2004年11月15日に大麻取締法違反の容疑で逮捕された株式会社文藝春秋のカメラマンに対して、懲戒解雇という処分がなされたことは人権に対する配慮に欠けたものであり撤回を要望する下記の手紙を文藝春秋社の代表者等宛に送りました。
請 願 書
株式会社 文芸春秋
代表取締役社長 殿
法務・広報部殿
2004年11月23日
カンナビスト運営委員会
東京都世田谷区桜新町2-6-19-101
要旨
11月15日に大麻取締法違反の容疑で逮捕された御社カメラマンY氏(原文は実名)に対し、懲戒解雇という処分を決められたことは、人権に対する配慮に欠けたものであり、人権擁護の立場から処分の撤回を要望いたします。
理由
欧米の研究機関などによる最新の科学的研究の結果を見ると、大麻はアルコールやタバコほど有害ではないことがもはや疑いのない事実として認められており、世界の主要先進国に於いても大麻の個人使用を容認する動きが進んでいます。大麻を使用することによる心身、及び社会に対する影響と比較して、現在の大麻取締法で定められている刑罰はあまりにも重く、これは公権力による人権侵害であるともいえます。
日本では毎年、2000人を越える人々が大麻取締法により逮捕され重い刑罰や社会的制裁を受けています。このような状況は、大麻を使用することよりも大麻を取り締まることにより生まれる弊害の方が大きいという矛盾した事態を生じさせています。それに対して日本においても、大麻の少量の所持や栽培について刑罰の軽減化を求める声が出てきています。
またこのように社会的に意見が対立している問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、偏見にとらわれない公正・中立な視点を貫くことが、報道機関の原則であると理解しております。
マスコミの中でも大手出版社という立場であられる御社に対して、わたしたちは偏見にとらわれない公正・中立な視点から、そして外圧や心ない非難に左右されずに「大麻問題」を捉えていただけるよう期待しています。
「大麻事件で逮捕=解雇」という安易な対応は、当事者である社員の生活・将来を含め人権への配慮を欠くうえ、大麻事件の被疑者に対して加えられている過度の社会的制裁を助長するものであります。また、法治国家に於いて被疑者に対し裁判の判決の前に処分が下されることは推定無罪の原則に反するものです。
今回の事件に関しても、上記に述べたような問題について十分ご検討のうえ、人権に配慮した対応をなさるよう、お願いいたします。
カンナビストについて
カンナビストは大麻の個人使用の「非犯罪化」(刑罰の軽減化)を目指して活動している非営利の市民団体です。
設 立:1999年7月1日
会員数:3,278人(2004年11月22日現在)
ホームページ http://www.cannabist.org/
カンナビストは、科学的に見てアルコ?ルやタバコと比較しても有害とはいえない大麻に対して、現行の大麻取締法に基づく取締りや刑事罰、および社会的制裁は不当に重く公権力による「人権侵害」であるとの主張に基づき、大麻の個人使用の「非犯罪化」を提案しています。
カンナビストでは、大麻に対する誤解や社会的偏見を正すことに主眼を置き、インターネットによる情報提供、ニュースレターの発行、定例会の実施、各種イベントへの参加をはじめとする啓蒙活動などを行っています。
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