カンナビスト・サロン 過去ログ
産業用大麻の話

09/28(木) 04:13:20 あさだ ヘンプについて。
ところで大麻の有用性の面からの話を一つ聞いて下さい。

いま僕はカナダ製のヘンプ紙を少量づつ輸入していますが、
紙と言うのは意外と重いもので、ちょっとした出版物に使用する
だけでもすぐ1トンぐらいは越えてしまいます。

納期やストックの関係でいまは航空便ですので、コストの30%
以上が運賃です。
メーカーは今後理論的には現在の1/6まで製品価格は下がると
言っていますが、そうするとたとえ船便でも運賃の方がはるかに
高くつく結果になってしまいます。

つまり輸入紙には最終的価格競争力がない事になり、国産をめざす
しか無い事になる訳です。

私はエコロジーの面からヘンプ紙の普及を望んでいるのですが、
そのターゲット市場は、総量約80万トンの規模です。

その原料パルプに匹敵する大麻原料の供給は、大麻取締法がある限り
絶対にあり得ない事になります。

そんな訳で最近エコロジーサイドの人がかなり法改正論に注目しつつ
ある訳です。

産業用大麻についても、現在厚生省は否定的であり続けています。
仮に低THC株が固定されても、日本の様に野生種、外来種が浸透している
環境下では、簡単に交配、雑種化してしまうでしょう。

また両者を簡単に見分ける方法もなく、かりに発見されても栽培者の
意志を証明する事も困難でしょうから、この態度が容易に変更される
とも思えません。

したがってエコロジーサイドの大麻肯定者もやはり同じ船に乗って
いる訳ですから、現在急速に法改正肯定者が増加している事になります。

先の事はなんとも言えないとは思いますが、味方が増えているのだけは
たしかですね。

09/29(金) 00:10:35 日鷲 産業大麻の話しについて
あさださん、初めまして。すこしお伺いしたいことがあります。

>私はエコロジーの面からヘンプ紙の普及を望んでいるのですが、
>そのターゲット市場は、総量約80万トンの規模です。

それは現在輸入されている紙パルプの年間総量と考えてもいいのでしょうか。
仮に、国内の製紙用木材パルプを大麻パルプに代替する場合、その80万トンを
大麻から採るとなると、どれだけの耕地が必要となると試算されておりますか?
そしてその耕地を国内で確保することは可能なのでしょうか。
また、それは中国から輸入されるものよりもコスト安につながるのでしょうか。

本来ここは嗜好品としてのアプローチが主眼となっておりますが、
そうはいっても、大麻好きは医薬や産業用途についても興味があると思います。
ひとつ勉強も兼ねて、お伺いしたいです。

10/01(日) 06:28:36 あさだ 製紙に関して
日鷲さんの質問に対して、タイムリーな情報が入ってきました。
レインボウパレードの事務局の岡本さんです。
彼は全く大麻喫煙の習慣はありません。
但し、これは今のところ転載禁止ですが、
僕の責任でここにだけ転載します。(岡本さんゴメン)


浅田さま。
具合のほういかがでしょうか。

実は昨年のレインボーパレードがきっかけとなり、
オーストラリア、タスマニアの森林伐採問題に関して
日本製紙連合会と定期的に会合をもっています。

昨日は8回目くらいの会合だったのですが、
産業用大麻に関しての見解を聴いてみました。

素敵な宇宙船地球号での資料などを提供してみたわけですが、
みなさんほとんどこの産業用大麻については知っていませんでした。

ケナフに関しては製紙連合会としての見解をもっていて以下のような
ことから森林の代用品にはなりえないということですが、産業用大麻
に関してはなんの見解もありません。

産業用大麻に関する詳細な情報をぜひいろいろ教えていただきたいと
思っています。

とくにケナフに対する見解に対抗しうるものか知りたいです。

どうぞよろしくお願いします。

岡本

製紙工業会の見解

日本の木材パルプ生産量は約1,100万トン(1998年)であり
、かりに、その10%( 110万トン)をケナフで作るとすれば、

 必要なケナフの収穫量:
・250万トン(ケナフパルプの収率は約44%として)

 必要とされる栽培面積:
・20万ha(ケナフのha当り収穫は12.3BDtとして)

なお、連作を避けるため一年おきに植栽し、毎年 110万トンのパルプを継続的に生産する
ためには、この2倍の40万ha(東京都の面積22万haの約 1.8倍に相当する)が必要となり
ます。

わが国でケナフを栽培して大規模に木材パルプの代替をするという考えは、コストや安定
供給等の面からみて現実的ではありません。特に、日本国内での栽培には、土地の確保や
輸送コスト、保管場所、パルプ化のためのコスト等の問題があります。もちろん、このよ
うな条件の下でも、和紙の場合と同様に、ケナフ紙がもつ独特の風合いなどに着目した特
殊な分野での利用も考えられますが、その数量はかなり限られたものとなるでしょう。

・ケナフは草本植物であるため、毎年、耕作・収穫等の栽培経費がかかる。

・日本では、収穫は通常年一回に限られ、原料として使用するまでの保管場所が必要とな
る。

・木材チップに比べ重量当たり容積が約3倍となるため、輸送や保管の効率が悪い。

・パルプの収率(原料のうちパルプをとれる割合)は約44%で、木材の約50%より低い。

・連作により土地が痩せることを考慮し、また、毎年一定のケナフの収穫量を保つには、
広大な土地が必要となる。

・日本の製紙工場でケナフパルプを製造するためのコストは、現状では、木材の場合に比
べ5〜6倍かかる。

(参考)例えば、タイはケナフパルプを製造するのに日本よりはるかに有利な立地条件に
あるにもかかわらず、同国から輸入するパルプの価格ですら次のとおりで、ケナフパルプ
は、ユーカリパルプに比べ2〜3倍高い。


現在ケナフ紙を生産している製紙業者の間でも、ときおり大麻の事が
話題になっている様です。
僕も春風の時など二回ほど製紙業界の人から、質問されました。

この人たちは平和紙業などおもに再生紙の普及につとめた人たちで、
ライフスタイルはごく一般的ですが、大麻使用に対する差別意識は殆ど
感じられません。
仮に知識不足による抵抗感があったとしても、例えばカンナビストの意見
などを粘り強く主張すれば、認識を変えるはずです。
基本的に彼らは正しい事に対して敏感なタイプで、それ故に環境保護運動
に取り組んでいるのです。

事実、文頭の岡本さんみたいな人にはもう沢山出会ってきました。
そしてその人たちに吸わせようとしているのではなく、我々の自由と権利
を守り、医療や環境にも貢献する大麻の事を理解してもらう様お願いして
きました。

ところで、大昭和製紙はオーストラリアで天然林をかなり伐採しているらしく
その他の製紙業者とともに、現地の市民、行政の反感を買っている様です。

日本のパルプ輸入は世界の70%を超し、その27%はオーストラリアから輸入して
おり、オーストラリアのパルプ輸出の96%は日本むけだそうです。

UNEP(国連環境プロジェクト)は地球温暖化を食い止める活動は、残念ながら
遅かったと発表したそうです。地球温暖化の危機は確実にやってくる事が
はっきりしました。そう遠くない将来、かなりの島嶼部、人口の多い低地が
危機にさらされ、気候変動もさらに深まるでしょう。(もう始まってますよね)

アメリカでもようやくエネルギー自給に関するカンファレンスが大々的に
開かれます。米国政府は、エネルギー産業、工業、鉱業、森林保護グループ
の4グループを招き、これからのエネルギー政策を話し合うそうです。

10/01(日) 06:50:35 あさだ WHOの変化?
以前国際保健機構の総裁が交代し、ノルウェーの元首相で薬学博士の女性に
なるらしく、今後なんらかの変化があるかも知れないと発言しましたが、
最近確かな人から、医療の要素としてスピリチュアリティー(霊性、精神性)
を取り入れる事を年次報告に記載したそうです。

この事を広義に解釈すると、意識の変容も治療の範疇に含まれる事になり
ます。
別の分野(習慣性薬物ワークグループ)の専門家会議はすでに大麻の習慣性
依存性を否定し、カテゴリーを変更する提言を提出していますが、上部組織
により昨年握り潰され、New Scientist 誌にすっぱぬかれました。

その後、ジュネーブの広報官は専門家会議の結論の一部は非科学的だったので
削除したと発表してます。


10/01(日) 07:06:38 あさだ そういえば
今原発の長期計画策定に向けて、公聴会と意見募集が始まっていますが、
資料によれば三菱総研などのシンクタンクが政府の依頼で動いている様です。

出席した友人のレポートをみる限りではいよいよ日本も原発をたたむ方向に
向かう準備を始めた様です。やはり東海村の事故で死者が出た事が、唯一の
被爆国を前面に打ち出してきた政府(利権にからむ政治家・土建屋)に大きな
打撃を与えた様です。
被爆され他界された作業員の方の御冥福を祈るばかりです。

以上、最近のj

10/01(日) 07:19:58 あさだ 未来は自分たちが築くもの
以上、最近の情報から僕の解釈・分析等も交えての、意見でした。

先の事は分からないとは言え、ずっと同じ流れを観察していると、変化の兆し
に気がつく事が良くあります。この様な見解が100%正しいとは断言できません
が、株の専門家が市況を占う程度の確かさはあるとおもいます。

元の情報の発信者も信頼できる人たちなので、決してウソッパチやでまかせで
はありませんので、今後の参考の一つにしてくだされば幸いです。

みなさんもう一息だと僕は思います、ポジティブに頑張りましょう。

10/03(火) 19:34:25 日鷲 産業大麻の限界点
>あさださん
なるほど、大麻をケナフに置き換えた場合、その採算には疑問点が残ると理解してよろしいのでしょうか。
私もかねてから木材意外の植物からの原料調達には疑問を感じていたところです。
それはバイオマスとしての利用でも同じことなのですが、結果森林は救えても、コスト割れがある以上
長いスパンで見たら環境にはいい影響があるとは言えないようです。
ただこれも、流通経路や技術革新、広い耕地の確保や人件費の問題さえクリアーできれば
国内需給は不可能でも、文字通り地球レベルでは可能なのかも知れないのでしょう。
バイオマスでは、ジャック・ヘラー氏の理論や、大麻ではないですが植物から燃料を得ようと言う研究が
実際にあるのが事実です。その分遠き先の目標であるとも思えますが、実現を期待したいところです。
ただ私見では、国内ではかなりむずかしいと思います。

>mattunさん
ちゃんと理解しています。
言葉ひとつとって文句を言う前に、私が何を言っているのか理解していただきたいです。
それとも、いちいち細かく説明しなければ判りませんか?

10/04(水) 00:01:02 あさだ 日鷲さん
ぼくは今年からカナダ製の大麻紙を輸入する事にして、いまは大口の注文に応えながら、
本格的な小売りのシステムを構築しようとしています。

ヨーロッパではすでに6年位前から急速に生産高が増え始め、またここ数年品質の向上が
続いています。カナダ、米国では以前からの大麻紙は、あまり品質の高いものではあり
ませんでしたが、一昨年あたりから米国市場も含めて、ヨーロッパからの技術導入による
高品質印刷用紙が生産されはじめています。

この紙は例えば名刺やパンフレット、ハガキやカード、などからプリンターやコピーなど
に使用でき、価格面でもさほど高価なものではなくなってきました。また塩素漂白をせず
耐久性の高いものになっています。手触りなども大麻特有のしなやかな感触をかんじます。

一方、木質に比べてコスト割れと言う表現のなかに、伐採林の回復や植林による、動植物
への影響の回復は入っているのでしょうか。あるいは森林伐採が進み、地球温暖化に対する
抵抗力が減る事の評価はされているのでしょうか。


10/04(水) 01:24:34 日鷲 国内自給
>あさださん
「コスト割れ」というのは、余計なエネルギーがコストに反映しているということです。
たとえばです、従来の木材紙パルプ10トン作るのに1のエネルギー単位を設定した場合、
大麻パルプだと1以上のエネルギー単位がかかった場合、その余剰エネルギーはどこから得られるのかということです。
単純に言えば、その余剰エネルギーは石油の燃焼になります。今まで1単位の石油の燃焼で得られたエネルギーが
大麻パルプを使用することにより、1以上の石油の燃焼につながるといういことです。
地球の温暖化は化石燃料の使用と、炭酸ガスの循環を行う植物との相関関係にあります。
植物による炭酸ガスの還元があったとしても、それを上回る化石燃料の使用があったら
炭酸ガスの発生抑制にはならないということです。
これではせっかくの努力も無駄になります。「コスト割れ」とはそういうことです。
そのコスト割れが無いのなら問題はありませんが、国内需給ではそれが難しいのでは、と言っているのです。

現在ユーカリより木材パルプを採っていることは私も知っておりますが、それでも
非木材パルプ(草木パルプ)のほうが有効であることは確かでしょう。ユーカリ畑を
大麻畑に代えることにより、代替パルプとしての使命を果たすことは可能かと思われます。
しかし、それも国外の耕地を用いた場合ということになります。とかくコストがかかってしまう国内では
どこまでそのシステムの改良により国内自給ができるかに対して、私は疑問をもっているのです。

現在大麻紙を輸入していらっしゃるあさださんは、国内生産できるほうがコストは安く抑えられると
仰っておりました。では現実に非木材パルプの畑(大麻畑)の耕地を国内に確保した場合どうなるか
ということが私の知りたいところだったのです。そしてあさださんのご友人の岡本氏の

>ケナフに関しては製紙連合会としての見解をもっていて以下のような
>ことから森林の代用品にはなりえないということですが、産業用大麻
>に関してはなんの見解もありません。

という見解から、(これはあくまでもケナフに関してですが)代替品とは成り得ないのではないだろうか、
という意見から「コスト割れ」つまり「余剰エネルギーの使用」という結論しか得られないのかと思ったわけです。
であるのなら、国内の非木材パルプの使用となると、中国などのコストの低い(エネルギーの使用が少ない)地域からの
非木材パルプに依存するしか無いのかということをお伺いしたかったわけです。
そうなると、非木材パルプの使用により森林伐採は抑えられますが、国内での自給は断念せざるを得ないということになります。
つまり、私の聞きたかったこととは、日本国内で非木材パルプの原料となる大麻畑は
実現できないのだろうかということです。

10/04(水) 02:26:21 あさだ 農業
そうですか、エネルギー収支についての意見ですね。その場合単位面積あたり収量とか
運搬に使われるエネルギーの問題なども含まれるので、簡単なシミュレーションでは
終わらないので、今後の研究にまかせるとしましょう。
ただ忘れてはならないのは、日本では歴史的に大麻を各地の特産品として生産していた
と言う事です。
大麻の栽培は日本の農業にとって、重要なチャンスだと思います。

しかしこの日鷲さんの御意見の後半はエネルギー収支よりも、生産コストのほうに論点が
移っている様ですね。
生産コストに関しては、現状では海外産に軍配をあげるしかないでしょう。
もちろんまだ日本では、量産すらできません。免許の取得がむずかしいのが第一の原因
です。

10/04(水) 02:49:08 日鷲 生産コスト
生産コストと環境論は切っても切れないと思います。私は儲からないのなら意味がない
と言っているのではなく、産業として成り立たないと根付かないと言っているのです。
たとえばペットボトルのリサイクルですが、1本の再生ペットボトルを作る場合
(これは再生ペットボトル一本分から作られる製品を言うのですが)
そのために4本のペットボトルを生産するのと同じコスト(エネルギー)がかかると言われています。
何度も言うようですが、コストとエネルギーは同一に消費されます。ということは
ペットボトルのリサイクルは破綻を来すという危険性を孕んでいるわけです。
産業という循環に合わないので有れば、それすなわち環境悪化に通じることにもなります。
採算が合わない=コスト割れ=余剰エネルギーの使用=環境破壊、ということです。

私だってこの日本の土地に、青々と茂った大麻畑を見てみたい(ま、有るには有りますが)。
しかし、それが現実的でないのなら、感情論だけでそれを実現させても、結局消える運命にあります。
農家は私の希望を叶えるために大麻を栽培してくれるわけもなく、農家の人達の生活のために
それを行うわけなのですから。