マリファナにまつわる神話と真実 [目次] [前へ] [次へ]

16. 体内でのマリファナの残留

【神話】

 マリファナの有効成分であるTHCは体内の脂肪に残り続ける。THCは脂肪細胞からゆっくりと放出されるため、使用後数日から数週間にわたり向精神作用が残る可能性がある。THCが体内に長期間残存することにより、脂肪を多く含む器官、その中でも特に脳に損傷を受ける。

「THC分子は非常に活発であり、よからぬことをたくらみ核や細胞の脂肪膜壁からにじみ出ては細胞分裂の化学工程を混乱に陥れる」
---通信連絡委員会1994年3月)

「カンナビノイドは脂肪細胞に蓄積する。…脳の3分の1は脂肪からなっているため、慢性的なマリファナ喫煙者の脳は、…無数の軸索が常にTHCに取り囲まれている」
---ペギー・マン『マリファナ警報』(1985年)

「脂肪にしか溶けないカンナビノイドは体内の脂肪組織に蓄積される。…週に1回以上マリファナを使用している者は、…ドラッグの影響から逃れられない」
---ニューヨーク大学医学センター、ガブリエル・ナハース医学博士(1979年)

「たとえ月に1度しかマリファナを使わない人でも、脳、肺、肝臓、そのほかの生命維持に必要な組織がTHCの有毒な影響にさらされ続けることになる」
---ロバート・デュポン『ゲートウェイ・ドラッグを厳しく取り締まれ』(1984年)


【事実】
 数多くのドラッグが身体の脂肪細胞に侵入する。THCは脂肪細胞からゆっくりと出ていく点がほかとは違っている(ただしTHC特有の性質ではない)。その結果、摂取後、数日から数週間にわたって体内にマリファナの痕跡が確認できる。しかしながら、脳内のTHCの量はマリファナを喫煙してから2時間から3時間以内には向精神作用に必要な濃度以下にまで下がる。THCが居残る脂肪細胞はドラッグの存在により害を受けることはない。脳やほかの臓器についても同じことが言える。マリファナがゆっくりと排泄されることによる最も大きな影響は、向精神作用がなくなった後でも長期間にわたって血液、尿、組織からTHCが検出可能なことである。
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