トピックス (2008年)

・ここでは、カンナビストの活動や大麻問題に関わるニュース・報告など、さまざまな情報を発信していきます



トピックス(2008年)目次
コラム「筑紫哲也の死」(11/19)
11月7日(金)、定例会(東京)の報告(11/17)
4月4日(金)、定例会(東京)の報告(4/10)
マーチのチラシ撒きの報告(4/5,4/6)(4/9)
3月7日(金)、定例会レポート(3/12)
2月1日(金)、東京定例会の報告(2/14)
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コラム「筑紫哲也の死」
2008年11月19日(松本賢・記)

 ジャーナリストである筑紫哲也氏が肺癌で亡くなった。筑紫氏に対しては、批判的意見をもつ人もいるかと思うが、氏のジャーナリズムに対する姿勢は、その業界に席を置くものでなくても一目置くところがあったと思う。

 筑紫氏をよく知らなくても、「多事争論」という言葉を好んでいたのをニュース番組で知っている人も多いのではないだろうか。これは福沢諭吉の言葉であり、「違う意見を持つ者が議論する事がなにより大切である」ということを意味している。筑紫氏は、偏らず様々な意見が交わされることが大事であり、自由な気風はそこから産まれると伝えようとしていた。またそこから、「少数派の声、弱者の目線」というものを大切にしていた。いかに様々な意見があっても、少数派・弱者の声は響きにくく、議論の場に届きにくいからであろう。自由の気風には、少数派・弱者の声が必要なのだ。

 この筑紫哲也氏が、大麻について語っていたのを知っているだろうか。筑紫氏が朝日新聞ワシントン支局の特派員だった頃、政府機関の大麻に関する資料を読んだ上で、大麻について肯定的な発言をしたという逸話がある。
 1977年、井上陽水が大麻所持で逮捕された時、同年11月6日放送放送の『さて今夜は』という黒柳徹子の番組で、「自分もアメリカでマリファナを吸ったことがあるが、タバコよりは害が少ないことは医学的に明らかであるし、これを日本で使用すると違法ではあるが、そのことと絡めて井上陽水の歌まで否定する一部の意見は間違っている」という旨の発言をしたらしい。「医学的に明らか」と言い切る根拠には、ワシントン特派員としてマリファナに関する大統領諮問委員会の報告書を読み、その内容を記事にしたことからであると言う。おそらくその報告書とは、筑紫氏がワシントンにいた頃(1970年初頭)から考えると、1972年のシェーファー委員会『マリファナ - 誤解のシグナル』であったのではないかと考えられる。
 この報告では、「個人で使用するための少量の大麻を個人的に所持している場合には最大1オンス(28g)まで、100ドルの罰金を科すべき」という勧告がされている。これはカンナビストが主張する、「非犯罪化」と同じことを指している。当時のニクソン大統領は、その勧告を拒んだ。そして筑紫氏は、大麻には有害性が少ないことを知っており、それを伝えたジャーナリストであったということになる。

 そんな筑紫哲也氏が亡くなった。そのニュースは多くのメディアで取り上げられ、リベラリストとしての彼の功績や人となりが語られていた。折しも、毎日のように大麻事件が報道されている時期でもある。テレビのワイドショーでは、「大麻は有害、より強力な薬物に進む」とか「乱用すれば凶暴になる」などという不正確な放送がされ、大手新聞社の社説などには、「深刻な身体的、精神的影響が出る」とか「覚せい剤、コカインなどへ薬物依存が進む」とか「大麻は吸引すると幻覚などをもたらす」などというような、筑紫氏が読んだシェーファー委員会の報告書とは逆の、根拠の無い既に否定されていることを、事実確認されること無く報じていた。
 実は筑紫氏は、30年ほど前は確かに大麻の事実を伝えたジャーナリストであったが、ここ数年はそのことに触れることは無かった。半ば同情的に考えれば、それだけ今は言論封殺がジャーナリストを襲っていると考えていいかもしれない。筑紫氏はそれを言葉にしなかったが、決して否定的なことは言わなかった。それを良しとはしないが、氏が病症で癌と闘っていなかったら、事実確認することなく大麻を悪役にして、それを平然と電波や紙面に載せることに躍起になっている一部マスコミを見て、どういう思いをもったことだろうか。

 筑紫哲也氏は、「違う意見を持つ者が議論する事がなにより大切である」「少数派の声・弱者の目線」を訴えてきた。
 「大麻はアルコールや煙草よりも有害性は低い」という我々の言葉は、「大麻は有害である」という意見と違う意見ではないか。大麻の事実を訴える少数派の声であり、理不尽に自由を奪われる弱者の境遇を現しているではないか。その意見は黙殺され、その声は聞こうとされず、その境遇には目を向けられないで、多くの若者たちが不必要に逮捕され、社会的制裁を受け人生を閉ざされていく。そして、ただただ事実確認されることのない、偏ったネガティブ報道だけが巷に広がる。それが今の有り様である。

 筑紫哲也氏の死を悼む人がいるのなら、私は氏の訴えを受け継いでもらいたい思いでいっぱいである。筑紫氏が亡くなった今。この連日のように大麻報道が報じられている今。筑紫氏が訴えながらも、踏み込みこむことが出来なかった大麻に関する「多事争論」に、僅かながらも触れようとするジャーナリストたちの声を私は聞きたい。身勝手ながら、そんなジャーナリスト魂を見せてほしい。筑紫氏が死しても、ジャーナリストは生きていることを見せてほしい。それは筑紫哲也への、鎮魂にはならないだろうか。


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11月7日(金)、定例会(東京)の報告
2008年11月17日(事務局A・記)

 11月7日(金)、下北沢の「ぐ」で東京定例会がありました。

 前週の土曜日、日曜日とお台場で「カンナビス・トークフェスタ」があったばかりで、2週連続での活動になり、ボランティアの仲間もちょっと疲れ気味でした。とはいえ、トークフェスタの会場で魔法使いのコスチュームを披露して注目を集めた仲間(お疲れさまでした!)、今回、はじめて定例会に来たという仲間、それに江戸時代の「和漢三才図絵」の大麻の項や、週刊朝日の大麻の記事などを自分でコピーしてきた仲間(どうも、ありがとう!)など、いろんな面々が集まっています。
 主な顔ぶれが揃う頃には、自然にあちこちのテーブルで議論、というと硬いので、まあ、大麻問題をテーマにした雑談のような話しがはじまっています。

 今月のテーマは、この間、法政大学、慶応大学、同志社大学の学生が大麻で逮捕されたというニュースに関して、マスメディアの報道を検証することでした。一番はじめにとりあげあっれたのは、日本テレビの報道番組で一連の大麻事件の特集があったのですが、その中で、「ダメ・ゼッタイ」(麻薬・覚せい剤乱用防止センター)の広報用ビデオが流された件についてでした。このネズミの動物実験のビデオでしたが、これは実験の手法について、疑義のあるもので、その他、大麻の有害性として上げられている内容は、どれも根拠のないものです。このような内容の放送を見過ごしてはいけないと、内容の問題点をひとつひとつ指摘した抗議文を作成しようということになりました。

 参加者の一人からmixiで「ダメ・ゼッタイ」はおかしいと自分の意見を書いても、それはそう思っているという一意見で終わってしまうというのでは悔しい。何か、客観的な資料として「ダメ・ゼッタイ」の誤りを証明するものはないのだろうか? といった質問がでました。
 それについては、有力な資料があります。情報開示請求で厚生労働省から得た返答で、大麻による健康障害などは起きていないことを示す公文書があること。また大麻事件の裁判(大阪高裁)で、検察側が「ダメ・ゼッタイ」に書かれている内容の出典を求めたところ出せないという答えだったと法廷で述べています。こういった事実をもっと積極的に広めようということになりました。この情報については、カンナビストが分かりやすく整理して、質問した方にデータを送ることになりました。

 その他、連日、メディアで大麻報道があり、読売、朝日、毎日新聞とも社説でとりあげられています。新聞の社説は、いわばその新聞としての公式見解であり、社説でとりあげるぐらいに社会的に大きな問題であると位置づけているということになります。当然ながら、上記の三大紙に対しても、それぞれカンナビストとしての見解を送付することになりました。

 定例会の報告とは言いながら、どんどん長文になってしまい、ここらで話題を変えて、こんな提案がりました。
 マリファナ・マーチをはじめ、今後、街で広報活動をするときに、一緒に街の環境美化のために、ゴミ拾いの活動もしたらどうかというアイデアです。提案してくれたのは、はじめて定例会に来たという若者でした。普通の世間の人たちに向けたこの活動のイメージアップ作戦といったもので、街をきれいにしようと活動している人間が、大麻の取締りはおかしいと訴えるということをしてみたいという趣旨でした。
 それを聞いて、揃いのシャツはどうか、いやなんだかどこかの宗教団体と間違えられるんじゃないか、色を揃えたシャツならどうかとか、活発な意見がでました。どの意見も、やってみようということでは一致していました。
 そんな話しをしているうちに午後10時になりました。冒頭にも書きましたが、今秋はトークフェスタもあって、ちょっと疲れ気味でしたがどんどん新しい力が加わってきて、ムーブメントは勢いが増しています。


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4月4日(金)、定例会(東京)の報告
2008年4月10日(事務局A・記)

 東京ではその前の週末に桜が満開になりました。とはいえ、この週末も花見の話題で賑やか、そんな金曜日でした。最初に3月にメキシコの南部から中部を旅してきたAさんの体験談を聞きました。
 Aさんは中学生の頃、パレンケの遺跡のことを月刊誌で知って、いつか行ってみたいという思いがあって、今回、3週間ほど旅してきました。昔からのマヤ遺跡への関心と、それにプラスして先住民の人々、特にシャーマンがキノコやサボテンといったサイコアクティブな植物を用いている実情、さらにメキシコ南部の先住民の自立的な社会運動、と3つの方面に関心があったということで盛りだくさんの貴重な話しをうかがいました。

 その後、この日、はじめて参加した女性から発言がありました。知り合いのアーティストが最近、大麻取締法で逮捕されてしまい裁判を受けることになったが、法廷に嘆願書を出すことになり、その署名をお願いしますということでした。
 その場ではじめて耳にしたことですが、一同、嘆願書への協力には特に異議はなく、好意的に署名用紙をまわしました。それほど頻繁にではありませんが、以前にも定例会の場で、同じようなケースがありました。そのときにもやはり署名に協力しています。

 それからマリファナ・マーチ(東京)の準備会の各担当者からの報告がありました。詳しくは、マーチ関係のコーナーでふれることになると思います。

 ■特に、課題として上がっているのは、マーチの機材運搬などのために必要となる車両のうち、いまトラック(2トン)1台、軽トラック1台の計2台の目安がたっていません。もし、ご覧になっている方の中で、どちらか1台でも当日(前日の可能性もありますが、詳しくは連絡いたします)貸していただければと要望いたします。

 それからマリファナ・マーチのフライヤー(2008年版第1号)がこの日、できあがり参加した人たちは、何十、何百の単位で持ち帰りました。地元の雑貨屋さん、飲食店、音楽関係のお店などに置いてもらうようにお願いしています。パーティなどで配布するのも有効だと思います。

 ■マーチのフライヤー配布に協力してみようという方がいらっしゃれば、カンナビスト事務局までメール、電話、ファックスなどでご連絡ください。希望枚数と、送り先を忘れずに。事務局から郵送(無料)でお送りします。

 というようなことで、この日の定例会もあっという間に時間になってしまいました。5月11日(日)はいよいよ東京マーチです。例年と同じように、5月の定例会はお休みになります。次回は6月6日(金)が定例会です。


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マーチのチラシ撒きの報告(4/5,4/6)
2008年4月9日(事務局B・記)
 4/5と4/6に吉祥寺と高円寺を回り、マーチのチラシ撒きの活動を行いました。両日ともに暖かい日に恵まれ、用意したチラシもほぼ撒ききることができました。

 4月5日(土)は3名が参加し、13:30〜15:30くらいまで、吉祥寺の公園口(南口)から井の頭公園の間にある雑貨屋や飲食店、アーケード商店街(サンロード、チェリーナード)、新しくできたヨドバシカメラの近辺を回り、約1500枚のチラシを置いてもらいました。以前にも吉祥寺でチラシ配りをしたことがありましたが、今回はこれまでと比べ、置いてくれる店が減ったように感じました。雑貨屋さんなどは置くスペースがないからと断られることが多く、最初は少し不安でしたが、エスニック系のレストラン・カフェなどが意外に置いてくれて助かりました。CD/レコード店、ライブハウスなどもだいたい置いてくれました。

 4月6日(日)は5名で17:00頃までかけて、南口〜北口の商店街を回り、約2500枚のチラシを置いてもらいました。こちらは雑貨屋・古着屋など、ほとんどの店がチラシを置いてくれました。チラシを置くスペースがないところでも、レジの机の片隅に置いてくれたり、ポスターを貼らせてくれるところも何軒かありました。チラシを置いてくれた店と置いてくれなかった店の比率は7:3くらいで、吉祥寺と比べるとちょうど逆という感じでした。置いてくれる店が多かったので、一軒一軒に配るチラシは少なめにしましたが、それでも手持ちのチラシがほとんどなくなりました。

 毎年、マーチの直前になると、こうして繁華街を回り、チラシを置いてもらう活動をしていますが、ここ数年は毎回、参加するメンバーが同じ顔ぶれになってきており、新しく参加してくれる人がいないのが残念です。皆で散歩しながらワイワイとチラシ配りをすること自体楽しいですし、知らなかったお店を発見したり、お店の人と話をしたり反応を見るのもいろいろと勉強になります。そしてなにより、置いてもらったチラシを見た人がマーチに来てくれて、参加者が増えれば、わたしたちの活動の影響力も大きくなります。

 今後のチラシ撒きのスケジュールは以下となっています。
・4月12日(土):渋谷/原宿/代官山 13:00に渋谷駅南口「モヤイ像」前に集合
・4月19日(土):下北沢 13:00に北口を出たところに集合
・4月19日(土):アースディ 13:00に代々木公園・中央広場噴水前に集合
・4月20日(日):アースディ 13:00に代々木公園・中央広場噴水前に集合
お時間のある方は、ぜひ、協力してください。なお、行き違い等がないように、参加できる方は、できるだけ事前にご連絡ください。連絡先:090-6049-0518

 また、スケジュール等の都合で、チラシ撒きの活動に一緒に参加できない人でも、個人で地元のお店を回ってチラシを置いてもらえるととても助かります。事務局まで連絡いただければ、マーチのチラシを無料でお送りしますので、ぜひ、協力してください。


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3月7日(金)、定例会レポート
2008年3月12日(事務局A・記)

 寒かった今年の冬も3月に入り、やっと春の気配が感じられるようになってきました。この日の定例会は、南インドの村で毎年、開催されている大麻の聖者のお祭りに参加してきたAさんの話しを聞きました。

 祭りは満月の日を含め4日間、昼夜を通して行われます。その写真を壁に映しながら見聞きした体験を話してもらいました。祭りの会場は、地図に載ってないような小さな村ですが、5〜10万人もの人々が集まりました。みんな家族でやってきて、会場の周りにテントを建てたり野宿していたそうです。
 オールナイトで行われる祭りは、バジャン(インドの宗教音楽)が響き、地面を転がる宗教的な行がおこなわれたりと、騒然とした雰囲気でした。幼子や子供たちを祝福する聖職者が、大麻のチロム(喫煙具)を使う姿もありました。
 バジャンの歌詞は、13〜14世紀に実在した聖者の物語です。南インドではその時代、戦争が絶えなかったのですが、今でいうと軍需産業にあたる武器製造に鍛冶屋の職業の人々が従事していました。その聖者は、武器を作るのを止め農機具を作るように、大麻を吸いなさいと訴えたそうです。
 お祭りに参加しているのは近郊の農村の人々でした。インドの大麻人口は1億人を超えていると見積もられています。膨大な数字ですが、10億人の人口の7割が農民の社会で、成人男子の約3人にひとりが大麻を好んでいるといった姿をかいま見ることができました。
 写真の説明後、質疑応答がありましたが、時間があっという間に過ぎてしまい、マーチの話し移っていました。

 マリファナ・マーチ関連では、マーチの準備をしている担当者から、特に今こんなスタッフが必要とされているという要請がありました。

  • 会場のデコレーション、看板制作、パレードのとき人目を引くような横断幕、旗、幟(のぼり)のアイデアやデザイン、サウンドカーのデコレーションなど、アートやデザインに関心がある人、得意な人の応援を求めています。
  • 2007年マーチは予想を超える規模になりましたが、当日スタッフが不足していました。今年のマーチはさらに規模が大きくなるかもしれず、会場やパレードの整理、連絡、カンナビストのブース担当、セキュリティ、司会進行、環境(清掃)など当日スタッフを昨年の倍に増やせないかボランティアを求めています。

仮に準備会(次回は3月16日、詳細はトップページ「活動予定」を参照)などには参加できなくても、当日1日だけのスタッフとして一緒に参加してもらえれば、それは大きな力になります。マーチ(東京)は5月11日(日)です。
 もし上記のどちらか手をかしてもらえる人がいるならば、カンナビストまでメール、電話など、ご連絡ください。

 この日、いつもの常連の人たち以外、久しぶりに顔をあわせた人たちもいました。魔法使いのコスチュームを着てマーチ会場に現れ人気を集めてきたBさんは、難病やトラブルをかかえながらも、遠くから来てくれました。また、友人に誘われて来たというパーティ好きのCさん(初参加)。ベリーダンスでマーチに出演予定のFさん。最近、ヨットで外洋航海してきたDさん。北関東から車でかけつけてきたEさんは、東京の夜は暖かいですねと一言いっていました。といった感じで、ムーブメントを軸にして人の輪が広がっています。

 次回の定例会(東京)は、4月4日(金)、夜7時から今回と同じ下北沢の自然食レストラン&カフェバー「」であります。


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2月1日(金)、東京定例会の報告
2008年2月14日(事務局A・記)

 大寒の寒い日でしたが、今年、初の定例会で大勢の参加者がありました。

 8時すぎからこの日の講師のAさんの話がはじまりました。Aさんは国際協力のNGOに10年あまり関わってきた方で、分野は違いますが国に大麻の規制を見直すよう求めて活動しているカンナビストにとっても参考になる問題提起がたくさんありました。
 NGOとは、一言でいうと非政府機関と呼ばれています。政府とは別に公共の問題について一般市民の目線から活動を行っています。いま日本には、主に国際協力(開発途上国の人々への支援)、環境問題、平和・人権問題などをテーマにしたNGOがあります。政府に対し政策提言を行っているNGOもあります。

 Aさんの関わっているNGOはアジア・アフリカの人々の支援活動の一環として財務省(当時は大蔵省)に対し政策提言を行い、国会議員を集めた勉強会なども開いてきたということでした。そういった活動を通じて、開発途上国の債務取り消しを実現させたり、アフリカのエイズ患者さんたちが治療薬を手に入りやすくなるように世界の貿易のルールを一部変えることを実現させたりと、具体的な成果があったことを聞きました。
 カンナビストは政府(厚生労働省)に対し大麻問題に関する政策提言をしていく準備をしていますが、参考になる意見を聞くことができました。

 報告の後、質疑応答になりましたが、会場からは活発な発言がありました。
 質問の中には、今の世の中では、国際協力のようなテーマならば誰もがもっともだと思っており、いわばお墨付きがあるが、大麻問題に関して、規制に異議を唱えても受けいられないのではないか? といった率直な質問もありました。
 これについては、カンナビストの古参メンバーから役所に手続きを踏んで陳情や交渉を行っていく段取りをつけていくこと、さらにそういった交渉力の背景に社会的に存在感があることが重要だという説明がありました。毎年開催しているマリファナ・マーチが社会的に注目を集めはじめていることはプラスに作用しています。
 特に、今年は7月に洞爺湖でG8のサミットがありますが、そこで世界に日本の大麻問題の現状を訴えていくことを課題にしていくこと、年内中をめどに厚生労働省に足を運び、直接、申し入れ(陳情)をしていく予定であるといった方針の説明がありました。

 質疑応答などが活発であったこともあり、2008年マーチの話しには時間がそれほどとれませんでしたが、基本的な方向性について参加者一同、昨年のマーチをさらに拡大したものにしていきたいという意見でまとまりました。
 今年もボランティア・スタッフとして積極的に関わっていきたいという人たちは、マーチ準備のための連絡網を作っていくことになりました。2月下旬から東京マーチの準備会が動きはじめる予定です。