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2005年11月2日(12月6日更新)
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12月5日にカンナビストは日弁連に「大麻問題」に関し人権救済申立を行います |
カンナビスト運営委員会 |
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・12月5日に人権救済申立を行いました(12月6日)
・大麻問題について、みなさんの意見を日弁連に届けます(11月17日)
・申立書の提出・広報活動に参加してください(11月14日更新)
・申立人の署名を募集しています
12月5日、カンナビストの仲間は、東京霞ヶ関の弁護士会館で、日弁連に人権救済申立を行いました。最終的な申立人の数は1,256名となりました。
快晴の爽やかな日でもあり、日比谷公園に集合した後、東京地裁、霞ヶ関駅周辺で大麻問題への理解を訴えるカンナビス・ニュースの号外を配布しました。この日は、遠方から駆けつけてくれた仲間も一緒に参加しました。
そして午後1時すぎ、全員揃って弁護士会館15階で申立書、資料、申立人署名などを担当者に提出しました。提出した文書はカバン一杯の分量になっていました。
その後、再度、広報活動を行い、一日の行動を終えました。
この間、署名をはじめいろいろな形で協力してくれた全国の方々に感謝します。
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霞ヶ関・弁護士会館ビル
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担当職員に申立書を提出 |
申立書・資料について説明 |
■当日配布したチラシ(カンナビス・ニュース号外)
12月4日から10日までの「人権週間」には、全国各地で講演会の開催や街頭啓発などの啓発活動が行われます。
この人権救済申立に関するチラシをダウンロード・印刷して、地元の人権週間の催しなどで配ったり、お店においてもらうなどして活用してください。すでに12月4日(日)には札幌でボランティアの仲間たちが札幌駅前通り三越前でこのチラシを配り、好感触だったという報告を受けています。
こうした活動を通じて、大麻問題は人権問題であることを一人でも多くの人に知ってもらえることを願っています。
支援活動の呼びかけ──公募の申立人は1215人になりました(2005年11月14日付け) |
■活動の趣旨
12月5日(月)、カンナビストは日本弁護士連合会に人権救済申立を行います(注1)。1948年12月10日、第3回国連総会で「世界人権宣言」が採択されたことを記念し、12月10日は「国際人権デー」に定められています。そしてこの日をさかのぼる1週間は人権週間になっています(注2・3)。
この申し立てに合わせた広報活動も予定しており、人権週間の期間中にこうした一連の活動を行うことにより、より多くの人たちの関心・理解が得られることを期待しています。この活動に理解、共感してくれる人たちに以下のような呼びかけをします。
■活動の内容
カンナビストは11月に法務省、および法制審議会・刑事法(財産刑関係)部会委員に「罰金刑の新設に関する要望」を提出しました。これは法務省で検討している刑法の整備に関連して、大麻取締法に罰金刑を復活させるよう求めたものです。
http://www.cannabist.org/database/moj200510/20051021.html
http://www.cannabist.org/database/moj200510/20051028action.html
この請願は、大麻問題に関心のある人たちの中での議論や一般市民への啓蒙活動、マスコミの報道に対する意見提出といったこれまでの活動の枠を超えて、具体的に国(法務省)に大麻取り締まりの是正を求めたものであり、大麻問題を巡る局面を一歩前進させたといえます。
これを踏まえて、次の展開として人権救済申し立てを行います。わたしたちは、このような請願や申し立てが認められるべきであると考えていますし、それを願っています。それと同時に、こういった活動の積み重ね、実績によって大麻問題の社会的な認知、合意形成が生み出されていくことに大きな意味があると捉えています。
「人権」というと何か難しい概念や理屈の話ではないかと思われる方もいるのではないかと思います。人権とは何か、簡単に言って辞書には「人間が人間として生まれながら持っている権利」とあります。それは、性別や年齢、仕事、地位、国籍、体格、趣味嗜好と人はそれぞれ違うのですが、どんな人でも人間である限り、その人のものとして認められた自由という言い方ができるかと思います。
何が人権であるかの判断は、人間はみな同じように平等であり、不当な、理不尽な状況にある人がいたらそれは間違っているのではないかと誰でも感じる道理、人間の良心に基づくものです。だから予め○○は人権として認めるが、△△は人権でないというように形式的に定められたものではありません。
国(法務省人権擁護局)は、これまでの差別問題や人権侵害に加え、新たに「子供の人権」、「外国人の人権」、「HIV感染者やハンセン病患者等に対する偏見をなくそう」、「刑を終えて出所した人に対する偏見をなくそう」、「犯罪被害者とその家族の人権」、「性的指向を理由とする差別をなくそう」、「ホームレスに対する偏見をなくそう」、「性同一性障害を理由とする差別をなくそう」といった課題を取り上げています(注4)。
これまでは必ずしも人権問題だとは見なされていなかった問題、新しい人権問題など、人権の問題は時代とともに変化しています。そして、ここが要(かなめ)だと思うのですが、それが未だ人権の問題だとは見なされていない場合、まず人権が侵害されているのだということを誰かが声を上げて訴えなければ、社会の多くの人々は気づかないということがあります。大麻問題はまさにそういった問題だと思います。
大麻問題は人権問題である──なぜなら、それほど有害性のないものを過剰に厳しく取り締まっている大麻取締法は憲法違反ではないかというのがわたしたちの一貫した主張です。別の言い方をすると、大麻を吸う(持つ・栽培する)ことは、逮捕され、拘留、懲役刑を科せられるといった、国家によって身体的な拘束を受けるに値するほどの重罪ではないということです(誤解のないように、大麻を吸う(持つ・栽培する)ことを権利として認めるべきだと言っているのではありません)。
このような考え方に基づいて、世界の主要な先進国がそうであるように大麻の非犯罪化を日本においても実現すべきであると訴えるものです。
これまで何十年もの間に大麻=危険な乱用薬物といった誤解や偏見が築き上げられ、それに基づいて取り締まりが行われてきました。その誤解や偏見を改めるのは、長年にわたり人々に植え付けられた意識を変えることであり、一朝一夕にはいかないかもしれません。
しかし、わたしたちの主張は、世界の大勢であり、科学的にも正しく、人道的にも道理のあることなので受け入れられるようになるのは時間の問題だと思われます。もちろん、その間にも大麻で逮捕される人たちが出てしまうわけですから、その時間が、遠い将来であるよりは、少しでも早い時期である方が望ましいのは言うまでもありません。
わたしたちは、公的な土俵でこの問題が議論されるように意見を積極的に提起していくことが求められています。そういった一歩一歩の積み重ねにより、世の中を変えていきたいと考えています。
今回の人権救済申立は、これまで世間では100%法律にかなった適法なものだという捉え方をされてきた大麻取り締まりに対し、憲法に基づいて異議をはさむものであり、日弁連に書面で申し立てを行うことの社会的意義を第一に考えています。大麻問題でこのような申し立てがなされることの社会的・政治的影響は大きなものがあります。
■申立書の提出・広報活動に参加してください(11月14日更新)
12月5日には日弁連に申立書を提出するとともに、日弁連・東京地裁・法務省・厚生労働省などがあり、司法関係者や国の職員らが集まる霞ヶ関一帯で、大麻問題を訴える広報活動も予定しています。
当日、弁護士会館(日弁連のあるビル)に一緒に行き、申立書や全国から集まった申立人の署名(1215名/11月14日現在)を手渡しします。大麻問題の訴えが多くの人々の願いであることを一緒に行くことで示しましょう。
広報活動は一緒に参加している仲間の数が多い方が、より大きなインパクトがあります。この日は平日ですが、大麻問題の切実さを訴えるためにも、一人でも多くの方の参加を求めています。ぜひ今から予定に入れておいてください。
詳細な行動スケジュールは決まり次第、公表していきますが、集合時間・場所は以下の通りです。午前11時から夕方くらいまでの行動となりますが、一部なら参加できるという方も大歓迎です(途中からの参加になる場合は事前にカンナビスト事務局にメールで連絡していただくか、当日カンナビスト携帯まで連絡してください)。
○集合時間・場所など
集合時間:午前11時(雨天決行)、だいたい午後4時ごろまで。
集合場所:日比谷公園(日比谷公園の霞門(かすみもん)のあたり)
地下鉄丸ノ内線・千代田線「霞ヶ関駅」B1出口に一番近い公園入口です。霞門は、ちょうど道を隔てて弁護士会館が目の前にあります。目印として当日、配布するビラを手にしています。
日比谷公園の地図≫
当日の連絡先:カンナビスト携帯(090-7213-6917)
この件に関する質問など:カンナビスト事務局 info@cannabist.org
■大麻問題について、みなさんの意見を日弁連に届けます(11月17日)
日本弁護士連合会への人権救済申立て提出は12月5日です。この日、カンナビストは、申立書や資料、申立人署名などを手渡しするため東京霞ヶ関にある弁護士会館に赴きます。そのときに、大麻問題についてこんな意見がある、こんなことが言いたいという多くの人たちの意見も一緒に添付資料として渡したいと思っています。
この問題に関心のある全国のみなさん、会員・非会員を問いません、ご自分の意見をメール・FAX・郵便などでカンナビスト事務局に送ってもらえれば、それを申立書と一緒に提出したいと思います。
司法関係者に、大麻取締法、あるいは大麻取締りでこんな困ったことが起きている、理不尽なことがあった、まわりでこんなことが起きた、自分はこんなふうに思っている……そういう肉声を伝えませんか(逮捕された経験とか、そういう直接的な話でなくてもかまいません)。自分が意見を公の場に(この場合は、日弁連に)出すことが、大麻問題を解決していく力になります。積極的に関わってみませんか。
字数とか書式は問いません。氏名はできれば記入してください(匿名希望の場合は、その旨、書いてください。住所などは記入しなくてもかまいません)。プライバシーは厳守いたします。
※メールの内容・情報は弁護士法により守られます。外部に内容・情報が漏洩することはありません。
○期限:12月2日まで
○送り先:カンナビスト事務局
メール info@cannabist.org
FAX 03-3706-6885
郵便 〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2-6-19-101
※意見書・メールの受付は終了しました。ご協力、どうもありがとうございました。
■申立人の署名を募集しています
昨年、申立人に名前を連ねてもらえる署名を集めましたところ1197名の申立人が集まっています(2005年11月2日現在)。このように多くの人々が、現在の大麻取り締まりの見直しを求め、申立人になっています。
また、提出前日の12月3日までメール、ファックスでカンナビスト事務局まで署名をお送りいただければ申立人になれます。郵送の場合は、3日必着でお願いします。
※申立人の署名の受付は終了しました。たくさんのご協力、どうもありがとうございました。
12月5日の申し立てを前に、今後、随時、新たな情報などお伝えしていきます。
(注1)日弁連の人権擁護委員会の活動について
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/katsudo/jinken/jinken.html
(注2)人権デー・人権週間について
「1948年(昭和23年)12月10日,国際連合の第3回総会で世界人権宣言が採択されました。その日を記念し,国際連合は,毎年この12月10日を「人権デー」として,加盟国などに人権思想の啓発のための行事を実施するように呼びかけています。
日本では,毎年12月4日から10日までを「人権週間」と定め,講演会の開催や街頭啓発など,全国的な啓発活動を展開しています。」(法務省人権擁護局)
(注3)世界人権宣言(仮訳文/外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html
(注4)第56回人権週間について(法務省人権擁護局)
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03-01.html
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