カンナビス・ニュース バックナンバー
1999.04〜1999.12

ヘッドライン目次
第二次世界大戦以降初めての産業大麻がハワイで植えられた
次期大統領候補たちが医療マリファナについて語り始める
患者による連邦集団訴訟が却下される
イギリスの警察官がマリファナに対して寛大な姿勢を示す
麻薬取締局が大麻種子の入港禁止を解除
メイン州の有権者が医療マリファナに賛成
オーストラリアでマリファナの非犯罪化が進む
医療マリファナを認めた州でマリファナの使用の増加がないことが調査により確認された
アリゾナ州で非犯罪化の動きが活発化
カナダ政府が新たに14人の患者に医療目的でのマリファナの栽培と使用を認める
麻薬取締局が大麻種子製品を押収、大麻産業をおびやかす
クリントン大統領が医療マリファナの禁止を含むワシントンDCの歳出予算案を拒否
連邦裁判所がワシントンDC政府に対して昨年11月の医療マリファナ投票の集計、公開、認定を命じる
コロラド住民は再度、医療マリファナに投票する
スイス政府がマリファナの非犯罪化を確約
北米太平洋岸北西地区でマリファナ合法化運動が活発化
セーガン氏大麻愛用 著書に仮名で体験記
マリファナ販売解禁へ 米国 研究用のみ、12月にも
ノース・ダコタ州が全米で初めて大麻栽培を合法化

↑TOP HEADLINE BTM↓
第二次世界大戦以降初めての産業大麻がハワイで植えられた
1999年12月16日(ホイットモアビレッジ、ハワイ州)
 この火曜日に産業大麻が第二次世界大戦後に禁止されて以来、初めて米国の地に作付けされた。州知事ベンジャミン・カイエタノ(民主党)は、この日を「ハワイにおける産業大麻の日」と宣言した。
 ハワイ州における産業大麻を合法化する法律の後援者である下院議員シンシア・セーレン(共和党、カイルア市)は、「この歴史的なできごとは連邦政府の政策に変化の兆しが起きていることを示しており、来年には麻薬取締局も“農家に優しい取り締まり”を施行するようになると信じている」と語っている。
 試験的なプロジェクトを認める法律は7月にカイエタノ知事によって署名された。ハワイは今年産業大麻を合法化した州では3番目だが、麻薬取締局から大麻の栽培を認められた初めての州となった。プロジェクトは研究資金として、大麻シャンプー製造会社Alternaから200,000ドル〔約2千万円〕の寄付金を得ている。Alterna社からの寄付金は、柵を張り巡らし赤外線を使った24時間保安システムで守られた研究施設の建設に充てられた。
 「これはハワイ州そして米国にとって非常に大きなステップである」と研究を指揮する植物遺伝学者デイヴィド・ウェスト博士は述べている。「麻薬取締局が産業大麻の栽培に対する規制を取り除き、試験区域外でも自由に栽培できるようになれば、この植物の持つ多大な経済的そして生態学的な有益性にアメリカ中の農家が気づくことになるだろう」。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
次期大統領候補たちが医療マリファナについて語り始める
1999年12月16日(デリー、ニューハンプシャー州)
 火曜日にニューハンプシャー州で行われたテレビの討論番組で、副大統領アル・ゴアは有権者からの質問に対する回答として、医師が重病患者にマリファナを処方する選択肢を与えられるべきと語り、クリントン政権からは距離をおいた意見を述べている。
 彼の亡くなった姉妹は1984年にがんの化学療法に対してマリファナを処方されたが、彼女には効果がなかったとゴアは語っている。「もし、効果があったならば、それによって苦痛を軽減する道が与えられるべきだと思う」とも述べている。
 もう一人の民主党の大統領候補ビル・ブラッドリーは2週間前に医療マリファナを支持しないと述べているが、「これは、実際にどうするかを決める前に、もっとよく検討しなければならない類いの問題だ」とも言い添えている。
 共和党の指名を目指しているジョージ・W・ブッシュ知事(共和党、テキサス州)は、10月にこの問題について最初に語った候補者であり、個人的にはマリファナの医療使用を支持していないが、医療マリファナを合法化するか否かは各州の判断に任せるべきだと述べている。
 「自分にとって重要な問題を提起する機会が一般市民に与えられるのは、大衆の民主主義の有効性を示す最たる例だ」とNORML代表(エグゼクティブ・ディレクター)キース・ストロープは語っている。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
患者による連邦集団訴訟が却下される
1999年12月9日(フィラデルフィア、ペンシルベニア州)
 12月1日、提起が連邦政府のマリファナの医療使用の禁止に対して異議を申し立てた160人以上の患者による連邦集団訴訟が、連邦地方裁判所の裁判官マービン・カッツによって却下された。カッツ裁判官は政府の提議による略式裁判を認めるとともに、政府が8人の患者にマリファナの供給を続ける一方で原告への提供を拒否していることに対して、こうした拒絶は合衆国憲法で保証されている法の平等な保護に違反しないという判決を下した。
 この申し立ては1998年7月3日に提起され、原告はマリファナに対する規制薬物法の適用は憲法違反であると主張し、医薬品マリノール〔マリファナの有効成分であるTHCを合成したものを含む医薬品、マリファナそのものが最も規制の厳しいスケジュール・に分類されているのに対して、マリノールはそれよりも緩いスケジュール・に分類されている〕の分類と政府が「治験新薬個別療法」プログラムを通じて原告にマリファナを提供することを拒否しているという事実のいずれもが法の平等な保護に違反していると訴えた。裁判所は1999年3月10日に「治験新薬個別療法」プログラムに関する主張を除き、原告の主張を全て退けている。
 12月1日の判決では、まず始めに前回の判決を繰り返している。「被告には基本的人権の侵害や原告を標的とするような行為はみられない。……治療の不均衡と政府の正当な目的の間に合理的な関係がある限り、基本的人権や原告に悪影響を与えていない被告を法の平等な保護に抵触しているとは到底いえない」。
 「原告は……論理的な根拠を見直すという意味で、政府の決定事項に対して非常に重い責務を科している」とカッツ裁判官は記述している。「今回、政府は決定の基準について説明する資料を提出しているが、政府には問題とされている行動の客観的な合理性を示すための証拠を提供する義務はない。証明されていない論理的な推測や経験的なデータだけでも十分に係争点の弁護に足りる。……訴訟関係者が被告に対して異議を申し立てていることから、証明の義務は原告側にあり、記録の有無に関わらず、被告が主張している理由に対して考え得る全ての点について否定する必要がある。……原告はこうした義務を果たしておらず、被告側は合理性に基づく根拠の確認という点においては一定の条件を満たしている」。
 「論点は政府の見解が正しいかどうかではなく、合理的なものかどうかである」とカッツ裁判官は締めくくっている。「裁判所が法律に対して独自の判断を下すことは大きな危険を伴うことを我々は過去の歴史から学んでおり、今回の訴訟みおいては政府が不合理な行動を取ったとはいえない」。
 カッツ裁判官によれば、「政府から提出された資料は治験新薬個別療法プログラムの停止に関して少なくとも4つの根拠を示している:公の秩序に対する悪影響、医療的根拠の欠如、提供可能なマリファナの不足、そして代替となり得る治療法の存在である。多数の患者へのマリファナを配給を避けたいという政府の意向と既にこのドラッグにより救済を受けている人々の利権との兼ね合いから、プログラムで認められた少数の個人に対してのみマリファナの提供を続ける決定を下したと政府は説明している」。
 「本件に関しては治療面での不均衡の存在を否定できないが、こうした不均衡が差別的あるいは不合理なものではない」とカッツ裁判官は記述している。
 原告の代理人、フィラデルフィアのローレンス・ハーシュは「政府が8人の患者にマリファナの供給を許しているのであれば、それを必要とする全ての人々にも供給が認められるべきだ」と反論している。
 連邦政府による治験新薬個別療法プログラムは1978年から、選ばれた患者にマリファナ・タバコの配給を始めた。本プログラムは1992年に新たな申請者の受け付けを停止したが、緑内障や癲癇などの患者8人に対して毎月300本のマリファナ・タバコの供給を続けている。
 カッツ裁判官は「法的な処置もなしに8人の患者にマリファナを提供しているのは確かに奇妙である」と認めている。「さらに不可解なのは、政府が治験新薬個別療法プログラムを通じて、病状を軽減する治療薬としてのマリファナの安全性に関して有用な臨床結果を得ることもなく、数年間にわたって少数の人々にマリファナを提供し続けているという事実である。……政府はようやく、ありきたりの考えに捕われず、科学的経験に基づく治療薬としてのマリファナの有効性の確認を目指す真剣な研究者に対して、マリファナの入手を可能とするプログラムを開始した。今後、知識が無知に打ち勝つケースも出てくるだろう」。
 カッツ裁判官は、さらに、次のように続けている。「最近の政策の変更と治験新薬個別療法プログラムの欠陥を考慮すれば、マリファナの供給を制限するという政府の政策も合理的な政策の域を越えているとはいえない。医療マリファナの支持者と反対者が、ともにスローガンよりも科学を重視するようになることを望みたい」。
 「この判決には失望したが、既に確立されている法の平等な保護に関しては論争の余地はほとんど残されていない」と訴訟を指揮するNORML財団のトム・ディーンは語っている。「今回の結果もある程度は予測できるものだった」。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
イギリスの警察官がマリファナに対して寛大な姿勢を示す
1999年11月30日(ロンドン、イギリス)
 最近行われたブリストル大学の調査で、イギリスの警察官がマリファナを無害とみなしていることがわかった。
 11種類の薬物を常用性の高い順に並べるように依頼された95人の警察官は、コーヒーに次いでマリファナを最も常用性が低いとみなした。クラック、ヘロイン、コカイン、タバコ、アルコールの5つが常用性の高い物質として上位を占めた。
 有害性については、マリファナは10番目(11種のうち)にランクされ、コーヒーより有害だがアルコールよりは無害という評価を得た。クラック、ヘロイン、コカインの3種類が最も有害な物質と考えられている。
 次に、警察官は、家を訪問した際に家主が4本の大麻草を栽培しており、目の前に収穫されたマリファナがあった場合の対処方針について問われた。警察官の3分の2は、これをありふれたケースとみなし、家主を逮捕しないと述べた。間違いなく起訴すると答えたのは僅か11%だった。10人中9人は、これをドラッグ事件として重要な問題ではないと考えている。
 「マリファナはハード・ドラッグとひとまとめに同じカテゴリーに分類されてしまうことが多々ある」とNORML出版ディレクター、スコット・コルビンは語っている。「イギリスの警察官がマリファナの犯罪訴追手続きに対して理性あるアプローチを取っていることを知り、爽快な気分だ」。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
麻薬取締局が大麻種子の入港禁止を解除
1999年11月18日(ペインコート、オンタリオ州)
 麻薬取締局(DEA)は大麻種子の入港禁止を解き、カナダからの滅菌処理済みの大麻種子の米国への入港を認めた。これは大麻産業にとっての大きな勝利である。
 麻薬取締局は8月に全ての大麻種子製品の輸入を差し止めるよう米国税関に指示した。最初に押収の対象となったのは、Kenex社が輸入した飼鳥用粒餌の53,000ポンド〔約24トン〕の滅菌処理済みの種子だった。Kenex社と麻薬取締局の間での合意が得られておらず、この積荷は税関の倉庫に保管されたままになっている。
 米国の連邦法ではTHCは規制薬物とみなされていることから、当初、麻薬取締局は僅か0.0014%のTHCを含む種子に対して強硬策を取った。現在、米国税関は微量であればTHCを含む大麻種子製品の入港を認めるよう指示されている。
 「麻薬取締局は規制薬物法をゆがめて解釈することによって権限の拡大を図ろうと試みたが、この注目すべき作物に投資したカナダの農家や産業を脅かす規則の変更は北米自由貿易協定(NAFTA)に完全に違反している」とOhio Hempery社のドン・ワートシャフターは語っている。「結局、麻薬取締局は産業界からの圧力とワシントンのカナダ大使館からの強い申し立てにより、撤回しなければならなくなった。現在は大麻産業が事態を収拾し、このようなローブロー〔ベルトより下を打つ反則、きたないやり方の例え〕からの回復が期待されている」。
 「我々は容赦無用の政策を覆し、米国の法律に麻薬取締局を従わせることができた」とKenex社のジーン・ラプライス社長は述べている。「当面の目的を達成し、将来的にもビジネスの拡大が期待できる」。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
メイン州の有権者が医療マリファナに賛成
1999年11月4日(オーガスタ、メイン州)
 11月2日(火)の選挙で、メイン州の有権者は大差でマリファナの医療使用に賛成した。
 「医師が認めた場合に限り、特定の疾患に苦しむ患者が治療目的で少量のマリファナを栽培または所持することを認めるか?」という住民発案による「質問2」に対して、メイン州の有権者の61%が賛成票を投じた。持続性の吐き気、嘔吐、エイズやがんの化学療法による消耗性疾患または食欲の減退、緑内障、多発性硬化症などの慢性的な衰弱性の病気を患っていると医師から診断を受けた場合、患者は州法によって起訴を免れるようになる。
 「メイン州の住民が思いやりのあるドラッグ政策に対して連邦政府よりも強い姿勢を見せたことは明らかである」と「質問2」のキャンペーンを指揮したMainers for Medical Rights(医療の権利を求めるメイン住民)のコーディネータ、クレイグ・ブラウンは語っている。
 患者は医療用のマリファナを自ら栽培するかブラック・マーケットで購入しなければならない。
 2000年1月に施行される新しい法律では、患者が所持できるマリファナの量を乾燥1.25オンス〔約35g〕またはプラント6本(うち成熟したプラントは3本)以内に制限している。
 メインは住民発案によってマリファナの医療使用を合法化した6番目の州であり、ミシシッピー川の東側では初めての州となる。そのほかの州はカリフォルニア、アリゾナ、ワシントン、オレゴン、アラスカである。
 ネバダ州は1998年に医療使用を認めているが、州憲法に対する修正案として2000年に再度投票する。コロラド州でも2000年11月の選挙で投票に載ることが確定している。
 ワシントンDCの有権者は1998年に医療マリファナを認めているが、議会がこの結果を拒絶する法案を検討している。
 「メイン州における圧倒的勝利は、西海岸のみならず、国内のあらゆる地域で医療マリファナが強く支持されていることを示している」とNORML代表(エグゼクティブ・ディレクター)キース・ストロープは語っている。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
オーストラリアでマリファナの非犯罪化が進む
1999年11月4日(キャンベラ、オーストラリア)
 オーストラリアではマリファナの法改正が強く支持されており、マリファナの個人使用の非犯罪化に向けて着実に前進している。
 オーストラリアにおける最近の調査では、国民の約75%がマリファナの個人使用の非犯罪化を支持している。また、70%は禁固刑よりも治療を望んでいる。
 各州の指導者たちもこれに応えている。クイーンズランド州では州政府首相ピーター・ビーティーが、刑事訴追を回避できるようにマリファナの個人使用(500グラム以内)を認めるよう提案している。500グラム以下の所持が発覚した場合、使用者は更生指導の対象となる。
 そのほかの州や準州でも同様の案が既に認められている。現在のところ、サウスオーストラリア州がマリファナのプラント3本以内を認めており、ノーザンテリトリーはプラント2本または50グラム、オーストラリアキャピタルテリトリーは25グラム、ヴィクトリア州とタスマニア州は50グラム、ニューサウスウェールズ州では15グラム以内の制限がある。
 ヴィクトリア州では保健大臣ジョン・スウェイツが、政府はマリファナの個人使用の非犯罪化をさらに推し進める意向があると述べている。スウェイツの案では、公共の場でのマリファナ喫煙は100ドルの罰金の対象となる。
 「政府機関によるさまざまな調査、報告書、委員会がマリファナの法改正を支持してきたにもかかわらず、米国政府からの強い圧力によってオーストラリアは約30年間にわたりマリファナの法的地位を変えることに抵抗してきた」とNORML財団代表(エグゼクティブ・ディレクター)アレン・サン・ピエールは語っている。「しかし、こうした抵抗も遂に砕け散ろうとしている」
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
医療マリファナを認めた州でマリファナの使用の増加がないことが調査により確認された
1999年10月14日(ワシントンDC)
 1996年にカリフォルニア州とアリゾナ州で住民発案による投票で医療マリファナ提案が可決された。禁止主義者たちはすぐに、医療目的でマリファナの使用を認めることにより、特に青少年の間でのレクリエーション目的の使用が増加すると主張してきた。
 「十代の子供たちはドラッグの危険性に気づけば使用を止める。マリファナが薬であるという誤ったメッセージを送ることでドラッグの使用は急上昇すだろう」と1996年のカリフォルニア州とアリゾナ州の選挙の前に麻薬取締政策局長バリー・マッカフリーは述べている。
 メリーランド大学とメリーランド州知事犯罪管理予防局からの補助金を受けた薬物濫用研究センター(CESAR)は先週、「過去一ヵ月にマリファナを使用したと答えたカリフォルニア住人の割合は約6パーセントのまま変わっていない」と発表した。
 薬物濫用研究センターは、保健社会福祉省の薬物濫用精神衛生サービス局(SAMSHA)による1998年の全米薬物濫用世帯調査のデータを分析した。
 調査結果によると、1995年の時点ではカリフォルニア住民の5.2パーセントが現行のマリファナ使用者(過去一ヵ月間に吸ったことがある者として定義)と見積もられている。1998年では現行のマリファナ使用者の割合は5.5パーセントであり、全国での割合5パーセントとほぼ一致した値となっている。麻薬取締政策局長の主張は再び政府の研究により否定された。1995年では、カリフォルニア州の12から17歳の青少年のうち現行のマリファナ喫煙者の割合は全国の平均8.2パーセントよりも低い6.5パーセントだった。1998年には、カリフォルニア州の12から17歳の青少年の7.2パーセントが現行のマリファナ喫煙者であり、やはり全国の平均8.3パーセントよりも低い値を保っている。
 「またしてもマッカフリーのような禁止主義者たちの現実離れしたレトリックは、こうしたデータによっていとも簡単に否定された」とNORML財団代表(エグゼクティブ・ディレクター)アレン・サン・ピエールは述べている。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
アリゾナ州で非犯罪化の動きが活発化
1999年10月14日(フィーニックス、アリゾナ州)
 アリゾナ州のマリファナ非犯罪化運動は、2000年の選挙の提案を州検事総長に提出したことにより、一歩階段を上った。
 本提案は、成功した1996年のアリゾナ州の医療マリファナ提案の支持団体からの資金を得ており、2オンス〔56.7グラム〕までのマリファナの所持に対して、投獄する代わりに最高で500ドル〔約5万円〕の罰金を科するように制定している。罰金は逮捕ではなく召喚による施行となる
 提案には、州の医療マリファナ法を強化するための州経営によるマリファナ配給ネットワークの設立も含まれている。医療マリファナの配給は州検事総長の監督下に置かれることになる。
 また、提案では、現行法の下で保証されている権利との矛盾をなくすために、民間の財産没収による収益を警察署が直接得ることを禁じている。財産没収による収益はドラッグの教育と治療に使われる。
 「住民の多くはドラッグ戦争にうんざりしているが、完全な合法化までは望んでいない」と、1996年と1998年のアリゾナ州の医療マリファナ提案の支持団体であるThe People Have Spoken〔住民の声〕代表サム・ベジナスは語っている。「彼らは合法化と現状のちょうど中間を望んでいる」
 2000年11月の投票に載せるためには、提案の支持団体はこれから2000年7月6日までに101,762の署名を集めなければならない。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
カナダ政府が新たに14人の患者に医療目的でのマリファナの栽培と使用を認める
1999年10月7日(オタワ、オンタリオ州)
 厚生大臣アラン・ロックは、新たに14人のカナダ人に対して医療目的でのマリファナの栽培と喫煙を認めたと発表した。ロックは6月にも2人のエイズ患者に対して同様の免除を認めている。
 「さらに14人の患者が(薬物法の)第56項からの免除を受け、医療目的でマリファナを使用できる。なぜなら、彼らは重病患者であり、使用を認めなければ死亡してしまうからだ」とロックは述べている。「彼らは正当性を我々に認めさせることができた」
 これまで100人の患者が連邦政府に免除を申請しているが、完全に拒絶された者は一人もおらず、免除者の数はさらに増えるだろうと当局は語っている。
 カナダ政府は現在、自ら栽培を望まない患者のために、マリファナを栽培する民間企業をさがしている。
 今年8月、カナダの健康管理局ヘルス・カナダは、カナダ医学研究会議とヘルス・カナダの治療薬プログラムとの共同プロジェクトである医療マリファナ研究プロジェクトに対して、マリファナの医療使用の評価に今後5年間にわたって750万ドル〔約7億5千万円〕を提供することを申し出ている。
 「アメリカでもカナダ政府と同様の特別配慮実用主義的研究方法に適応するよう訴えていくべきだ」とNORML財団代表(エグゼクティブ・ディレクター)アレン・サン・ピエールは語っている。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
麻薬取締局が大麻種子製品を押収、大麻産業をおびやかす
1999年9月30日(デトロイト、ミシガン州)
 麻薬取締局(DEA)は規制薬物法の新たな解釈により、全ての大麻種子製品の輸入を差し止めるよう米国税関に指示した。最初に、飼鳥用粒餌の仲介業者に宛てられた53,000ポンド〔約24トン〕の滅菌処理済みの種子が押収された。
 荷主はカナダ最大の大麻食品と繊維製品の生産者であるオンタリオ州ペインコートのKenex社である。この押収にもとづき、米国税関は過去6ヶ月間に米国の卸売業者に輸送した14の大麻製品の積荷を回収し、卸売業者に在庫品を国境まで返却するようKenex社に命じた。十分な回収ができなかった場合、Kenex社のジーン・ラプライス社長は刑事責任を問われるとともに、50万ドル〔約5000万円〕の罰金を科せられるおそれがある。
 大麻産業の顔役たちは、先週カナダで会議を開き、新規の貨物積み込み禁止令を終わらせるための統一戦略について検討した。来週にも訴訟を起こす準備を進めている。インターネットなどを使ったキャンペーンも計画されている。会議の出席者は、貨物積み込み禁止令が新興の大麻産業にとって死活問題であるという意見で一致している。
 今回の事件は、特に10月21日から24日にメリーランド州ボルチモアで予定されている自然製品展覧会にとって厄介な問題となっている。この展覧会では、カナダおよび国内の生産業者から少なくとも200種類の新しい大麻食品がお目見えする予定だった。今回の政府の処置によって、果たしてこれらの製品が規制薬物法に触れて販売業者が刑事罰に問われるのか不明確な状況となり、興行主は頭を悩ませている。
 「今回の麻薬取締局の行動は60年以上におよぶ先例に反するものだ」とOhio Hempery社のドン・ワートシャフターは述べている。
 規制薬物法では、滅菌処理された大麻種子は明確に免除されている。また、大麻種子が法的に規制されていると麻薬取締局が主張したこともこれまで一度もない。
 「カナダから輸入されてくる種子は非常にクリーンであり、以前、中国から本国に入ってきたものと比べて100倍以上もTHCの量が少ない」とワートシャフターは述べている。「それなのに、何故今頃になって新興産業の邪魔をするのか? 政府の高官は大麻が経済的な産業にはなり得ないと主張してきたが、それが誤りであることを今まさに我々が証明しようとしているからなのか?」
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
クリントン大統領が医療マリファナの禁止を含むワシントンDCの歳出予算案を拒否
1999年9月30日(ワシントンDC)
 クリントン大統領は今週の初め、ワシントンDC住民が「地域的な問題に対して自ら決定する」権利を持つことを理由に、医療マリファナの禁止を含むワシントンDCの歳出予算案に対して拒否権を行使した。
 昨年11月、首都ワシントンDCの住民は医療マリファナを合法化する提案に圧倒的多数で賛成した。当初、連邦議会は、連邦地方裁判所裁判官が投票結果の集計、公開、認定を命じるまで、これを阻んできた。本提案にはワシントンDCの有権者の69%が賛成票を投じていた。
 ワシントンDCの特別内政自治を認める法律によって、連邦議会は30日就業日以内に住民発案による提案を撤回することができ、この期日を過ぎると法律として制定される。共和党が支配する連邦議会では即座に撤回を認めることが予想されていた。そして、撤回を求める法案が、提案の投票結果の集計を禁止した法律の発起人でもある下院議員ボブ・バー(共和党、ジョージア州)によって提出された。
 反マリファナ狂信者アーネスト・イストゥック(共和党、オクラホマ州)を議長とする下院のワシントンDC歳出予算小委員会は、9月29日に医療マリファナを合法化することによる影響に関する聴聞会を開いている。
 予想された通り、共和党は医療マリファナに反対する警察官を多数揃えてきたのに対して、民主党はたった一人の証人の招来しか許されなかった。小委員会で民主党の長老下院議員ジェームス・モーラン(民主党、ヴァージニア州)は、サンフランシスコ市および群の地方検事補キース B. ヴァインズを証人として招いた。ヴァインズはドラッグ犯罪を起訴する立場にある反面、エイズの消耗性疾患に苦しむ患者として医療目的でマリファナを使用しており、双方ともに関わりを持っている。
 ヴァインズは「全国的な選挙でも示されているように、重病患者には、政治的に支持されていないものや危険を伴うものも含め、生活の質を高めるあらゆる医薬品を受ける当然の権利があることをワシントンDCの有権者も認めてくれた」と証言した。
 「私のように、ハイになるためではなく、生き続けて健康になるためにマリファナを必要としている人々がいることを理解してほしい」とヴァインズは述べている。「私や私のような人々をドラッグ戦争の付帯的損害〔軍事行動によって民間人が受ける人的および物的被害〕にしてほしくない」
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
連邦裁判所がワシントンDC政府に対して昨年11月の医療マリファナ投票の集計、公開、認定を命じる
1999年9月23日(ワシントンDC)
 9月17日(金)に公表された判決の中で、連邦地方裁判所裁判官リチャード W.ロバーツは、連邦議会が発行したワシントンDCのマリファナの医療使用に関する住民発案による提案の投票結果の集計と公開の禁止令は無効であると評決し、ワシントンDC選挙管理委員会に対して投票結果を集計、公開、認定するように命じた。選挙管理委員会は9月20日(月)にワシントンDCの有権者がこの提案に69パーセントの賛成票を投じたと発表した。〔1998年11月、ジョージア州の共和党下院議員ボブ・バーらよってマリファナの刑罰を軽減する法案に対して特別区の予算を使ってはならないという内容の修正条項案が歳出予算委員会に提出され、投票日の直前に施行された。既に投票用紙にはマリファナの医療使用の是非を問う「法案59」が印刷されており、コンピュータによる集計も行われたが、結果の公表に必要な予算(わずか数ドル)が割り当てられていなかった〕
 連邦地方裁判所の判決では、ワシントンDCの歳出予算案の改正がこうした活動の妨害を目的としたものであった場合、政治的言論の自由を保護する憲法修正第1条に違反すると述べている。しかしながら、ワシントンDCの予算を「いかなる住民発案投票の運営」に使うことも禁止するという表現は、選挙に関わる活動のみを対象としているとの判断から、憲法上の判決は免れた。
 「今回の裁判所の判決は、ワシントンDCの自主管理にとって明確かつ決定的な勝利である」とアンソニー A. ウィリアムス市長(民主党)は語っている。「裁判所は、住民発案権を持つ他の州の住民と同じように、我々の市民もまた自分たちの法律を決定し、将来を方向付ける権利があることを認めた。長い月日を経て、この公衆衛生問題に関する有権者の声がようやく聞き入れられた」
 ワシントンDCの特別内政自治を認める法律では、連邦議会は30日就業日以内に住民発案による提案を撤回することができ、この期日を過ぎると法律として制定される。共和党が支配する連邦議会では即座に撤回を認めることが予想されている。
 「民主的な選挙の結果を無効にしたり、撤回するのはバナナ共和国〔混迷する不安定な政治の例え〕では起こり得るかも知れないが、自由世界の首都で起こるなどとはとても考えられない」とNORML代表(エグゼクティブ・ディレクター)R.キース・ストロープは語っている。「彼らが正気を取り戻し、この法律の有効性が認められることを望みたい」
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
コロラド住民は再度、医療マリファナに投票する
1999年9月23日(デンバー、コロラド州)
 コロラド住民は2000年11月の選挙でマリファナの医療使用を合法化する憲法修正案に対して再度投票を行う。昨年11月の投票との違いは、今回の投票結果は有効と認められる点である。
 修正案19は1998年11月の投票に載ったが、当時の州務長官ビッキー・バックリ?は必要な署名数54,242に2,338不足していると述べた。修正案の支持団体CMR(Coloradans for Medical Rights:医療の権利を求めるコロラド住民)は有効署名が必要数を上回っていると主張し、選挙前の緊急処置としてデンバー地方裁判所と州最高裁判所の両方に修正案の手続きを認めるように要求した。いずれの裁判所も郡書記官に対して投票結果の集計を命じることを拒否した。
 今年の夏にバックリ?の後任ドネッタ・デービッドソンは署名を数え直した結果、1998年の投票に必要な署名数を上回っていることを認めた。地方裁判所裁判官コニー・ピーターソンは新任の州務長官に同意し、9月20日(月)に新たに署名を集めることなしに修正案を次の投票に載せるように命じた。
 「修正案の支持団体は次の選挙(2000年11月)での投票の申請に必要な数の署名を提出した」とピーターソン裁判官は判決に記載している。
 「我々は2000年を楽しみに待つとともに、コロラド州の有権者が再び医療マリファナを大差で可決することを確信している」とCMR代表ルーサー・シモンズは述べている。
 昨年11月の出口調査では、修正案が60パーセントの支持で賛成されていたという結果が出ている。
 もし、2000年に修正案が可決された場合、医師の承認を得た重病患者は医療使用目的に2オンス〔56.70g〕以内のマリファナの所持と3本までの栽培が認められる。
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
スイス政府がマリファナの非犯罪化を確約
1999年9月2日(スイス)
 政府高官がマリファナの使用と所持の非犯罪化を確約したことにより、スイスのマリファナ禁止法は過去のものとなりつつある。18歳未満の青少年については非合法のままになっている。
 スイス政府の調査では、15歳から35歳の年齢層の27%が大麻を使用していることがわかった。
 「我々は薬物に関する問題に対して常に他国をリードする革新的なアプローチを取ってきた」とスイス連邦保険省長官トーマス・ゼルトナーは語っている。
 「禁止法によって大麻の消費を防止することは不可能である」とスイス内務省は提案の中で述べている。「薬物消費の領域において現実的な立法処置を取ることを目指している」
 提案では、大麻が「健康に与える害は比較的少なく」、特定の環境の下では「医療効果もある」とも明示している。
 さらにスイス政府はコカインなどのハードドラッグの使用に対する刑事罰の廃止も示唆している。今年6月、中毒者に対して処方箋によるヘロインの供給を認める法律に有権者は賛成している。
 「マリファナ問題に関して、アメリカがどんどん孤立していくのには驚かされる」とNORML財団代表(エグゼクティブ・ディレクター)アレン・サン・ピエールは述べている。「ヨーロッパ諸国やカナダが有意義な法改正??現代的な公序良俗の反映??の起草に努めているのに対して、アメリカはこれまでにも増して、予算と『3つのP』すなわち警察(police)、検察官(prosecutor)、刑務所(prison)の権力の拡大に頼ろうとしている」
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
北米太平洋岸北西地区でマリファナ合法化運動が活発化
1999年8月26日(オリンピア、ワシントン州)
 CRRH(Campaign for the Restoration and Regulation of Hemp:大麻の復権と管理のための運動)が前マイクロソフトのソフトウェア・プログラマーからの膨大な寄付を得たことにより、ワシントン州におけるマリファナ合法化運動は一気に加速した。
 ブルース・マッキニーはキャンペーンの経済的支援を目的として、提案229(ワシントン州マリファナ科税法)のスポンサーであるCRRHに10万ドル〔約1千万円〕を寄付した。提案が可決された場合、農業経営者は大麻の栽培が認められ、州の酒屋ではマリファナを販売することが可能となる。
 マリファナの販売にかかる税金の90%は州の一般基金に充てられ、8%は薬物治療プログラム、1%は学生に対する薬物教育プログラムに使われ、残りの1%は産業大麻のプロモーションのための資金となる。
 マッキニーの寄付金は、州議会への提案の提出に必要な180,000人分の署名を年末までに集めるための専門組織への支払いに充てられる。もし、議会がこの提案を否決した場合、2000年に住民投票にかけられる。
 「我々は、人々に押し入れの中から出てきて、運動を支援するように呼びかけている」とCRRH代表(エグゼクティブ・ディレクター)であるとともに、オレゴン州でも同様の合法化運動を組織しているポール・スタンフォードは語っている。
 現時点では、CRRHはオレゴン州の提案に15,250人分(必要数は73,261)、ワシントン州の提案には17,568人分の署名が集まっている。
 「太平洋岸北西地区の州はマリファナ法の改正運動を常に先導してきた」とNORML財団代表(エグゼクティブ・ディレクター)アレン・サン・ピエールは述べている。「NORMLはオレゴン州とワシントン州の住民が、ブラック・マーケットでなく、州の規制による合法的なマリファナの管理を選択することを望んでいる」
(出典:NORML News Archives)
↑TOP HEADLINE BTM↓
セーガン氏大麻愛用 著書に仮名で体験記
1999年8月25日(共同)
 「コスモス」などの著書で知られる著明な天体物理学者の故カール・セーガン氏が、科学的な洞察や随筆などの着想に役立つとしてひそかにマリファナ(大麻)を愛用していたことが明らかになった。
 セーガン氏が一九七一年の著書「マリファナ再考」の中で、「ミスターX」の仮名を使ってマリファナ体験を書いていた、と同所の編集者が最近、サンフランシスコ・エグザミナー紙記者に語った。
 同書の一節でセーガン氏は「ある時、ハイな状態でシャワーを浴びていて、人種差別主義が無価値であることを数学的に証明するというアイデアがわいた」と述べている。
(出典:朝日新聞夕刊)
※「マリファナ再考」(Marijuana Reconsidered)はカール・セーガンの著書ではなく、レスター・グリンスプーン医学博士の著書である。本書の中でミスターXことカール・セーガンは7ページにわたって自らの体験について語っている。
↑TOP HEADLINE BTM↓
マリファナ販売解禁へ 米国 研究用のみ、12月にも
1999年5月22日(ワシントン21日)
 米政府は二十一日、マリファナを医療研究用に販売するためのガイドラインを発表した。マリファナはエイズやがんの痛みなどに有効とされ、研究者は研究目的が承認されれば、購入することができるようになる。入手を容易にして研究を進めるのがねらいだ。ガイドラインの発効は十二月で、価格は未定という。
 マリファナは、カリフォルニア州など数州は医療用の使用を認めているが、連邦法は禁じている。これまでは厚生省の厳重な管理の下、ミシシッピ大学で栽培され、連邦政府の予算で研究が認められた研究者に無料で配付されてきた。今後は、身元のはっきりした研究者であれば、購入できる。
 マリファナの有効性については、米国立保健研究所(NIH)が一九九七年八月、米科学アカデミーが今年三月、エイズやがんに伴う痛みなど、ほかに治療薬がないような症状に対して効果があり、かつ目立った依存性もないとの報告をまとめている。
 医療用のマリファナは、患者団体や研究者から解禁を求める声が出る一方、乱用のおそれもあるとして、議論の的になっており、政府は慎重な態度をとってきた。ホワイトハウスはこの日の声明で、「効果と害をはっきりさせるための研究が必要」とする一方、それが明確になるまでは厳重な規制が重要であることを改めて強調した。
(出典:朝日新聞夕刊)
※ 本件については、カンナビス・ニュース第2号にさらに詳しい報告があります。
↑TOP HEADLINE BTM↓
ノース・ダコタ州が全米で初めて大麻栽培を合法化
1999年4月22日(ビスマルク、ノース・ダコタ州)
 州知事エド・シェーファー(共和党)は、地域の農業経営者に「産業大麻の植え付け、育成、収穫、所持、販売、購入」を許可する法律に署名した。ノース・ダコタは大麻の栽培に対する刑事罰を取り除いた最初の州である。
 「ノース・ダコタは州全体で大麻産業を合法化することによって利益を得られる農業経営者のために、ぎりぎりまで許容範囲を押し広げた」とNORML代表(エグゼクティブ・ディレクター)R.キース・ストロープは語っている。この新しい法律は、連邦政府の認可を得ることなしに産業大麻の栽培を禁止している連邦法に対して、挑戦状を叩き付けたと彼は述べている。
 下院法案1428は0.3%以下のTHCしか含まない大麻を合法な商用作物として再分類し、免許を取得した農業経営者に栽培を認めるものである。州知事の署名の前に下院と上院は圧倒的多数で法案を通過させている。州議会が2年前に依託した調査では、地域的な大麻栽培は1エーカー〔4,046.86平方メートル〕あたり最高で141ドルの利益をもたらすという結論が出ている。
 ノース・ダコタ州の新しい規制は、昨年、商用大麻の栽培を合法化したカナダをモデルにしている。国境の北側での経済的成功を目の当たりにした地域の農業経営者は大麻の栽培を強く望んでいる、と提案の発起人である下院議員デービッド・モンソン(民主党、オスナブロック地区)は語っている。
 大麻の栽培を望む農業経営者は犯罪歴がなく、証明済みの種を使い、作物のTHC含有量を調べるために任意の立ち入り検査を認めなければならない。大麻免許の申請には最低150ドルの手数料が必要である。
 ニューヨークのHemp Company of AmericaのCEO(最高経営責任者)であり、1998年に連邦政府に対して大麻栽培合法化を求める訴訟を起こしたジョン・ハウエルは、「アメリカにおける大麻の未来はとても明るい」と述べている。連邦政府から大麻栽培の許可を得るためには、申請者は州レベルで栽培が合法か否かを答えなければならず、「これまで、申請者はNOを選択せざるを得なく、これによって皆拒絶されてきた。ノース・ダコタの処置によって、ようやくこうしたジレンマから解放される時がきた」とハウエルは述べている。
 州議会は連邦政府の認可を得ている大学の研究者に対して少量の大麻の栽培を認めるとともに、大麻とマリファナの違いを認知するよう連邦議会に求めている。フランス、イギリス、ドイツ、日本、オーストラリアを含む29カ国は繊維を取る目的に精神活性作用のない大麻の栽培を認めている。
(出典:NORML News Archives)