプロジェクトチームが作られ、動きだしています。社会的にこの医療大麻裁判を訴える広報活動も行っています。
 ご覧になっている方々の中で、何か応援、協力しようと思われた方は、ぜひご連絡ください。

カンナビスト事務局:
 03-3706-6885
 info@cannabist.org

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2月6日(金)定例会(東京)の報告
2009年2月12日(事務局A・記)

2月6日(金)定例会(東京)の報告

 2月6日(金)の定例会では、医療大麻の裁判を準備している成田賢壱さんの話しを聞きました。この日、最初、参加者の集まりはまばらでしたが、8時すぎになって、ちょうど成田さんの説明がはじまるぐらいの時間から人が増えてきました。

○医療大麻裁判の成田さんの話しを聞きました
 「ぐ」の店内のまん中にあるテーブルの前に成田さんは立って、昨年11月、東京駅で職質に遭遇して大麻取締法違反などで逮捕されたことから話しはじめました。また、以前からクローン病という難病に苦しいんでいて、特定疾患の認定を受けていることを話してくれました(確定診断は2004年1月)。
 そして自分の経験から大麻を用いることで、病気の悪化を抑えられることが明かであったことと共に、欧米の医療大麻の研究ではクローン病の治療に大麻が有効であるという発表があり、裁判でそういった事実を訴えていきたいと成田さんは話してれました。
 いまも毎日、たくさんの薬を飲み続けなければいけないのは大変なことだと、カプセルの詰まったピルケースをテーブルに広げて見せてくれました。すごい量の薬です。大麻を使用することで薬の量がかなり軽減することは明かで、欧米では大麻だけで他の薬を使用しないケースもあるそうです。説明の後、さらに30〜40分、参加者からの質問に答える質疑応答がありました。
 そんな話し合いをしていく中で、これからカンナビストとしても成田さんの裁判を応援していこうということになりました。初公判は、3月12日(木)東京地裁と決まりました。当日は、平日ですが、傍聴の参加を呼びかけたいと思います(詳しい情報は近日中にアップします)。成田さんは裁判費用の募金をすでにはじめていますが、それに協力しようということにもなりました。
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○2月22日(日)「420JAPAN」の仲間が大麻報道に異議申し立てするデモをします
 時間も9時すぐぎになること、カンナビストの仲間で「420JAPAN」を主催しているNさんが、2月22日のデモの説明をすることになりました。Nさんは、緑を基調にしたカラーのフライヤーを持ってきてみんなに配りました(けっこうカッコ良く、毎年経費節減のためモノクロで印刷しているマリファナ・マーチのフライヤーよりも立派です)。
 当日は、青山公園(南地区)会場で12時開場、13時30分から15時までスピーチを中心にして、いまの日本の大麻報道の理不尽さを訴えていきます。そして15時から渋谷までデモ行進になります。最近、街中でよく行われている職質について、人権的に問題がないか、以前からこの問題に取り組んできた救援連絡センターの方からの話しを聞く時間も設けたとのことです。
 先ほどまで話しをしてくれていた成田さんの医療大麻裁判というホットニュースも、この22日の集まりで大きく取り上げようという意見が出され、一同、賛成するとともに、世論に与える影響など考えると、22日の集まりとデモの意味が大きくなってきて、みんな盛り上がってきました。それから渋谷のハチ公前で、成田さんの医療大麻裁判のことを話すことも可能ではないか、とプランが膨らんでいます。

 この日の定例会は、いつもの7時スタートで、最初は閑散としていました。ところが、だんだん盛り上がってきて人も増え、終了時間の10時ごろは熱気に包まれ、終わる気配がありません。結局、有志は「ぐ」に残って、話しが続いたようです。
 また、「マリファナ・マーチ(東京)」の第一回目の実行委員会の話しもありましたが、現在、直近に迫っている上記、二つのテーマの報告をメインにしたこともあり、その詳細などは後日、報告いたします。

○カンナビスト事務局よりの呼びかけ
 
 この日(2月22日)は関西で「カンナビスト・トークフェスタin大阪」があります。関西の仲間から送られてきたカラーのポスター(フライヤー)を定例会の参加者に配りました。同じ日に東西同時に大麻問題で行動が行われるのは、はじめてのことです。
 この数年、特に昨年から「大麻事件」にからんで、社会的な大麻パッシングが強まっていますが、それは逆にいまの規制のあり方の方に矛盾があるのではないかという意見に耳に傾ける人を増やしています。東西でこのような行動が起きるのは、そういった異議申し立ての声がいかに大きくなってきているかを示すものです。

 2月22日(日)、東京での「大麻報道への異議申し立てデモ」(青山公園・南地区)、関西での「カンナビスト・トークフェスタin大阪」(AManTo 天然芸術研究所・地下鉄谷町線「中崎町駅」4番出口から徒歩30秒)に一人でも多くの方々が参加されるよう呼びかけたいと思います。