ニュース速報

・NORML News Archivesからの出典記事は、NORML(The National Organization for the Reform of Marijuana Laws)の許可を得て、翻訳・掲載しています。
・The Week Online with DRCNetからの出典記事は、DRCNet(Drug Reform Coordination Network)の許可を得て翻訳・掲載しています。
・本文中の〔 〕は訳注を示す

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ヘッドライン目次
大麻の有効成分THCが、トゥレット症候群の治療に有効
イギリス大麻非犯罪化法改正−2004年1月に発効
大麻の成分が腫瘍の成長を抑制する
アメリカ大統領選挙−立候補者が過去の大麻経験を認める
カナダ議会 - 今国会では大麻非犯罪化法案「C-38」は採決されない見込み
カナダで大麻非犯罪化法案が議会に提出される - 逮捕は止め、違反チケットのみに
イギリス下院での議決−大麻所持の規制を緩和
シアトル有権者による住民投票での採択−大麻規制の優先度を最低レベルに
アラスカ州−4オンス(110-120g)までの大麻所持は「合法」
フランスも非犯罪化に向けて前進
ニュージーランド国会委員会が大麻規制法の緩和を勧告 - 節度ある成人の使用は健康被害に結びつかない
国連レポート -- 大麻喫煙者1億6300万人
研究結果---ベーポライザーにより大麻喫煙時の煙に含まれる有害物質が大幅に除去できる
THCがアルツハイマー病の治療に有効
メリーランド州の法廷にて医療大麻が抗弁措置として法的に認められる
オーストラリア最大の州で、臨床的な医療大麻の利用が認められる
オランダ政府が医療マリファナの処方を合法化---薬局で購入可能・医薬品処方マリファナ栽培は免許制に
国連がカナダとイギリスのマリファナ緩和政策に対し警告:「世界的な悪影響が及ぼされるリスクがある」
ベルギー議会がマリファナ法改正を批准

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大麻の有効成分THCが、トゥレット症候群の治療に有効
2003年10月22日(ハノーバー、ドイツ)
 アシュレイ出版が刊行する医学専門誌「エキスパート・オピニオン(=専門家の意見)」シリーズの一つ「薬物療法のエキスパート・オピニオン」10月号で紹介された臨床試験の紹介記事によると、大麻が意識や感覚に作用する中心物質である△-9-THCに、トゥレット症候群の治療における「臨床上の十分な有効性」が認められたとの事。
 記事では、2つの異なる条件の被験者群でそれぞれ無作為試験を実施し、いずれもTHC投与でチック症状が著しく減少するという良い効果がみられたこと、その際に深刻な副作用や神経心理学的な機能障害はどちらの被験者群でもみられなかったこと、などが述べられている。
 「成人患者の場合、既知の治療薬ではチック症状の改善が見られない、あるいは改善は見られるものの副作用が重すぎるという場合がある。そんなケースにはΔ-9-THCを使った治療を是非とも試してみるべきだ」と筆者は述べている。また筆者は今回使用した合成THCだけでなく、大麻草そのものでも治療効果があると推測しているが、大麻草と合成THC製薬の比較実験はまだ実施されたことがないと注釈をつけている。
 トゥレット症候群とは神経の病気で、顔、首、肩などの突然の痙攣、いわゆるチック症状によって特徴づけられる。
(出典:NORML News Archives)
【補足】:NORML記事におけるトゥレット症候群の説明は不十分なので、少し説明します。(日本のトゥレット症候群患者のためのホームページを複数参照しました)
 トゥレット症候群とは、先天性、遺伝性の神経の病気であるチック障害(大脳基底核ドーパミン系の発達異常が病因の中心とされる)のうち、最も症状が強い病型を指します。
 チックとは本人の意思と無関係に、突然、無意味または一見意味があるように見える体の動き(運動チック)あるいは発声、言葉(音声チック)を反復的に繰り返す症状です。チックにより日常生活に支障を来たす場合を特にチック障害と呼びます。トゥレット症候群の場合、複数の運動チックと音声チックが両方みられ、長期に渡って日常的にチックが出ます。
 運動チックにはまばたき、顔しかめ、首振り、肩をびくつかせるなどの動作の反復、時には卑猥または非常識な動作、あるいは他人の動作を繰り返すものなどがあり、音声チックには鼻や喉をならす、甲高い声、無意味な言葉の反復、または何らかの意味のある言葉、卑猥または非常識な言葉を何度も繰り返す、あるいは自分や他人の言葉尻を何度も繰り返すものなどがあります。これらは本人の意思と関係なく精神的緊張などを引き金に突然起こりますが、周囲の誤解や偏見により本人や家族の大きな負担となります。
 多くの場合子供期に発症し、青年期以降は症状が軽減します。知能発育は正常ですが、強迫神経症や注意欠陥・多動性障害を多く併発します。完治する方法はまだありません。抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬などの薬物療法で症状の軽減に効果がありますが、過鎮静や抑うつなどの副作用を起こしやすいので注意が必要です。
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イギリス大麻非犯罪化法改正−2004年1月に発効
2003年11月20日(ロンドン、イギリス)
 イギリス上院議会は先週、63対37の議員投票により大麻の法的分類をクラスBからクラスCに見直し、大麻の所持が「逮捕に値しない違反行為」とすることを承認した。上院議会での投票は、ブランケット内務大臣が2年前に提唱した法改正が発効される上での最終的なハードルであった。大麻は、イギリスでは2004年1月29日から正式にクラスCの「逮捕に値しない」ソフトドラッグとして分類される。
(出典:NORML News Archives)
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大麻の成分が腫瘍の成長を抑制する
2003年11月20日(ミラノ、イタリア)
 大麻の成分であるカンナビノイドの一種で、意識や感覚には作用しないカンナビジオール(CBD)の投与により、ヒトグリオーマ細胞(脳腫瘍)の成長が抑えられることが実証された。「Journal of Pharmacology And Experimental Therapeutics」誌の2003年11月14日号で発表された臨床試験データによると、ヒトグリオーマ細胞の成長に対する効果はin vitro(インビトロ=シャーレ培養)でも、細胞株を動物に移植した場合でも確認された。
 今回のミラノ大学の研究員によって実施された試験により、細胞培地にCBDを添加した際、濃度に比例してヒトグリオーマ細胞のViability(生存性、生存能)が著しく低下することが確認された。また、これは今回初めて確認されたことだが、CBDによるガン細胞の増殖を抑制する効果(antiproliferative effect)は、機能的細胞死(アポトーシス)の誘発(*)と相互に関連があるということが実証された。
 さらにCBDがマウスに投与された場合、皮下に埋め込まれたヒトグリオーマ細胞株U87の成長が抑制されたことを確認した。意識や感覚に作用しない大麻の成分であるカンナビジオールは細胞培地でも生体内でも、ともに抗腫瘍活性を発揮し、これによってCBDが制癌剤(antineoplastic agent)として使用できる可能性が示された、と今回の臨床試験は結論付けている。
 ちょうど今回の研究結果が報告される約1ヶ月前に「Nature Reviews Cancer」誌に掲載された臨床調査の結果からも、カンナビノイドには癌患者の痛みを抑える効果があり、また数種類の悪性腫瘍の成長が抑制されたことから、癌の治療薬として役立つ可能性が示唆されたばかりだった。
 南カリフォルニア大学(USC)医学部教授であり「Understanding Marijuana: A New Look at the Scientific Evidence」の著者でもあると同時に、NORML諮問委員会のメンバーでもあるミッチェル・アーリーワイン医学博士は、イタリアの研究チームによる成果を称えた。「カンナビノイドの研究からは、いつも癌治療への途方もない可能性が示され続けている」と語り、さらに「こうした研究の大部分は、アメリカ以外の国々によるものだ。ときには予算や科学技術の面でアメリカの医療研究機関のように潤沢とはいえない国々の研究機関が、次々と成果を上げている。わが国のドラッグ政策がこれ以上、アメリカ人の死因の第2位である病気との闘いを邪魔することがないよう切に希望する」とも付け加えた。
 今年初めに発表された研究結果でも、大麻とその誘導体には悪性神経膠腫や皮膚癌を抑制する効果があり、ラットに移植された腫瘍が退化することが確認されている。
 「Antitumor effects of cannabidiol, a non-psychotropic cannabinoid, on human glioma cell lines(精神作用を有さないカンナビノイドであるカンナビジオールのヒトグリオーマ細胞株における抗癌作用)」と題された今回の研究成果の概要は、下記リンクから参照できます:
http://jpet.aspetjournals.org/cgi/content/abstract/jpet.103.061002v1
(出典:NORML News Archives)
※訳注:機能的細胞死(アポトーシス)とは、古くなった細胞が新しい細胞と入れ替わる時など、必要に応じて細胞が自爆的に死ぬことで、細胞の正常機能の一つ。この機能が抑制されると癌や自己免疫疾患などの原因になると考えられる。
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アメリカ大統領選挙−立候補者が過去の大麻経験を認める
2003年11月5日 (ボストン、マサチューセッツ州、アメリカ)
 11月4日にCNNで生放送された番組「Rock the Vote」のディベートにて、電子メールによる視聴者からの大麻喫煙の経験に関する質問 に対して、番組に出演していた2004年大統領立候補のジョン・エドワーズ(ノースカ ロライナ州、民主党)、ジョン・ケリー(マサチューセッツ州、民主党)、ハワー ド・ディーン(前バーモント州知事)いずれの立候補者も「経験がある」と回答し、放送スタジオの観覧客から拍手喝采を浴びた。
 NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは、今回の大統領選立候補者たちが大麻喫煙の経験があることを認めたことは、様々な分野で勤勉に活躍している多数のアメリカ国民が大麻を嗜好品として使用していること、犯罪者として扱われるべきではないことを明瞭に表していると語った。
 ストロープはさらに「ただし重要なことは立候補者が、ビル・クリントン前大統領やアル・ゴア前副大統領、ニュート・ギングリッチ下院議長などの政府要人を含む約半数のアメリカの成人と同様に、ただ大麻喫煙の経験を認めることだけではない。問題の核心は、立候補者自らが過去に経験したのと全く同じ行為によって、多くの善良なアメリカ国民が検挙され投獄されていることについてどう考えているのか、という点だ」とコメントを付け加えた。
 大麻喫煙の経験を認めた3人の候補者は、いずれも大麻の非犯罪化について賛否を明確には示さなかった。ケリー氏は重症患者による医療大麻の使用を認めることを強く主張しており、エドワーズ氏は過去に、州法に基づき医療大麻を使用している患者の逮捕を法務省に対して要求することは「無責任」なことだと発言したことがある。だがディーン氏については2002年にバーモント州議会にて認定された患者による医療大麻の使用を合法化する法案の可決を頑なに拒んだという。
 一方で、同じく番組に出演していた立候補者のデニス・クシニッチ(オハイオ州議員、民主党)は「大麻の経験はない」と回答したが、大統領として当選したら「非犯罪化する」と付け加えた。また、クシニッチ氏は以前、医療大麻の使用が認められるように大統領命令を発令することを約束しており、現政権による「War on Drugs」と呼ばれているドラッグ撲滅政策によって発生している弊害について厳しく批判している。
 クシニッチ氏と同様に、番組に出席していた立候補者のウェズリー・クラーク氏、アル・シャープトン氏とジョー・リーバーマン上院議員(コネチカット州、民主党)は大麻の経験はないと回答した。キャロル・モズリー・ブラウン氏は質問に対しコメントせず、ディック・ゲッパート議員(モンタナ州、民主党)は番組に出席しなかった。
(出典:NORML News Archives)
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カナダ議会 - 今国会では大麻非犯罪化法案「C-38」は採決されない見込み
2003年11月5日 (オタワ、オンタリオ州、カナダ)
 トロントCTVのニュース番組やカナディアン・プレス通信社配信ニュースによれば、カナダ議会は大麻非犯罪化法案を可決することなく今週(11/10〜週)、閉会される見通し。この大麻非犯罪化法案「C-38」は個人使用のための大麻所持違反に対する罰則を軽減し、15g以下の大麻と1g以下の大麻樹脂の所持については違反チケットの発給のみとするもの。この法案にはマーティン・コーション法務大臣とジャン・クレティエン首相がともに支持を表明しているものの、5月の法案提出以降、可決に向けての進展は衰え気味であった。
 クレティエン首相は今年末をもって辞任するが、後任のポール・マーティン次期首相が同じようにこの法案可決を先導していくかどうか未だ不明である。
 これまでにカナダ議会の2つの特別委員会が大麻規制法の緩和を支持している。上院委員会の報告書は16歳以上の国民に対しては一定の規制とともに合法化すべきだと主張しており、下院委員会も個人使用の目的であれば成人の所持と栽培を非犯罪化すべきだと議会に勧告している。
 NORML財団会長(エグゼクティヴ・ダイレクター)アレン・サン・ピエールは、今国会で法案C-38が可決されなかったことに落胆し、次のようにコメントしている。「上下院いずれの委員会も、責任ある成人が大麻を使用することで発生し得る危害に対して、刑事罰をもって処するのは不均衡だという裁定を下した。議会がこれらの委員会勧告に対して『リーファー・マッドネス(*)』的な姿勢を示して、事実を認めることを拒もうとするのはまことに残念である。大麻の事実とは、それが法律で取り締まられていることが最大の害悪だという事にほかならない」
(出典:NORML News Archives)
* Reefer Madness:1936年にアメリカで製作された、大麻の恐怖を煽るためのプロパガンダ映画
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カナダで大麻非犯罪化法案が議会に提出される - 逮捕は止め、違反チケットのみに
2003年5月29日 (オタワ、オンタリオ州、カナダ)
 現クレティエン政権が5月27日にカナダ下院議会に大麻非犯罪化法案を提出した。この法案ではカナダ連邦の大麻規制法を改正するとともに、およそ2億4,500万カナダドル(約200億円)がドラッグ教育および研究費に割り当てられることになる。
 昨年、上下両院委員会からそれぞれ出された2つの報告書で、国の大麻規制法に対する大幅な緩和が強く要請された事が今回の法案提出の推進力となった。
 この大麻非犯罪化法案「C-38」で最も注目すべき条項は、15gまでの大麻および1gまでの大麻樹脂について、その所持と使用に対する罰則を「違反チケットによる罰金のみ」に引き下げたことである。さらに大量の場合、30g以下までであれば、違反者に対して違反チケットを切るか、それとも刑事法廷への呼び出しを求めるかを決める裁量権が警察に与えられる。
 この法案では、チケットに対して罰金を支払わないことを理由に刑法犯扱いされることはない。また、違反チケットに対しては不服申し立ての裁判を起こす事も可能だが、たとえ敗訴して有罪が確定したとしても、それが刑事事件として扱われることはない。
 NORML財団会長(エグゼクティヴ・ダイレクター)アレン・サン・ピエールは法案C-38の大麻非犯罪化に関する条項を称賛して、次のように語った。「大麻の所持を刑事事件として取り締まることは、責任ある成人の大麻使用で何らか発生するかもしれない危害と比較した場合、まるでバランスが取れていない。今回の法案提出は、大麻を取り締まることで発生している害悪のほうが、大麻そのものの危害よりも遥かに大きいということを、カナダ政府が認めたことにほかならない」
 米国の12の州でも、同様に少量(28g〜100g程度)の大麻所持を罰金のみの違反行為とする大麻非犯罪化法が制定された。1999年に米国医学研究所(IOM)が発表した「IOMレポート」によれば、大麻が非犯罪化されている州の若年層における大麻使用率は、大麻を犯罪として取り締まっているほかの州と比較しても決して高くなっていない。
 今回の法案では他に、大麻の栽培に対する罰則の強化が示されており、50本以上の栽培者に対しては従来の禁固7年以下から、最長で14年以下まで引上げられている。プラント3本以上の栽培について、その栽培場所が子供のいる施設内であるなど「悪質」なケースでは、禁固刑を課さないという場合その理由を示す事が求められることになろう。
 この事についてサン・ピエールは、栽培に対して厳しすぎる取締りを行えば、医療目的で大麻を栽培する患者たちにとって好ましくないという事、また多くのユーザーたちが大麻の供給をブラックマーケットに求めることになりかねない、と釘を指している。
(出典:NORML News Archives)
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イギリス下院での議決−大麻所持の規制を緩和
2003年10月30日(ロンドン、イギリス)
 イギリス下院議会は316対160の議員投票により、大麻の法的分類をクラスBからクラスCに引き下げ、大麻の所持を「逮捕に値しない法律違反」とすることを承認した。この法改正は2年前にブランケット内務大臣が提唱したもので、来年の1月に履行されることが見込みまれている。
 この法改正により「個人使用量」の大麻を所持している違反者は、警官に口頭で警告をうけるが、逮捕はされなくなる。ただし、例えば学校の敷地内で大麻が喫煙された場合など「悪質」な状況下では、警察の自由裁量により違反者が逮捕される場合もある。
 NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは「大麻も、その使用者も公共の安全を脅かしておらず、犯罪としての分類は妥当ではない」と語り、イギリス下院議員による投票を賞賛した。
 イギリスでは現在、毎年約80,000人が大麻所持により逮捕されている。
 イギリスの法律では規制薬物のうち、最も有害性の低いものがクラスCに分類されている。クラスCの薬物の所持違反には、禁固2年以下の罰則が課されているが、イギリスでは禁固5年以上の刑事罰に相当する犯罪でない限り逮捕はされない。ただし、これから大麻が分類されることになるクラスCの薬物であっても、違法な密売者に対しては最大14年の懲役が課される。
 大麻の所持を「逮捕に値しない法律違反」に再分類することは、イギリス下院議会と「ドラッグ濫用に関する国会協議委員会(ACMD: Parliament's Advisory Council on the Misuse of Drugs)」が昨年公表した報告書によって勧告されていた。また、ここ数年の間にベルギー、クロアチア、ポルトガル、ルクセンブルグなどのヨーロッパ諸国でも大麻の個人使用が非犯罪化されており、10月にはフランスのジャン=ピエール・ラファラン首相も大麻所持に対する罰則を反則金のみに軽減する意図を公表している。
 アメリカでは12の州で、少量の大麻の所持や使用は刑法犯としての検挙、懲役の対象から外されている。イギリスで大麻が再分類されることは、これらと同等の規制レベルとなることを意味する。
(出典:NORML News Archives)
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シアトル有権者による住民投票での採択−大麻規制の優先度を最低レベルに
2003年9月18日 (シアトル、ワシントン州、アメリカ)
 警察が大麻の取り締まりに費やす時間を最低限に抑える投票議案を、シアトルの有権者は圧倒的な支持率で承認した。
 10中、約6人のシアトル有権者が、「発議75号」と呼ばれている今回の投票議案を支持する票を投じた。この発議は、成人のマリファナ所持違反に対する捜査、逮捕および訴追を、市の法執行の中で最低レベルの優先度にするものであり、発起人である「聡明なるシアトル市民連合(Sensible Seattle Coalition)」によると、予算の無駄使いを無くすと同時に、より深刻な犯罪へのリソースの集中を可能とする。
 ワシントン州の州法では、1グラム程度のマリファナ所持に対して、90日間の禁固刑とともに罰金1000ドルが科される。
 シアトルのほかにも、これまでにカリフォルニア州のサンフランシスコ、オークランド、マサチューセッツ州のアマースト、ミシガン州アナーバー、ウィスコンシン州マディソンなどで、同様にマリファナ規制の優先度を下げる条例が制定されている。
(出典:NORML News Archives)
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アラスカ州−4オンス(110-120g)までの大麻所持は「合法」
2003年9月11日(アンカレッジ、アラスカ州、アメリカ)
 アラスカ州上訴裁判所は8月29日に公表した判決により、州最高裁判所がかつて1975年に下した、「成人による個人目的の大麻所持・使用に対して何らかの罰則が課されることは、州憲法によって保障されている個人のプライバシー権の侵害となる」という判決を是認した。この判決により1990年に承認された「大麻再犯罪化」の発議は州憲法に違反するとして無効となった。
 上訴裁判所のデイヴィッド・スチュワート裁判官ほか全員一致による判決には、「成人による自宅での個人使用目的の大麻の所持に関して、規制法は4オンス(約110g)以上の所持を禁止するものとして解釈されるべき」と明記された。さらに、個人使用目的の大麻栽培も許可される旨が示された。
 今回の上訴裁判所による判決は、ノースポールの自宅で友人とバーベキューをしている際に大麻を吸っていたとして、逮捕されたデイヴィッド・ノイ氏(41)の訴訟に対して下されたもの。
 1975年のアラスカ州最高裁判所の判決(Ravin v. State)は、自宅における大麻の個人的使用は、アラスカ憲法第1条22項(「州民のプライバシー権については、これを侵害することを認めない」)により保護されているとした。さらに数年後の1982年の州議会では、個人使用量の上限が4オンスと定められた。ところが、1990年に当時のビル・ベネットDEA(アメリカ麻薬取締局)長官による積極的な働きかけにより、アラスカ州でも51%の僅差で「大麻再犯罪化」の発議投票が承認され、再び量の多少を問わず、すべての大麻所持・使用に対して再び刑事罰則が課されることになった。
 実際、その後もアラスカ州の弁護士たちは、州憲法の判例を抗弁として用いることにより、大麻の個人使用に対する訴訟の却下に成功してきた。これに対し、これまで州政府側があえて上訴することはなかったが、それは主に「上訴したが、再び敗訴したという不名誉な前例」を作ることを避けるためだと見れる。今回のノイ氏の審判は、初めて上訴裁判所に訴訟されたケースであり、さらに州最高裁判所にも上訴されることが予想されている。
 今回ノイ氏の弁護を担当したビル・セッターバーグ弁護士は、13年の歳月を経てようやく、アラスカ州上訴裁判所にて1990年に承認された「大麻再犯罪化」の発議に対して異議申し立てをする機会を得ることができたと語り、「アラスカ州が今回、訴訟を却下せずに、あえて上訴したのは、彼等の立場からすれば最悪な判断だったと思う。」と付け加えた。
(出典:NORML News Archives)
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フランスも非犯罪化に向けて前進
2003年10月22日(パリ、フランス)
 ジャン=ピエール・ラファラン首相が、大麻所持に対する罰則を反則金のみに軽減する法律改正案を支持していることが、総合週刊誌「L'express」により報じられた。
 1970年に制定された現行の取締法では、軽微な違反に対する罰則を1年以下の懲役刑と定めているが、ラファラン首相がこの法律を改正することを約束したという。改正案が制定された場合、違反者には懲役の代わりに小額の罰金の支払いが科されることになる。フランスでは大麻事犯が起訴されるケースは10%未満となっているが、これは当局がすでに大麻を容認するという方針を実践しているとも言える。法改正が制定された場合、現在の大麻容認の方針が正式に批准されることも意味する。
 フランスは公式な形では大麻非犯罪化の手続きを取っていない、ヨーロッパでは少数となった国の一つである。
(出典:NORML News Archives)
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ニュージーランド国会委員会が大麻規制法の緩和を勧告 - 節度ある成人の使用は健康被害に結びつかない
2003年8月14日 (ウェリントン、ニュージーランド)
 ニュージーランドの代議院衛生委員会(House Health Committee)は、8月初頭に公表した報告書の中で、国会に対して「高い優先順位」で大麻の法的分類を見直して、初犯者を含む軽微な違反者に対して刑事罰が科されなくなるよう勧告した。報告書の結論は、大麻の適正な法的分類について判断することを目的に、委員会が3年間の期間にわたり実施した、大麻が健康に与える影響の調査結果に基づいている。
 報告書によると、現在ニュージーランドの規制薬物に関連した逮捕のおよそ95%が大麻によるもので、大麻の所持には最高3ヶ月の懲役と500ドルの罰金が科される。
 カナダ政府とイギリス政府により実施された調査結果からも、同様な大麻の再分類、あるいは非犯罪化が勧告されたばかりだが、ニュージーランドの場合、ニュージーランド衛生特別委員会(New Zealand Health Select Committe)が1998年に国会に対し「大麻が精神的に及ぼすとされている悪影響は誇張されている可能性がある」と指摘し、現行の法律の妥当性を再調査することを勧告したのが発端となった。
 
委員会による今回の調査結果のまとめ:
 
・大麻の効能が著しく強まっているということはない
「過去25年の間に、大麻の効能が著しく強まったことを示す証拠はない」(p.19)
 
・大麻は青少年の非行に繋がらない。
「大麻の使用が行為障害の原因にはならないこと、また、もともと逸脱行動を起こす素因をもっている青少年たちが高い確率で大麻を使用していること、などが結果から示唆された」 (p.19)
 
・大麻は凶暴な行動を引き起こさない。
「大麻の使用と暴力の関連性について議論がなされているが、最新の研究結果から判断する限りその関連性は存在しないと理解される」 (p.19)
 
・大麻は長期的な認知障害を引き起こさない。
「大麻が脳に回復不能な損傷を引き起こすことを示す証拠はない。長期にわたって使用された場合は認知能力の変化について懸念があるものの、大麻使用者と未使用者を比較した研究結果では、大麻の使用を中断した後の後遺的な認知能力の変化は、ごく僅かであるか、あるいは未使用者との差異が見られなかった」(p.18)
 
・大麻統合失調症を引き起こさない。
「大麻が統合失調症を引き起こすという説得力のある証拠は存在しない」(p.17)
 
・大麻は精神的障害を引き起こさない。
「研究結果を見る限り、大麻と精神的障害の関連性は実証されていない」(p.17)
 
「大麻使用についての公衆衛生の方針と最適な法的分類に関する調査(An inquiry into the public health strategies related to cannabis use and the most appropriate legal status)」と題された今回の委員会による報告書の全文(英語)は、下記リンクより参照できます:
 
http://www.clerk.parliament.govt.nz/Content/SelectCommitteeReports/i6c.pdf
(出典:NORML News Archives)
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国連レポート -- 大麻喫煙者1億6300万人
2003年6月26日 (パリ、フランス)
 国連薬物犯罪オフィス(UNODC)がまとめた年次レポートによると、全世界の大麻使用者人口は推定1億6300万人にのぼる。大麻は最も広範囲に生産、取引、消費されている規制ドラッグであり、世界の規制ドラッグ使用者人口の8割以上が大麻使用者であるいう。
 また、アメリカの保健社会福祉省 (Department of Health and Human Services)は、過去1年間に2100万人以上のアメリカ人が大麻、または大麻樹脂を使用したとしており、世界の大麻使用者人口の13%がアメリカに在住していることになる。
(出典:NORML News Archives)
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研究結果---ベーポライザーにより大麻喫煙時の煙に含まれる有害物質が大幅に除去できる
2003年5月8日(カントン、マサチューセッツ州、アメリカ)
 NORML財団の一部援助によるカリフォルニアNORMLと複合サイケデリック研究協会(Multidisciplinary Association of Psychedelic Studies, MAPS)の共同研究により、ベーポライザー(気化器)を使用することにより、大麻喫煙時の煙に含まれる有害物質が除去できることが示された。
 NORML委員でありMAPS会長のリック・ドブリン氏によると「現在、大麻喫煙と肺癌を結びつける科学的根拠はないものの、ベーポライザーの使用は、大麻が燃焼される際に発生する不要な物質が除去される、有効な非喫煙摂取方法である」と語った。
 Chemic Laboratories, Incが実施した、ガスクロマトグラフ質量分析装置 (Gas chromatography mass spectrometer、GCMS)を用いた試験の結果、『ボルカーノ』の商品名でドイツで売られているベーポライザーを使用した際に発生する、大麻気化ガスに含まれている成分は、THCが圧倒的な大半を占め、発ガン性の危険があるとされる物質に関しては、微量(5%以下)しか含まれていないことが確認された。対照的に、大麻を燃焼させた際に生じる煙には、数種類の多核芳香族炭化水素(PAHs)等、タバコの煙にも含まれる発ガン性物質を含む100を超える化学物質が確認されている。
 大麻喫煙による呼吸器官への悪影響は煙に含まれる有害物質の副産物によるものであり、大麻の有効成分であるカンナビノイドによるものではない。ベーポライザーは、大麻をカンナビノイドが気化される温度(約200℃)まで加熱するが、大麻が燃焼されるのに必要な温度(約250℃)までは加熱しない。
 過去に実施された研究試験でもベーポライザーの使用が大麻喫煙に関連した有害物質を低減させるとの結果が示されていたが、実際に気化ガスの分析により広範囲にわたる有害物質の低減が確認されたのは今回の研究が初めて。過去のカリフォルニアNORMLとMAPSの共同研究では、水パイプの使用では、有害タール類の除去効果は薄いとの結果が得られていた。これは、水パイプのフィルター効果が有害タールを除去するのと同時に、同程度の有効成分であるTHCをも除去していためだった。
 カリフォルニアNORMLコーディネーター、デール・ギーリンジャー氏は「この研究結果が示唆するのは、医療大麻を使用する患者がベーポライザーの使用により喫煙に伴う呼吸器官への悪影響を避けられるものだ」と語った。1999年の科学アカデミー医薬研究所(National Academy of Sciences Institute of Medicine, IOM)は医薬品としての大麻利用について「喫煙に伴う(呼吸器官への)リスクを除けば、大麻使用に伴う副作用は他の医薬品でも認められる範囲内である」とした。
 現在、被験者を対象としたベーポライザーの効果を探る連邦政府公認の研究は存在していないが、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAIDS研究者ドナルド・アブラムズ博士によるベーポライザーと喫煙を比較した人体の血中カンナビノイド濃度に関する研究の補助金申請がカリフォルニア医療大麻研究センター(California Center for Medical Cannabis Research, CMCR)に提出されている。
(出典:NORML News Archives)
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THCがアルツハイマー病の治療に有効
2003年5月29日(ボルティモア、メリーランド州、アメリカ)
 5月初旬にアメリカ老年医師会の月例ミーティングで紹介された臨床試験データにより、人工的に合成されたTHC(=テトラハイドロカンナビノール、マリファナの有効成分)が、アルツハイマー病患者の動揺を和らげ、また体重の増加を促進する効果があることが示唆された。
 臨床試験には、アルツハイマー病による痴呆症状を患う9人の患者が参加した。10mg以下の合成THC処方を1ヶ月間実施した結果、9人のうち6人の患者に動揺の軽減が顕著に見られ、また9人全員に体重の増加が認められた。THC処方の前には9人全員が食欲不振により体重を減少させていた。アルツハイマー病ではよく見られる症状の一つである体重の減少は、患者の死亡の前兆となる一つの要因でもある。
 THC処方において、副作用による問題はまったく報告されていない。
 1997年に実施された前回の臨床試験には12人のアルツハイマー病患者が参加したが、その際にもネガティブな感情の高まりを抑え、体重を増加させるという効果が確認された。1999年発表のIOMレポートでは、マリノール(=合成THC、商品名)の処方を受けている者の5パーセントから10パーセント程度は、アルツハイマー病の症状を緩和する目的でマリノールを使用していると見積もっている。
(出典:NORML News Archives)
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メリーランド州の法廷にて医療大麻が抗弁措置として法的に認められる
2003年5月22日 (アナポリス、メリーランド州、アメリカ)
メリーランド州知事ロバート・アーリック(共和党)は、医療大麻を使用する患者が法廷にて「医療的必要性」を抗弁として用いることを認める法案に署名し、法律として成立させた。
この法律はメリーランド州における医療目的での大麻の栽培と使用を合法化するものではないが、州が起訴するマリファナに関連した裁判において、被告である患者が大麻の医療的必要性を抗弁として用いた場合、この法律は法廷に対して刑罰の軽減を考慮するよう求めている。現行のメリーランド州法では、大麻の所持に対して1年以下の懲役と1,000ドルの罰金を課しているが、被告人の大麻使用が医療的に必要であったことが立証できれば、罰則は100ドルの罰金にまで軽減される。
大麻の医療用使用を「不道徳」で「ひどいでっち上げ」などと主張する麻薬取締対策局長ジョン・ワルターやブッシュ政権からの厳重な圧力に屈することなく法律を成立させたロバート・アーリック州知事の決断について、NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは「患者のニーズを派閥政治より優先させた」と称え「他の8州の同様な医療大麻に関連した法律と比較すると、さらなる改善の余地があるが、今回の法緩和により多くのメリーランド州民の患者が法的に保護されることになった」とコメントした。
(出典:NORML News Archives)
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オーストラリア最大の州で、臨床的な医療大麻の利用が認められる
2003年5月22日 (シドニー、ニューサウスウェールズ州、オーストラリア)
 ニューサウスウェールズ(以下NSW)州の保健局が今後4年間にわたって実施する予定の臨床試験では、慢性的な身体の痛みや多発性硬化症等の深刻な病状に苦しむ患者達に対して合法的に医療目的の大麻を提供することが可能になると、ボブ・カー州知事が今週発表した。試験に参加するボランティアは喫煙用の大麻、もしくは舌下から投与できる大麻抽出物を受け取ることが出来る。また今年後半にはイギリスの製薬会社が、大麻抽出物を医療薬品として販売する認可を取得することも見込まれている。
 今回のカー州知事による発表は、NSW州政府により任命された医療目的大麻政策作業部会(Working Party on the Use of Cannabis for Medical Purposes)が今から約3年前、医療大麻の比較臨床試験の実施、および医療目的で大麻を使用した患者に対する刑事処分の停止を勧告して以来の進展である。
 「大麻が苦痛の症状をやわらげることに有効であるという主張は、医学的な根拠により支持されている。我々には人的な苦痛や苦しみを可能な限り低減させる義務がある」とカー州知事はコメントしている。オーストラリア医師会のNSW州支部もこの臨床試験実施を支持しており、現時点で違法な薬物であっても、患者の苦しみを和らげる目的や研究促進のためには特定の病例について合法化すべきであるという立場を取っている。
 大麻の臨床試験実施を認める法律制定は来年までに実現される見込みだ。
(出典:NORML News Archives)
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オランダ政府が医療マリファナの処方を合法化---薬局で購入可能・医薬品処方マリファナ栽培は免許制に
2003年3月20日 (ハーグ、オランダ)
 3月17日から施行された新しい連邦規定により、オランダでは薬局が合法的に医療大麻を仕入れ、医師の処方箋がある患者に対して販売することができるようになった。この法改正で、オランダは医療大麻を正式に一般の処方薬と同じ扱いで使用できる最初の国となった。
 NORML財団代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)アレン・サン・ピエールはこのオランダの政策変更を称賛して次のように語った。「カナビスにも他の医薬品と同じく、その危険性や有効性を正当に評価した上でそれに応じた規制を適用するべきであり、このたびオランダ政府が決定した規制はずっと以前より導入されてしかるべきものであった。不幸なことに米国では、政府がマリファナの相対的な安全性や医療用途の有効性を認めることを拒み続けている。患者たちはその結果として、本当に必要とする医薬品を非合法市場に求めなければならず、逮捕されるリスクを押し付けられているのだ。明らかにオランダモデルのほうが安全で有効、かつ温情ある解決法だと思う」
 新法の施行により、オランダ政府の保健担当部門から許可証を交付された医療用マリファナ栽培者が、医薬品等級のマリファナを薬局に供給することになる。栽培許可証の発行はオランダ保健省医療マリファナ局(BMC)の管轄で、4月初旬より交付が始まる見通し。BMCは医療マリファナの研究と使用基準の確立を目的として2000年に設置された。
 また医療マリファナの購入に際して、健康保険割引が使えるようになる。(オランダでは民間企業が健康保険サービスを提供)
 オランダ保健省スポークスマンのバス・クイックはAP通信に対して、今回の法改正によって医療用品質のマリファナが、安定して患者に供給されるようになると説明している。「いずれにせよ、今日でも既に医師たちは患者に対してマリファナを処方している。数多くのマリファナを必要とする患者がいて、実際に使用している。ならば、国もきちんとした基準を設けるべき」
 カナダでも同様な規定が2001年に制定され、認定された患者に対して州政府が医療マリファナを栽培し、供給できるようになった。しかしカナダ保険省は今日まで、州政府により収穫されたマリファナの供給を許可していない。
(出典:NORML News Archives)
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国連がカナダとイギリスのマリファナ緩和政策に対し警告:「世界的な悪影響が及ぼされるリスクがある」
2003年2月27日(ウィーン、オーストリア)
 国連国際麻薬統制委員会の年次報告書は、イギリスとカナダで軽微なマリファナ違反者の逮捕を差し止める法改正が審議されていることについて、国際的な麻薬撲滅の努力をないがしろにする深刻なものだとしている。
 報告書はイギリス政府がマリファナを規制薬物のなかでクラスB→クラスCへと再分類したことについて「国際社会に対して間違ったメッセージを発信している」と一方的に断言し、英国でのマリファナ栽培の増加と各国への輸出などといった「世界規模での波及効果」が起こり得るとしている。
 NORML財団代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)アレン・サン・ピエールはこの国連コメントを完全な誇大表現だとして、イギリスのマリファナ法改正は3グラム以下の「所持」を対象としたものに過ぎず、栽培に関しては法的に何ら変更されたわけでないことに言及している。「いわゆるアメリカ式の『ドラッグの使用者は刑務所へ直行』といった政策を盲目的に支持する者の目には、たとえどんなに小さな変化であっても、自分たちが長年にわたって行ってきた一律禁止というやり方を脅かすものだと写るのであろう」とサン・ピエールはいう。
 報告書はカナダで少量のマリファナ所持を非犯罪化する法案が審議中であることについても非難しており、実施されれば国際条約違反になるだろう、と的外れな断定をしている。さらに、近年カナダとオランダで一定の条件を満たす患者に医療マリファナ使用を認める法令が制定されたことについても、報告書は公然と非難している。
 「国際的な薬物規制には、各国が合意のもとに実施することが重要である。いずれの国の政府であっても、各国政府がほぼ100年近くかけて構築した『完成されたシステム』に対して、自国がとる行動の影響と最終的にもたらす結果を省みることなく、一方的な施策を講じるようなことがあってはならない」と国連の報告書は主張している。その一方で、近年のベルギーやポルトガルといったEU諸国におけるドラッグ政策の見直しや、その他マリファナや一部のドラッグの使用を非犯罪化した国や地域について、報告書は一切言及していない。
 また国連報告書は、カナダと米国では共に薬物乱用が広がり続けており、米国のティーンエイジャーたちの多くがタバコやビールよりもマリファナのほうがより簡単に入手できるとしていること、米国の連邦政府が資金援助しているアンチドラッグ広告は、若い世代のドラッグ使用、中でもマリファナの使用に対して「目に見える効果を上げていない」といったことなども報告している。
(出典:NORML News Archives)
国連国際麻薬統制委員会のウェブサイトで2002年度の年次報告書(Annual Report)を参照できます。
http://www.incb.org
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ベルギー議会がマリファナ法改正を批准
2003年2月27日(ブリュッセル、ベルギー)
 DPA(Drug Policy Alliance)のプレスリリースによれば、ベルギー議会はつい先日、個人使用のためのマリファナ所持と栽培を合法化する法案を通過させた。
 ベルギー議会は多数決で、レクリエーション・ユーザーの5グラム以下のマリファナ所持、及び一本までのプラント栽培を認め、刑事罰を適用しないことを決めた。今回の法改正は、2001年に検察当局と裁判所に対して「何の危害も、また依存も見られない個人マリファナ・ユーザーたちの生活をこれ以上、妨害しないこと」を命令した、議会の公式な申し立てに続くものである。
 新しい政策のもとでは、大量の栽培と販売は積極的な取り締まりの対象となる。また、公共の場所や未成年がいる場所での喫煙も禁じられている。
(出典:NORML News Archives)