マリファナ・マーチ2012の報告 NEW
5月21日、新宿で「マリファナ・マーチ2012 in 東京」が開催されました。この集会は、大麻の規制見直しを求めて、毎年5月に開催されている世界共通行動です。日本では、2001年からはじまり、今回で12回目になりました。
今年は、5月16日早稲田、20日高円寺、21日下北沢でも連動した小集会が開催されています。以下、会場で採択された「マリファナ・マーチ東京宣言 2012」を公表いたします。
2012年5月28日 カンナビスト
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マリファナ・マーチ東京宣言2012
日本は、いま閉塞的な状況にある。自由よりも管理を優先し、人権をないがしろにし治安の維持のみを強めていく、長年にわたって続いてきたそんな政治によって、若い世代をはじめ、人々がみな息苦しさを感じる、生きづらい社会になっている。
このような政治が生み出した様々な問題の中で、最も矛盾に満ちているものが「大麻問題」である。「大麻問題」は、危険な薬物の問題などではない。それは、有害でもないもの(大麻)に重い刑事罰を科している国の政策によって人為的 に起こされている問題である。
少量の個人使用のため大麻を所持し、栽培したことを「犯罪」としているが、誤解や偏見を捨て去るならば、こうした大麻取り締まりこそが「国家犯罪」と言っても過言ではない。
この結果、毎年3,000人近い市民、学生が大麻取締法によって理不尽にも逮捕されている。
大麻には、大きな有害性はない、これは文明的な世界の国々の共通認識である。オランダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、スイス、ロシア、カナダ、オーストラリアでは刑事罰を科す犯罪ではない。アメリカでも13の州では州法で非犯罪化(社会的容認)され、連邦法でも常習的ではない個人の所持や栽培に関しては刑罰は科せられていない。カナダ、オランダ、イスラエル、アメリカの一部の州などでは、大麻の医療使用が合法的に認められている。
大麻取締法は、大麻の所持を最高懲役5年、栽培を最高懲役7年と世界の中でもきわめて重い刑罰を科している。しかし、これまでの大麻事件裁判から、国は、大麻が有害であるというはっきりした根拠を示せないまま、取り締まり政策を続けていることが明らかになっている。
国は、広範な地域に、甚大な危害を、それも遠い将来まで与え続ける原発事故が起きるまで、長い間、原発は安全だと言ってきた。大麻については、危険な薬物だと言い続けている。危険なものを安全、安全なものを危険と言い繕ってきた国の欺瞞性は破綻している。
新聞、テレビなどマスメディアは、大麻事件をセンセーショナルに報道しているが、大麻の有害性は高くないこと、海外で規制の緩和が進んでいる状況や日本でも規制の見直しを求める広範な声が存在すること、といった基本的な事実について伝えようとしない。これは報道の自主規制であり、国民に対する情報操作である。
大麻取締法、そして取り締まり政策によって、多くの市民、学生が逮捕され、失業したり学業を中断させられている。家庭生活への打撃、精神的苦痛、社会的制裁などの弊害は甚大である。大麻事件の捜査に関連して自殺者まで出ている。また、医療目的で大麻を必要とする人たちにも使用が認められていない。これら大麻取り締まりが生み出している悲劇は、公権力による人権侵害である。
大麻は,世界各地で、少なくとも1,000年以上、嗜好品として用いられてきた歴史がある。酒、コーヒー、紅茶、タバコなど嗜好品には、何らかの健康へのリスクがあることが知られている。健康へのリスクの大きさと、それを規制したり、処罰することがもたらす社会的弊害という両者のバランスを文明世界の理性によって、定めることが求められている。
人間として「犯罪」でもないことで刑罰を科せられることなどあってはならない。傷ついた人々の痛みに気づくとき、このような状況を見過ごすことはできない。大麻取締りによる理不尽な状況、人道に反した状況を一刻も早く改めるよう訴える。
2012年5月20日 マリファナ・マーチ実行委員会
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