大麻のどこが悪いのか問いただすために
大麻を持って帰国し、逮捕された山崎さん


山崎さん裁判の報告
麻生 2001/03/23(金) 22:03:21
(カンナビスト・サロンの書き込みより引用)

 今日、山崎さんの第一回公判に行って来ました。ここではごく簡単に裁判の概要を報告します。傍聴席は11人。前の裁判が長引き、遅れてはじまった法廷に長髪で麻のブレザーを着た山崎さんが現れた。手錠をはめられ前後に係官がついている。
 裁判は、最初、女性の裁判官が山崎さんに名前、生年月日、本籍、定まった住所・職業などを尋ねることからはじまった。その後、検察官による起訴状朗読。大麻草6.62グラムをタイから持ち込もうとして大麻取締法と関税法違反で起訴されたということが告げられた。
 その後の罪状認否で、山崎さんは、検察官が言うように「みだりに大麻を輸入しようとした」「輸入禁制品である大麻を持ち込もうとしたが、その目的を遂げられなかった」のではなく意図的に持ってきたのだと話した。それから裁判に臨む自分の主張を綴った文書を読み上げはじめた。ここで以前からの持論である、裁判は良心と法律に基づき行われるものであること、自分の意思は六法全書に優先すること、被告である自分に黙秘権はあるといわれるが自由に話すことができないのは公平ではないことなどを述べた。
 その途中で、検察官が立ち上がり「裁判官、罪状認否の供述としてはもう十分だと思うんですよ」と山崎さんの話を遮った。山崎さんが「あの、すいません」と言って話し続けようとしても「まあ、いいから」と検事は受け付けない。検事は、山崎さんの喋っていることは個人的な見解なので、言いたいことがあったら上申書で裁判官に見てもらえればいいではないかと主張する。検事と山崎さん、両者譲らず、緊張した空気に包まれる。今回の最初の山場だった。
 裁判官は「喋らせる権利はあると言ってますが、裁判所の訴訟指揮には従って下さい」と発言した。とりあえず検事の意見よりは山崎さんの意見に肩を持った形で収拾した。これは山崎さんにとって、小さな勝利だったように思える。
 それから山崎さんは、前回の裁判の公判記録が不完全だったことを訴え、今回の裁判の公判記録についていくつか注文を出した。
 「公判記録についてどうしても言っておきたいことを要約して述べて下さい」と少し苛立ったような声で裁判官は口を挟む。山崎さんは、裁判記録をなるべく早く見たいが、いつ見せてもらえるのかと裁判官に食い下がり質問する。何度かやり合っているうちに裁判官は命令口調で「これ以上、裁判所に質問することは許可しません。後ろに座っていて下さい」と打ち切った。
 そのとき山崎さんは目の前にいる書記官に「いま(裁判官の)言っていることもちゃんと書いておいてください」と話しかけたが、裁判官は威圧的に「裁判所の訴訟指揮に従って下さい」と同じセリフを繰り返す。このときの裁判官と山崎さんの火花の飛び散るやりとりが、二つ目の山場だった。
 続いて弁護士から、事実自体については争わない、大麻取締法違反については争わないが、本人は、この裁判を受けたいがために大麻を持ってきて税関の方で自ら申告したということなので関税法違反については少し違う意見だと短い発言があった。
 次に、検察官が山崎さんの経歴、大麻歴などを述べた後、今回の事件の経過を述べた。その中で、検察官は山崎さんが98年の大麻事件裁判判決で、大麻が違法とされていることに納得がいかなかったことが今回の事件を起こす理由になっていたこと。そして大麻事件を起こし裁判を受けることによって、大麻が違法とされていることが不当であるという自らの考えを法廷で主張したいと考え今回の事件を起こしたこと。さらに山崎さんが成田空港で自分から大麻を持っていることを申し立てたことにより事件が発覚したということなどを述べた。検察側は法廷では敵になるのだが、法律的な駆け引きや、仔細な枝葉の部分を除外すると、基本的に山崎さんの信念に忠実な見解なのではないだろうか。
 第1回公判は、徒手空拳の闘いとしては、十分健闘したと言えるのではないだろうか。検事、裁判官とのやりとりでも一歩も後へ引かなかった姿はよくやったと思う。
 最後に次回公判の日程が告げられ、5月14日(月)午後4時から千葉地裁302号法廷で行われることになった。裁判官は次回は山崎さんの言い分を聞く時間をとると述べた。その意味では、次回公判が山崎さんの裁判では正念場になるだろう。