カンナビス・ニュース バックナンバー
2002.01〜2002.12

ヘッドライン目次
RAND研究所がゲートウェイ理論を否定---マリファナ取締りの正当性が揺らぐ
マリファナの喫煙が肺に与え得る悪影響は、自由な社会において個人が選択できる範囲内
2002年アメリカ中間選挙総括---不本意な結果から得られたこと
大麻を合法化し、管理すべきだ---カナダ上院特別委員会の報告書から
コロンビア大学の調査結果−非犯罪化されたマリファナ市場を適正に管理することにより、未成年や子供によるマリファナ使用の低減に繋がる可能性がある
カリフォルニア州最高裁判所の判決 - 医療マリファナを使用する患者たちは、処方された他の医薬品を使用する患者達と同等の法的保護を受けることができる
国連薬物統制計画(UNDCP)の報告書---147万人がマリファナを日常的に使用
英国政府がマリファナ所持による逮捕を廃止するという方針を再発表
医療マリファナが連邦議会で話題の中心に---NORMLが歴史的な法案H.R.2592に関する記者会見を行った
研究結果---大麻の有効成分が睡眠時無呼吸症候群の改善に劇的な効果
カナダ法務大臣、マリファナの非犯罪化を呼び掛ける---「現行の規制は効果がみられない」
職場でのドラッグ検査が、カナダ人権委員会により人権法違反と判定される
研究結果 --- 妊婦によるマリファナ使用と神経行動的障害との間に関連は見られない
マリファナの非犯罪化以降ロンドンでの路上犯罪が半減
英国下院がマリファナ再分類を支持 --- マリファナの有害性に関する「誇張」を止めるべきと下院特別委員会がコメント
カナダでのIQ調査結果 --- 過去の大麻使用は知能に悪影響を及ぼさない
研究結果 --- 大麻の自動車運転能力への影響は微小
調査結果 --- カジュアルなドラッグの使用は有害性が低い
米国麻薬取締局が医療マリファナ患者や供給者へのテロ攻撃を継続
ジャマイカ政府議会がマリファナの非犯罪化について熟考
がん患者に対するマリファナの鎮痛効果を評価する試験がイギリスで開始される
ブラジル大統領がマリファナおよび他のドラッグを非犯罪化する画期的な法案に拒否権を発動

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RAND研究所がゲートウェイ理論を否定---マリファナ取締りの正当性が揺らぐ
2002年12月3日(ワシントンDC、アメリカ)
 アメリカの国家安全保障戦略や先端科学技術政策に重要な役割を果たしているシンクタンク、RAND研究所が2002年12月2日に公表した調査結果で、若者によるマリファナの使用はハードドラッグ濫用に繋がらないことが示された。この結果として、マリファナがハードドラッグ使用のきっかけになるとする、いわゆる「ゲートウェイ理論」が否定されるとともに、それを根拠としている取り締まり政策の正当性が揺らぐことになる。RAND研究所公安法務部次長のアンドリュー・モーラル上席研究官は「これまでゲートウェイ理論は通説として広く受入れられてきたが、科学者たちは常に懐疑的であった。今回の分析は、その疑問が正しかったことを示した」とコメントしている。
 今回の研究ではまず、アメリカ政府が実施した薬物濫用に関する世帯調査のデータを細かく分析した。その結果、ハードドラッグを使用しているティーンエイジャーたちにはマリファナ経験の有無とは関係なく、もともとハードドラッグを使用してしまう素因があると結論付けた。
 モーラル上席研究官は「素因としてハードドラッグを使用しやすい傾向をもっており、さらに実際にドラッグを手に入れやすい環境にある者は、マリファナとハードドラッグの両方を使用する可能性が通常よりも高い。その際、まず最初にマリファナから始めるというのが典型的だが、これは単にマリファナが最も手に入れやすいドラッグだからに過ぎない」と、データが示す事実関係について述べ、「これらの事実をRANDのデータ分析用数学モデルに組み入れてみると、若者によるドラッグ使用状況の実態を示しているに過ぎない情報が、いかにしてゲートウェイ理論の根拠として使われてきたのかを全て説明できる」と語っている。
 モーラル上席研究官は、マリファナがゲートウェイドラッグだという「間違った前提」を基に方針が決定されているアメリカのドラッグ政策に対して、今回の分析結果はその正当性に重大な疑問を投げかけるものだと説明している。「例えば、マリファナの供給を断つことを目的とした施策は、ハードドラッグ問題の解決にはまったく効果がないという事を、この分析結果は示唆している」
 NORML財団代表(エグゼクティブ・ダイレクター)アレン・サン・ピエールはRAND研究所の分析結果を称えた上で、これまでの統計からも、ほとんどのマリファナユーザがハードドラッグに移行しないことが示されていることを付け加えている。「統計的に見ると、104人のマリファナを経験したことのあるアメリカ国民の内、コカインを使用している者は1人だけだ。ヘロインに関しては、もっと少ない」と説明し、「マリファナユーザの大半にとって、マリファナは『終点』であり、『入り口(=gateway)』ではないのだ」と主張する。
 さらにサン・ピエールは、マリファナユーザーのうち少数はハードドラッグに移行していく場合があるということについて、それはマリファナ自体に問題があるわけではなく、マリファナがハードドラッグと同様に取り締まられており、同じ「違法ドラッグ」として、しばしば同一の供給元から提供されていることに原因があると推測している。「マリファナのほかにハードドラッグも入手できる環境に置かれ続けていると、マリファナユーザーがハードドラッグも試してみようとする可能性はそれだけ高くなる」という。
 過去にゲートウェイ理論を否定した調査では、2002年にカナダ上院で発表されたレポートの他に、米国科学アカデミーの付属機関である医学研究所(IOM:U.S.National Academy of Sciences Institute of Medicine)が1999年に発表した「IOMレポート」がよく知られている。
(出典:NORML News Archives)
RAND研究所のプレスリリースの内容は下記のリンクからご覧になれます:
http://www.rand.org/hot/press.02/gateway.html
IOMレポートの概要は下記のリンクからご覧になれます:
http://www.matsuri.net/cannabist/database/cnews/cnews00102.html
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マリファナの喫煙が肺に与え得る悪影響は、自由な社会において個人が選択できる範囲内
2002年11月14日(ワシントンDC、アメリカ)
 英肺財団(BLF)により、マリファナの煙がタバコの煙と比べ有害性が高い可能性があるとする報告書が発表された。NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープによると、この報告書は、長年の期間にわたり臨床で蓄積されてきた、大麻の喫煙者が非喫煙者と比べ肺がんになる確率が高くないことを示すデータをくつがえすものではない。
 ストロープは「そもそもマリファナの喫煙により、肺がんの発症率が高くなることを示す疫学的、もしくは総計的な臨床データが存在していない」と述べ、根拠として2000年5月にJohn Hopkins大学(ボルティモア、メリーランド州)により発表された、若者の間では頭頸部、喉頭、および肺がんの発症とマリファナの喫煙に関連性がないことを示した比較調査の結果を挙げた。この比較調査は164人の被験者を対象に実施され、マリファナ使用とがんとの関連性を調べた比較調査としては最大規模のものだ。
 ストロープはさらにBLFの報告書が、このJohn Hopkins大学による比較調査結果を取り上げていないこと、また米国最大の非営利健康維持協会であるKaiser Permanenteが1997年に発表した、10年間の調査期間の間に、約14,000人のマリファナ喫煙者の死亡率が非喫煙者と比べて高くないことを示す調査結果も取り上げていないことを指摘した。
 マリファナの煙には健康に対するリスクがあるということについて、ストロープは事実のひとつとして認めている。「たばこの煙の同様に、マリファナの煙には多くの刺激性物質や、発がん性物質が含まれている。ただし、マリファナだけを喫煙する者の多くは、肺へ深刻なダメージを生じさせるほどの量の煙は喫煙していない。また、多くの刺激性物質や発がん性物質の摂取量は、現在米国内では所持が禁止されているベーポライザやその他の代替喫煙具を使用することにより、低減することが可能だ」
 また、ストロープはマリファナの有効成分であるTHCは発がん物質ではないこと、それどころかTHCには悪性腫瘍の成長を抑制する効果がある可能性についても言及した。1996年に米国政府が実施した毒性学の研究では、長期間にわたってラットにTHCが投与されたが、その結果ラットに発がんは確認されなかった。逆に、THCを投与されたラットの悪性腫瘍が成長した率をTHCを投与されなかったラットのそれと比較した場合、THCを投与されたラットの方が低いという結果が得られている。スペインのチームが2000年に実施した調査では、合成THCの注入により、脳の神経膠腫---いわゆる脳腫瘍が成長しているラットのうち3分の1が完治し、3分の1が6週間以上延命したという結果を得ている。
 最後にストロープは、BLFの報告書の中には節度ある成人のマリファナ喫煙者を逮捕したり投獄することを正当化するものは全くないと訴えた。「マリファナが与え得る健康へのリスクは、自由な社会において個人が選択できる範囲内である。我々は決して、マリファナが完全に無害であることを示唆するつもりはなく、また、マリファナが乱用されることが全くないと主張するつもりもない。これは、現在合法であるドラッグ(酒・たばこ)についても同様なことが言える。ただ明らかなことは、マリファナが比較的に個人と社会に与え得るリスクは、刑事罰として取り締まりを続け、70万人余のアメリカ国民を逮捕し続けることを正当化できるものではない、ということだ」
(出典:NORML News Archives)
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2002年アメリカ中間選挙総括---不本意な結果から得られたこと
2002年11月6日 (ワシントンDC、アメリカ)
 '02年11月5日のアメリカ中間選挙ではアリゾナ州、ネバダ州、サウスダコタ州においてマリファナ法改正発議が相次いで否決された。翌11月6日にNORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープはコメントを発表し、3つの州で連敗したことは一時的な後退ではあるが、振り返って自分たち自身を評価してみるには良い機会だと述べた。
 これら3つの州における発議は、それぞれが異なる独自の見地からマリファナ法の改正を目指すものだった。
 43%の賛成票を獲得したアリゾナ州の住民提案は、マリファナに関する軽微な違反行為の扱いを犯罪から行政命令違反へと切替え、刑事罰のかわりに罰金を課すること、また認定を受けた患者に対する医療マリファナの無償供給を州政府に命じることなどがその主な内容。
 39%の賛成票を獲得したネバダ州の住民提案「Question9」は、3オンス以下のマリファナ所持に対する一切の罰則を廃止し、成人がマリファナを合法的に管理された市場で購入出来るためのシステム整備を州政府に義務づけるというもの。
 推定38%の賛成票(全844選挙区のうち769区の結果)を獲得したサウスダコタ州の「住民提案-1」は、農家が米国内では栽培が違法な向精神作用のないマリファナ(=ヘンプという呼称で区別される事もある)を合法的に栽培できるように、州政府によるライセンス制度の制定を目指すものであった。
 州レベルでの住民投票での敗退とは対照的に、郡、市など自治体単位でのマリファナ法改正住民提案の方では、はるかに良い結果を得られた。
 サンフランシスコ市では、市行政当局の手による医療マリファナの栽培と供給を許可する法案の成立を市管理委員会に促す「住民提案-S」に対して、63%が賛成票を投じた。マサチューセッツ州議会議員選挙では19の選挙区で議員たちに対して「強制力のない誓約」という形で、マリファナ所持違反の罰則を刑事犯罪から行政命令違反へ切替える案に対して州議会で賛成することを求めた。同州の第14ウォーチェスター選挙区ではこれに加えて、同じく非拘束的誓約であるが議会で医療マリファナ使用を推進すること、また第2フランクリン選挙区ではマリファナ栽培の合法化を提案することが、それぞれ同区選出の議員たちに対して託された。
 マリファナ以外のドラッグ政策に関する住民提案でも、州レベルでの住民投票の結果は思わしくなかった。オハイオ州の「住民提案-1」は、非暴力的なドラッグに関する違反者に対しては禁固刑ではなく治療を施すようにするというものであったが、賛成票は全体の33%であった。またアリゾナ州の住民提案-302は、幾つかの非暴力的ドラッグ違反に対する保護観察処分と禁固刑を復活させることを求めるものであったが、69%の賛成票を得て可決された。
 ワシントンDCでは、幾つかのドラッグ違反に対する代替的刑罰の導入を求める「住民提案-62」が圧倒的多数で可決されたが、立法化には連邦議会の承認を得なければならない。
 NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは、昨日の結果はドラッグ法の改正を目指す者にとって多くの示唆を含んでいると述べ、またアリゾナ州やネバダ州で、過半数の有権者達が住民提案に対して反対票を投じた理由が何であったかを引き続き分析することの必要性を強調した。ストロープは語る。「今年の中間選挙では確かに、政治の風向きは保守派に向いていた。それは上院と下院の両方で共和党が議席数を伸ばした事や、またドラッグ関連ではない幾つかの進歩的な住民提案が各地で相次いで否決された事からも判断できる。
 しかしながら、特にマリファナ法改正についてある程度明確に指摘できるのは、社会の多数は医療マリファナの合法化だけでなく、個人使用のための少量のマリファナを犯罪として扱わない事にも賛成してはいるが、それ以上に拡張された、あるいはより成熟した提案、例えば州政府がマリファナの供給や管理にたずさわるといった提案に対しては、まだまだ懐疑的だということだろう。ドラッグ法改正においては、幾つかの反対派の懸念、例えばマリファナと車の運転の問題や、若者の間での使用率増加などについて論駁出来るような主張を続ける必要があると思う。なぜなら、一般有権者たちの多くが同じような懸念を抱いていることが明白だからだ」
 今回の中間選挙の不振にもかかわらず、マリファナ法改正ムーブメントに対するストロープの見通しは変わらず楽観的だ。「昨日の選挙結果は、一時的な後退であったと言える。ただ、我々の主張は達成可能なことであり、問題は乗り越えていくものだ。アメリカの一般市民は、責任能力のある成人がマリファナをたしなむ事に対して、逮捕と投獄という政府の今のやり方には反対だという点で一致しており、この核となる点について我々は今後も前進を続けていく」と、最後にストロープは締めくくった。
(出典:NORML News Archives)
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大麻を合法化し、管理すべきだ---カナダ上院特別委員会の報告書から
2002年9月5日 (オタワ、オンタリオ州、カナダ)
 特別報告:大麻はアルコールやタバコより有害性が低い---許可を受けた上で、医薬品および嗜好品としてのマリファナ供給システムが必要。
 カナダ上院の規制薬物対策特別委員会のメンバーは満場一致で、医薬品および嗜好品としてのマリファナ所持および使用を、一定の規制を設けた上で認めるように連邦法を修正すべきであると議会に対して勧告するとともに、600ページにわたる報告書を昨日発表した。   
 「科学的な証拠は疑いの余地なく、大麻が実質的にはアルコールよりも害が少ないという事を示している。大麻はこれ以上犯罪として扱うのではなく、社会あるいは公衆衛生の問題として扱うべきである」特別委員会で2年越しの調査を指揮してきたピエール・クロード・ノーリン上院議員は言う。「大麻の個人使用は、個人が選択できるべきものであって、刑事罰の対象とすべきものではない。従って我々の達した結論は、非犯罪化の次にはワインやビールと同じようにドラッグのひとつとして、国が規制を設けた上で合法化すべきだというものである」
 これ以前にも幾つかの政府によって設置された委員会、たとえば米国の「マリファナと薬物の濫用に関する全国委員会(シェイファー委員会)」、あるいは「医療目的以外のドラッグ使用に関するカナダ政府調査委員会(ル・ダイン委員会)」などがマリファナの非犯罪化を勧告した事がある。いずれの勧告も使用と所持は刑事罰対象から外すべきであるが、販売については引き続き違法とすべきだ、というものであった。ところが今回のカナダ上院規制薬物対策特別委員会の場合、恐らく政府が召集した委員会のなかでは初めて完全な合法化を勧告している。
 委員会のレポートは「カナダ社会は既に、責任を伴う手段で大麻使用の規則を運用できるに足る状態になっているというのが私たちの意見である」と結論づけている。「我々がカナダ政府に対して勧告するのは、現在の規制薬物に関する法令を修正して刑事罰の免除規定を設けること、その規定において大麻の生産と販売を認可制にすること、16歳に達した者であれば大麻およびその製品を、課税販売許可証を交付された販売センターで買うことが出来るようにすることなどである」
 委員会はまた、個人使用のためのマリファナ生産に対しても同様の免除規定を設けること、現行法および過去の法律にもとづいて大麻所持により有罪判決を受けた者に対する恩赦適用を求めている。委員会の調査によればカナダの薬物事犯のうち半数以上がマリファナによるものだという。カナダ一般市民のうち30%はマリファナ使用経験があり、おおよそ50%の高校生が過去1年間のうちにマリファナを使用した事を認めている。「こうした若年層および若い成人による大麻使用の傾向を見る限り、現在の政策は効果がないという事を認めざるを得ない」とレポートは締め括っている。 
 医療目的でのマリファナ使用とその際の規則について、委員会はマリファナの吸引が慢性の体の痛み、多発性硬化症などを含む様々な病状に対して「明白な治療効果がある」と裁定した上で、カナダ保健省に対して医療マリファナの使用資格、マリファナの生産および販売に関する新たなルールを整備するよう勧告している。カナダは昨年、許可を受けた患者による医療マリファナの使用と栽培を合法化したが、マリファナ供給システムに関する規則を確立する公約については、履行していなかった。
 その他に委員会がレポートで言及している調査結果は以下:

  1. マリファナはハードドラッグ使用へのゲートウェイではない。
    ---「大麻それ自体が他のドラッグ使用の原因になっていない。この点から我々はゲートウェイ理論を否定する」

  2. マリファナの使用は犯罪行為を誘発しない。
    ---「大麻それ自体は非行や犯罪の原因にも、暴力行為の原因にもなっていない。」

  3. マリファナユーザーが依存に陥る可能性はほとんどない。
    ---「大多数のユーザーには依存に陥る危険性の兆候が見られない....マリファナ経験者のうち大多数は、その後に継続的なユーザーとはならずにマリファナの使用を止めている。過剰なマリファナ使用はカウンセリング治療が必要な精神的依存に陥る可能性があるが、マリファナに対する依存が発生することは、アルコールやタバコその他の向精神作用のある物質と比較して稀であり、またその依存の度合いも深刻ではない」

  4. マリファナの使用は自動車の運転に際してほとんど影響しない。
    ---「マリファナ単独の使用は、とりわけ軽いストーンの状態では、自動車の運転に関する能力にほとんど悪影響を及ぼさない。マリファナによって通常よりも用心深く運転するようになる。マリファナはある事柄を判断するのに要する時間の長さや、精密に運転する能力などに対して悪影響を及ぼすが、それら効果によって、マリファナの影響下にあるドライバーが交通安全上のリスクの元凶となるということではない」

  5. マリファナの自由化によって使用者数が増加する可能性はほとんどない。
    ---「マリファナに対し寛容的な政策を導入した諸外国のデータをみる限り、長期的な視点でマリファナユーザー数の増加は見られない。我々の出した結論として、政府の政策はマリファナ使用の傾向に対してあまり影響しておらず、これら各国の多様な状況を説明する上では何かもっと込み入ったもの、あまり良く解明されていない要因による影響の方が大きいと考えられる。」

  6. マリファナの禁止は、マリファナの使用よりはるかに大きな保健上のリスクをもたらす。
    ---「マリファナの禁止を続けることは、マリファナそれ自体あるいは管理されたマリファナ市場取引の存在と比較して、はるかに大きな度合いでカナダ国民の健康と快適な暮らしを脅かすものであり、またマリファナを犯罪として扱うことは『権利と自由のカナダ憲章』に規定される基本的な価値をないがしろにしていると我々は信じる」


今回の委員会レポート「マリファナ:カナダ公共政策における我々のスタンス」の全文(英語)は、下記よりオンラインで入手できる。
http://www.parl.gc.ca/illegal-drugs.asp
また、米国連邦政府によって招集された委員会のレポートは下記にて参照可能。
http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=3382
(出典:NORML News Archives)
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コロンビア大学の調査結果−非犯罪化されたマリファナ市場を適正に管理することにより、未成年や子供によるマリファナ使用の低減に繋がる可能性がある
2002年8月20日 (ワシントンDC、アメリカ)
 全米薬物依存センター(=CASA)が、コロンビア大学にて発表した全国調査の結果によれば、子供達にとってマリファナの入手は、タバコやアルコールの入手より簡単であるという。今回の結果はこれまでの調査の中で初めて、未成年によるマリファナの購入がタバコや酒よりも簡単であるという事を明らかにした。
 NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープはこの調査結果がマリファナ規制の失敗を如実に示していると述べるとともに、適正に管理された、犯罪とは切り離されたマリファナ市場の必要性を指摘した。
 「たとえ何十億ドルもの費用を費やし、年間734,000人ものアメリカ人を逮捕することでマリファナ規制法を守るよう強制したところで、最も基本的かつ重要であるはずの『子供達をマリファナから遠ざける』という目標が達成できないのであれば、規制は失敗しているということだ」とストロープは言う。
 「ティーンたちにとってタバコや酒---どちらも合法で、管理されているが---を購入するよりも、マリファナを買うほうがずっと簡単だという事実は、しかるべく管理されたマリファナ市場を確立することの重要性をはっきりと示している。その為にはマリファナ購入に年齢制限を設ける事と、21歳以下の未成年に対してマリファナを販売した者に対する厳しい罰則規定が必要だ」
 ストロープは、「仮にネバダ州で発議Question9が住民投票により是認された場合、成人によるマリファナ個人使用に対する刑事罰、行政罰がともに廃止されるとともに、管理されたマリファナ市場が誕生したことになる」とコメントしていた。
 Question9の中で示されている条項は現在のマリファナ政策と違い、警察の人的資源をより深刻あるいは暴力的な犯罪に対処できるように解き放つものであり、また21歳以下の子供達がマリファナを手に入れるチャンスを減らすものである。今回の薬物依存センターによる調査結果から判断すれば、こうした新しいマリファナ政策の登場はむしろ遅すぎたと言える。
 34%のティーンがマリファナは酒やタバコより簡単に手に入るといい、3分の1を越える子供達は2-3時間もあればマリファナを買ってくることが可能だという。なお比較として、タバコを簡単に買ってくることが出来ると答えた若者は31%、ビールの場合は14%という回答だった。
(出典:NORML News Archives)
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カリフォルニア州最高裁判所の判決 - 医療マリファナを使用する患者たちは、処方された他の医薬品を使用する患者達と同等の法的保護を受けることができる
2002年7月24日 (サクラメント、カリフォルニア州、アメリカ)
 医師の監督のもとで医療マリファナを使用するカリフォルニア州の患者たちは、その他の合法的な医薬品の所持を法的に認められている患者と同等に、州法による法的保護を受けられる権利を有しているとする判決が7月19日、カリフォルニア州最高裁判所が満場一致で結審した。この判決は、プロポジション(=住民提案)215号「マリファナの医療目的での使用に関する法令」の適用範囲についてカリフォルニア州最高裁判所が初めて言及したものであり、この1996年の法令が裁判において医療上の必要性を主張する被告にとって一つの「積極的抗弁(*1)」に過ぎないとする警察当局の主張に対して反駁するものである。
 「その条文の文言および本旨に照らし合わせて、住民提案215号は被告に対して限定的な刑事免責を認めている。それは単に被告自身の立場を『許可を受けた患者本人、あるいはその主介護者』として保証するものに留まらず、そこからさらに一歩進んで、被告が有罪であるという事を確信させるに至る妥当かつ相当な理由が欠落しているという点を根拠として、起訴事実及び起訴に至る前提情報そのものが無効とする事で被告自身の法的立場を保証し得るするものだ、と解釈されるのが妥当である」
 NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは住民提案215号を承認した裁判所の決定を、カリフォルニア州有権者の意図が認められたものとして称賛し「州最高裁はこの法令が意図するものを正しく認め、支持している。つまり、カリフォルニア州において認可を受けた医療マリファナ使用者に対して手出しするなという事だ」とコメントしている。
注釈
(*1 積極的抗弁、積極的防御:被告が、原告の申立事由を否定するだけでなく、原告の請求をさまたげる新たな事実を主張すること)
(出典:NORML News Archives)
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国連薬物統制計画(UNDCP)の報告書---147万人がマリファナを日常的に使用
2002年7月3日 (ニューヨーク、アメリカ)
 国連薬物統制計画(UNDCP)が最近発表した報告によれば、マリファナの使用はヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、オセアニアで増加傾向にあり、さらに違法売買は世界中で劇的に増加中であるという。
 「1999年以降、マリファナの違法売買は世界中のあらゆる地域で著しく増加しており、これは世界規模でマリファナの使用が増加している事と比例関係にある」と報告書は述べている。また、全世界におけるマリファナの押収量は1998年と比較しておよそ50%増加、今日、年間押収量は推定4,500トンにものぼるという。うち半数以上が北アメリカ--おもにメキシコ--で、ほぼ4分の1が南アメリカで押収されている。報告書によれば、アメリカ合衆国内での押収量は全世界のわずか5%に過ぎない。
 マリファナは世界中で最も広く使用されている違法薬物であり、日常的に使用していると推定される人口は147万人にのぼると報告書の作成グループは述べている。この報告書の記載によれば、国民の人口比で最もマリファナ使用率が高い国々はパプア・ニューギニア(全人口の29.5%)で、次いでミクロネシア連邦(同29.1%)、ガーナ共和国(21.5%)、セントビンセント&グレナディーン諸島(18.6%)、南アフリカ共和国(18.4%)などである。
 国連薬物統制計画(UNDCP)は下記からオンラインで参照可能:
http://www.undcp.org/global_illicit_drug_trends.html
(出典:NORML News Archives)
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英国政府がマリファナ所持による逮捕を廃止するという方針を再発表
2002年7月11日 (ロンドン、イギリス)
 7月10日に英国政府当局が、マリファナを再分類することを公式発表した。実現された場合、マリファナの所持が「逮捕に相当する法律違反」から除外されることになる。これは、昨年の晩秋にブランケット内務大臣が中心となって、英国での大麻取締法の緩和が提案されてから、期待されていたものである。
 内務大臣は「現在のマリファナのクラス分類(クラスB)は、マリファナそのものによって引き起こされる危害と比較して、不釣合いである。我々は、もっと深刻な害のある他のドラッグへの対策に力を注ぐとともに、若者達に対しては信頼される情報を与えていかなければならない。従って、議会に対し、マリファナを現在のクラスBからクラスCへと分類することを要求したのだ」と語った。
 英国の法律では、クラスCには違法薬物のうち最も危険の少ないものが分類される。法律の上ではクラスCドラッグの所持も最大で2年の禁固刑となり得るが、現実にはイギリスでは少なくとも禁固5年以上に相当する法律違反しか逮捕の対象になっていない。今年の初めには下院議会と薬物濫用防止委員会(ACMD)も、マリファナの所持を「逮捕に値しない程度の違法行為」へと格下げすべきであるとの勧告を発表している。
 NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは、実現されつつある政策の見直しを評して「正当で、かつ良識な取組みであり、英国の薬物政策はその重点を本当に深刻な危害をもたらす薬物へと移すことができるようになる」と述べた。
 ブランケット大臣は今回、英国の新しいマリファナ政策が2003年7月までに正式に制定されることを期待していると述べた。これは当初マスコミ等で報じられた、行政命令という形をとって今年中には大麻取締法改正を実現させるとしていた大臣の主張からすれば、実施の先送りという事になる。当座の間は、既にロンドンのランベス行政区で試行されているマリファナ非犯罪化プロジェクトをロンドン全域へと拡大させる事で対処するものと思われる。
 5月のBBC報道では、ランベス行政区では警官がマリファナ所持違反者に対して「口頭での警告」のみに留めるようになって以来、区内での路上強盗や恐喝の件数が50%近くも減少したと報じている。さらに内務省によれば、このマリファナ非犯罪化プロジェクト試行によってハードドラッグ売人の検挙数は19%アップし、警官の実働時間が延べ1,300時間以上も節約されたという。
 ブランケット大臣は先日の声明において、クラスCドラッグの供給(販売)の罪で逮捕された者に対する罰則を現行の懲役5年以下から14年以下に引上げることも検討してると述べ、単なる緩和一辺倒ではない点についても主張した。オランダでは合法的に運営されている、いわゆるコーヒーショップの類の店を英国でオープンする事は、今回導入する新政策のもとでは許可しないつもりだと大臣は発言している。
 英国でまもなく実施されようとしている政策は、米国において少量のマリファナ所持および使用を逮捕や禁固刑などに相当する刑事犯罪の対象から既に除外している12州の州法と同等のものになるであろう。
(出典:NORML News Archives)
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医療マリファナが連邦議会で話題の中心に---NORMLが歴史的な法案H.R.2592に関する記者会見を行った
2002年7月24日 (ワシントンDC、アメリカ)
 本日、連邦政府に対して医療マリファナの使用認可を訴える記者会見が元ロナルド・レーガン大統領補佐官のリン・ノフツィガーと(医療マリファナを必要としている)重症患者たちによって連邦議会において実施され、下院議員のバーニー・フランク(民主党、マサチューセッツ州)、ロン・ポール(共和党、テキサス州)、ダナ・ローラバハー(民主党、カリフォルニア州)、ジャニス・シャコフスキー(民主党、イリノイ州)ら4人が共に会見に参加した。
 連邦議会場内において医療マリファナの使用認可を訴える記者会見が実施されたのは史上これが初めてのことである。法案H.R.2592「医療マリファナ法令に関する州権」の共同支持者の一人であるポール下院議員は「一人の医者としての立場から、私は、医師および患者たちは連邦政府の干渉や妨害に妨げられることなく、みずから最も適切な治療法を選択できるという当然の権利を持っているものと考えている」と発言した。この法案H.R.2592とは各州政府が連邦法に抵触することなく、医療マリファナを合法化し、配給することができるように連邦法の改正を求めるものである。「連邦政府が医療マリファナを必要とする患者を攻撃し、医師と患者の信頼関係を壊そうとするような行為は、犯罪行為であると断ずる」とポール議員は語っている。
 元レーガン大統領補佐官であったリン・ノフツィガーは、自分の娘がガンの化学療法によって苦しんでいたとき、マリファナがその苦痛の緩和にどれほど役立ったかを説明し、議案H.R.2592に対する賛同を表明した。「その当時の経験から、私は医療マリファナの合法化運動を熱烈に支持するようになったのです」ノツフィガーはさらに言葉を続ける。「『温情のある保守主義(*1)』を自認する連邦政府は積極的にこの法案の立法化を支持すべきだ。この法案こそ本当に『温情的』であり、また合衆国憲法修正第10条(*2)によって理論的に保証されている州の権限を、改めて認めるとともにその手に再び還すものである」
 フランク下院議員は、医療マリファナの合法化の問題について「一般の人々の意識が、政治家の意識よりずっと先に進んでいるという事例」であるといい、また「苦しんでいる人々に対して救済の手段を与えるものであり、良識に基づく考えである」と自らの提案についてコメントした。下院法案H.R.2592には現在、36名の共同支持者がいる。
 今回の記者会見を主催したNORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは、この会見によって議員たちは、もはや医療マリファナの問題を無視し続けることはできないという事を知るはずだ、と述べ、「議会はこれ以上、アメリカ国民の意思と深刻な患者達の要求をないがしろにすべきではない」と話した。
 この深刻な患者達の代表として2名、ウィスコンシン州のゲイリー・ストーック(緑内障と体の慢性痛)とニュージャージー州のシェリル・ミラー(進行後期の多発性硬化症)が登場、それぞれ自分の病気においてマリファナがどのように症状を緩和してくれるかを説明した。シェリルの夫であるジム・ミラーは法案H.R.2592の立法化を議会に求めながらも「もしかしたら妻のシェリルにはもう間に合わないかもしれない。でも、たとえそうであっても、医療マリファナが合法的に使用できるようにさえなれば、その恩恵にあずかることが出来る人たちが彼女の死後まだ大勢残っている」と心境を語った。
 「人々の苦痛を緩和するものが、政治の駆け引きの道具として人質に取られているような状況がこれ以上続くことは断じて認められない。議会は法案H.R.2592を承認し、各州政府が連邦政府による妨害を受けることなく、独自の医療マリファナ政策を実施できるようにする事が求められている」とストロープは締め括った。
注釈:
(*1 同情的保守主義、思いやりのある保守主義 - 2000年米大統領選でブッシュ候補が唱えた。)
(*2 修正第10条 - 1791年までに批准された権利憲章10項目のうち、連邦政府の権利を制限し州の権利を保障する条項)
記者会見は、下記からオンラインで参照可能:
http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=5359
(出典:NORML News Archives)
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研究結果---大麻の有効成分が睡眠時無呼吸症候群の改善に劇的な効果
2002年7月27日 (シカゴ、イリノイ州、アメリカ)
 米国睡眠薬アカデミーと睡眠研究協会が共同で刊行する学会誌『Sleep』に今月発表された研究報告によると、マリファナを原料とする医薬品が将来、睡眠時無呼吸症候群を含む睡眠障害の改善に役立つようになるかもしれない。
 睡眠時無呼吸症候群では睡眠中に呼吸が止まる無呼吸の状態が断続的に繰り返される症状が見られ、頭痛、高血圧、不整脈、心臓発作、脳卒中など数多くの深刻な病気と関連付けられている。
 イリノイ州立大学の『睡眠と通気障害センター』の研究員は、マリファナの有効成分であるTHCと内因性カンナビノイド(オレアミド)をラットに投与した結果、睡眠中の無呼吸が劇的に改善されることを発見した。報告書の著者は、幾つかのカンナビノイド類が睡眠中の自律神経系を安定させる重要な役割を担っている可能性があると結論付けた。
 マリファナとその成分には、睡眠を促進する効果があることが昔から知られている。過去の研究結果では、THCがメラトニンの分泌に関与することが明らかにされ、カンナビノイドCBD(カンナビジオール)が不眠症の治療に高い効果を発揮することも確認されている。
 『Sleep』誌に掲載された報告書の概要は下記からオンラインで参照可能:

http://www.journalsleep.org/citation/sleepdata.asp?citationid=2104.

(出典:NORML News Archives)
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カナダ法務大臣、マリファナの非犯罪化を呼び掛ける---「現行の規制は効果がみられない」
2002年7月18日 (オタワ、オンタリオ州、カナダ)
 カナダ法務大臣マーティン・コーションは、マリファナの所持に対して科されている刑事罰を廃止する呼びかけを再開した。さらに彼自身もマリファナ喫煙の経験があり、非犯罪化を支持していると公表した。
 「現行の制度を見ても、マリファナを犯罪として扱い続けることはあまり効果的ではない」とコーション法相は語っている。さらに、カナダ警察が必要以上にマリファナ違反の取締りに時間と経費を費やしていることも付け足した。
 カナダでの薬物事件のうち、マリファナだけの所持違反が全体の3分の1以上を占めている。
 コーション法相は軽微な違反者に対して禁固刑や前科を与えないように、カナダのマリファナ取締法改正を勧告した。カナダ医師会、カナダ警察署長連合、カナダ教会協議会も法改正を支持している。また全国的に実施された世論調査の結果によると、カナダ国民4人のうち3人以上が非犯罪化に賛成しているという。
 カナダ上院規制薬物対策特別委員会が5月にまとめた予備報告書では、マリファナは比較的害が低く、社会の安全に対してほとんど悪影響を及ぼさないと結論付けられている。さらに、マリファナを刑事犯罪として取り扱う現行の取締法が、マリファナ使用の増減にほとんど影響を与えていないという傾向も示されている。特別委員会は下院議会においても発足しているが、上下院の特別委員会は年末までに、正式な報告書の発行を予定している。
(出典:NORML News Archives)
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職場でのドラッグ検査が、カナダ人権委員会により人権法違反と判定される
2002年7月11日 (オタワ、オンタリオ州、カナダ)
 連邦政府が認定する公的職業の採用選考時におけるドラッグ検査と、雇用後の抜きうちドラッグ検査の実施は人権侵害であり、カナダ人権法に違反しているとカナダ人権委員会(CHRC)が判定した。この判定により、銀行職員やパイロットなど政府が規定する公職従事者に対する職場でのドラッグ検査は、明白な疑いがない限りは実施できなくなる。
 CHRCは「ドラッグ検査により陽性の結果が見られた場合、その人が検査の時点までにドラッグにさらされたことを示すが、職務を遂行する上で必要とされる能力については何も示さない」という見解をプレスリリースにて発表した。カナダ人権法は、障害や、主観的に障害と判断される状態を持った者に対する差別を禁止している。またこの法律の下では、アルコール依存やドラッグ依存は障害と見なされている。
 さらに委員会は、(検査で陽性反応が出た者に対する)無条件の解雇、配置転換、あるいは「個々の境遇や状況を考慮しない、元の地位に戻るために必要な条件の強要」に繋がる規定も人権法に違反する可能性が高いとしている。
 ただし、事故後の検査、明確な容疑がある場合のドラッグ検査、安全作業が必要とされる職員に対する抜きうちアルコール検査は人権法に違反しないとした。
(出典:NORML News Archives)
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研究結果 --- 妊婦によるマリファナ使用と神経行動的障害との間に関連は見られない
2002年5月30日(デトロイト、ミシガン州、アメリカ)
 米国小児科学会(Pediatrics)により発表された研究では、妊婦によるマリファナの使用は、新生児の低出生時体重や認知障害との関連性がないことが明らかになった。
 本研究では、生後6.5ヶ月、12ヶ月、13ヶ月の新生児を対象に実施された一連の神経行動的試験の結果、妊娠中のマリファナ使用が、新生児の精神発達、反応時間、複雑な遊びや情報処理能力に悪影響を与えないことが報告されている。また、妊婦によるマリファナの使用が出生時体重や妊娠期間に悪影響をおよぼさないことも明らかになった。対照的に、妊婦によるアルコールの使用(週に約7杯)は認知能力の低下との関連が見られ、コカインの使用は出生時体重の低下と関連することが確認されている。
 今回の研究結果の著者は、「アルコールの影響とは対照的に、我々の発見は他の研究で得られている結果と同様に、妊婦によるマリファナ使用が新生児の成長や神経行動的悪影響を与えないことを示している」と結論づけている。
 妊婦によるマリファナ使用に関する過去の研究でも同様の結果が得られている。NORML財団の会長であり、『マリファナにまつわる神話と真実』の著者の一人でもある、ジョン・P・モルガン博士も「新生児、乳児、子供を対象とした研究では、出生前にマリファナにさらされることと、身体、発育、または認識機能への悪影響との間に一貫した関連性は見られない」と同書に記している。
 モルガン博士は、「妊娠中の女性にはあらゆるドラッグの使用を慎むようにアドバイスするのが賢明であるが、最新の科学的証拠の大勢はマリファナが人間の胎児に直接的な害を及ぼさないことを示している」と結論づけている。
 米国小児科学会の報告書の概要は下記からオンラインで参照可能:

http://www.pediatrics.org/cgi/content/abstract/109/5/815

(出典:NORML News Archives)
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マリファナの非犯罪化以降ロンドンでの路上犯罪が半減
2002年5月30日(ロンドン、イギリス)
 南ロンドンでは、自治区の警察が軽微なマリファナ違反者に対する逮捕を止めて口頭による警告のみに留めるようになって以降、路上強奪や恐喝などの件数が50%近くも減少した。司法当局は昨年秋から、マリファナに関しては「口頭注意のみ」とすることで、警察の人的資源をもっと深刻な犯罪へと割り当てる方針を実行に移している。
 BBCの水曜日のレポートによれば、ランベス警察署の管轄内における路上強盗、恐喝の発生件数は昨年10月の916件に対して、今年4月は468件だった。加えて、今年に入ってからの路上強盗の発生件数は昨年比で18%減少しており、これは英国における路上犯罪としては最高の減少率となっている。
 英国の取締当局、警察、政治家たちは、今後マリファナの規制レベルを再分類し、マリファナ所持を逮捕され得る違反行為から除外することに公式に賛成を表明している。この変更(=再分類)は、7月には実施される予定である。
(出典:NORML News Archives)
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英国下院がマリファナ再分類を支持 --- マリファナの有害性に関する「誇張」を止めるべきと下院特別委員会がコメント
2002年5月23日(ロンドン、イギリス)
 昨日発表された内務省自治委員会による報告書の中で、英国下院議会はマリファナ所持を「逮捕をされ得る違反行為」の対象から外す具体案を承認した。この政策提案は、2001年10月の内務大臣デイヴィッド・ブランケットによる提言および今年3月に下院議会の薬物濫用防止委員会(ACMD)から出された要望に応えるものである。
 「我々は...マリファナをクラスBからCへ再分類する内務大臣の提案を支持する」というのが委員会の結論である。この計画では、「マリファナの所持はもはや『逮捕され得る違反行為』ではなくなる。すなわち、令状なしでの敷地内に侵入したり、捜索するといった逮捕に伴う様々な捜査上の強制力も発生し得ないことを意味する。また、警察にとっても、限られた時間と労力を他のより危険なドラッグへの対策に充てられるようになる」
 イギリスの法律では、違法薬物の中でクラスCが最も有害性が低いものとして分類されている。厳密にはクラスCの違法薬物の所持は最長で禁固2年の刑事罰となり得るが、イギリスでは禁固5年以上の刑事罰に相当する犯罪でなければ「逮捕され得る違反行為」にはならない。
 下院議員らによれば、今回のマリファナの再分類は、コカインやヘロインなどのハードドラッグとは違い、マリファナの健康へのリスクが最低限のものであるという事実を認めるものだという。「マリファナの有害性をことさらに誇張しても何ら得るものはない。むしろ逆に、こうした誇張によって、より有害なドラッグに関して我々が伝えたいメッセージの信憑性を落とすことになる」と英国下院は判断した。
 下院薬物濫用防止委員会は3月の時点でこれと同様の結論を出していた。「現在のマリファナの法的分類は、マリファナに内在する有害性およびマリファナと同じクラスBに分類されている他の薬物(アンフェタミン等)の害と比較して、明らかに不釣合いなものとなっている」
 下院議会は7月までに正式にマリファナをクラスCへと格下げする予定である。
 内務省自治委員会からの提言には今回のマリファナ再分類の他にも、マリファナを原料とする医薬品の使用の認可や、非営利目的のドラッグの供給および譲渡を起訴しないことなどが含まれている。
 自治委員会はまた国連に対して、現在の世界的な反ドラック協定の妥当性について再考し、「世界的なドラッグ問題のジレンマに対して真正面から取り組むために、合法化という選択肢も含めた」代替政策を検討するよう勧告している。
(出典:NORML News Archives)
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カナダでのIQ調査結果 --- 過去の大麻使用は知能に悪影響を及ぼさない
2002年4月4日(オワワ、オンタリオ州、カナダ)
 今週のカナダ医師会ジャーナルに掲載された調査結果によれば、マリファナの喫煙は、たとえそれが長期にわたるものであっても知能に害を及ぼさない。
 調査グループは、かつて平均して過去38週間に5,793本のジョイント〔≒1日に5本〕を吸い続け、現在では使用していない被験者群の知能指数(=IQ)に測定し得る悪影響が出ていないことを報告している。現在も1週間に5本以上のジョイントを吸い続けているヘビーユーザー群には僅かながらIQ値の減少が見られたが、それでも彼らのスコアは同年齢層の平均値を上回っていた。
 レポートの報告者はマリファナがIQに与える悪影響が軽微であることを「特筆すべきもの」と言及しており、「マリファナは知能全般に対して、長期にわたる悪影響を及ぼさないと結論づけられる」と書いている。
 過去に実施された、認知機能に対するマリファナ使用の影響を評価した調査でも同様の結論が出ている。最近では、米国の「精神医学ジャーナル」に掲載された研究結果によって、マリファナ喫煙を中断後一週間以上経過した被験者の認知機能テストのスコアとノンスモーカーのスコアの間には差異が見られないことが確認されている。さらに、1999年にアメリカ疫学ジャーナルが1,300人のボランティアを対象に行った調査では、過去15年間にわたるマリファナのヘビーユーザー、ライトユーザー、およびマリファナを全く使用しなかったノンユーザーの間で認知機能の低下に関する顕著な差異は見られなかった、と結論づけている。
(出典:NORML News Archives)
【補足】
同じ研究結果に関する記事が下記にもあるが、報告の内容が大きく異なっている。
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/medi/178337
これらの記事のもととなっている論文の結論は下記の通り。
結論:
* 今回の調査対象となった年齢層では、現在のマリファナの使用とIQの低下の間には服用量に依存する強い関連性が見られる。
* 現在使用しているライトユーザー(5.8)、以前使用していたユーザ(3.5)、未使用者(2.6)ではポイントが向上しているのに対して、ヘビーユーザーでは平均4.1ポイントの低下が見られる。
解説:
* 現在のマリファナの使用は、一週間にジョイントを5本以上吸う場合に限り、IQスコアに悪影響を与える。
* かつてのヘビーユーザーで、現在は使用していない被験者には悪影響は見られなかった。
* マリファナの使用は全体的な知能に長期的な悪影響をことがないというのが我々の結論である。
* 記憶や 集中力といった特定の認識機能に対しても、マリファナの残存効果がないか否かについてはまだ確認ができていない。
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研究結果 --- 大麻の自動車運転能力への影響は微小
2002年3月28日(バークシャー、イギリス)
 イギリスとオーストラリアで最近実施された、2つの研究の結果、大麻が運動機能におよぼす影響はアルコールと比べても低く、ほとんど交通事故の原因になっていないことが確認された。
 イギリスの交通研究所(TRL:Transport Research Laboratory)により実施された研究では、大麻の影響下にある運転手の方が、アルコールの影響下にある運転手よりも高い運転能力を示す結果が得られた。研究員の報告によると、大麻は運転手が正確に車を操作できる能力に影響を与えるものの、運転手の反応速度やその他の運転能力を示す数値には影響を与えなかった。また、アルコールの影響下にある運転手とは異なり、大麻の影響下にある運転手は自らの運転能力の低下を自覚しており、慎重に運転することによって運転能力の低下を補おうと試みる傾向があることが明らかになった。
 約一年前に、同様の準備試験がTRLにより実施されたが、今回の試験は準備試験で得られた結果を肯定する結果となった。
 オーストラリアのUniversity of Adelaide(アデレード大学)臨床薬理学部による研究でも同様の結果が得られている。「アルコールは圧倒的に最大の交通事故の要因となっている。...一方、...大麻は交通事故の要因にはほとんどなっていない」という事実が確認された。また、交通事故による負傷者2,500人に対する過去の調査結果でも大麻が原因となっていたことがほとんどなかったことが明らかになっている。
 NORMLの財団エグゼクティブ・ディレクターのアレン・サン・ピエール氏は、イギリスとオーストラリアで得られたこれらの結果は特に驚くべきものではなく、「大麻が運動機能へ及ぼす影響は、処方薬や疲労をもたらす他の合法的な要因と同じレベルのものであるという我々の認識を肯定するものだ」と発言している。
(出典:NORML News Archives)
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調査結果 --- カジュアルなドラッグの使用は有害性が低い
2002年3月28日(ロンドン、イギリス)
 ロンドンの外交政策センター(Foreign Policy Centre)のシンクタンクは、マリファナを含む薬物の使用者のうち、有害な影響を受けている者はほとんどいないとする報告書を発表した。レポートはFrom War to Work: Drug Treatment, Social Inclusion and Enterprise(戦争から仕事へ:ドラッグの治療・社会と企業への受け入れ)と題されており、ドラッグの取り締まりの焦点をカジュアルなドラッグユーザーから治療不能な麻薬依存者および特定の麻薬犯罪へシフトさせることを提案している。
 著者のロウェナ・ヤング(カライドスコープ麻薬治療所長)は、 「ドラッグ使用者の大半は深刻な問題を経験することなくドラッグを使用している」と言及している。報告書は、ほとんどの違法ドラッグ使用者はドラッグの使用が自制できなくなる前に自ら使用を絶つことができていることについて言及するとともに、「国家および国際レベルで、真に問題のある麻薬の使用と麻薬に関連した犯罪に専念し、問題に発展する可能性の低い嗜好品としてのドラッグ使用者に対しては、取り締まりを緩和する」ように取り締まり当局に対して勧告している。
 外交政策センターの発表の数日前には、イギリス国会の「ドラッグ誤用に関する国会協議委員会」(ACMD: Parliament's Advisory Council on the Misuse of Drugs)が、内務省が進めているマリファナを所持しても逮捕に至らないクラスに再分類する努力をサポートする報告書を公表した。さらに、内務省の委員会が公表を予定している報告書でも、マリファナ、場合によってはエクスタシーを含む他のドラッグに対しても同様の勧告がなされることが予想されている。この報告書は今年の晩春に公表される予定である。
(出典:NORML News Archives)
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米国麻薬取締局が医療マリファナ患者や供給者へのテロ攻撃を継続
2002年2月14日(ワシントンDC、米国)
 既にコミュニティに受け入れられているサンフランシスコ市の医療マリファナ配給所の一つと、複数の著名な医療マリファナ供給者が2月12日に麻薬取締局(DEA)の強制捜査を受けた件について、NORML代表(エグゼクティヴ・ダイレクター)キース・ストロープは14日「これは連邦司法当局がテロ防止よりも、医療マリファナ患者を妨害することに執着しているという事実に他ならない」とコメントしている。
 「いかなる戦争でも、病人や瀕死の者は戦場から遠ざけるのが常識だ。しかし、War on Drug(ドラッグ戦争)に限っては、当局は病人や死に瀕している者たちを前線に追いやることに没頭している」とストロープは非難する。さらに、「わが国の司法関係者に対して今後起こり得るテロ攻撃からアメリカ国民を守るために最高度の警戒をするようにと通達が出された、その日のうちに今回の強制捜査が断行されたという事実は、連邦政府がテロ対策よりも医療マリファナに執着していることを如実に示している」と言及している。
 今回の麻薬取締局による強制捜査では、1日に約200名の患者に医療マリファナを供給している「サンフランシスコ・ハームリダクション(*注)・クリニック」の関係者4名が逮捕された。逮捕者の中にはクリニック代表リチャード・ワットや、マリファナ関連の著作で世界的に高名なエド・ローゼンタールらの名が連なった。今回の検挙は、約3ヶ月前に実施された、南カリフォルニア最大のマリファナ供給所であり公的にも最も受け入れられているロサンゼルス・カナビス・レスキュー・センター(LACRC)など2つの医療マリファナ患者協同組合に対する強制捜査に続くものとなった。
 「今回の検挙では故意に著名な人物を選んで逮捕している。この強制捜査は単なるドラッグ検挙などではなく、政治運動に対する連邦当局による弾圧だ」とストロープは主張する。
 米国では1996年より、アラスカ、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、メイン、ネバダ、オレゴン、ワシントンなど9つの州に於いて、認定された患者による医療目的のマリファナ使用・栽培が州法で合法化されている。2001年11月にはサンフランシスコ市の管理委員会により、同市が医療マリファナの使用、栽培、供給の「保護区」であると宣言する法律が制定されている。こうした背景から、サンフランシスコ市のテレンス・ハリナン地方検事や自治体の政治家らは今回の襲撃を非難している。また、 サンフランシスコ市の司法機関は今回の強制捜査について事前に知らされておらず、関与もしていない。
 NORML代表ストロープは「カリフォルニア州の医療マリファナクラブは、地域社会において必要かつ有益な役割を果たしてきた。彼らは、安全で統制された環境のもとで医薬品を供給していたのであり、公共の安全や健康に反する行為は一切行っていない。彼らは地域社会の全面的な理解と協力、司法機関や自治体のサポートのもとで運営されていた。最終的に今回の強制捜査がもたらした結果は、何百人もの重病患者が州により許可されているはずの医薬品(=マリファナ)をストリートやブラックマーケットに求めざるを得ない状況に追いやられたということだ」と語っている。
 ストロープは「カリフォルニア州の議員、特に州議会議員は、病人や死の床に瀕している患者の権利を守るために今こそ立ち上がるべきだ」と主張している。NORMLでは、カリフォルニア州の有権者に対して、昨今の麻薬取締局の活動に対する抗議文の送付を呼びかけており、そのひな型をウェブサイトに掲載している。
(*注:ハームリダクション=harm reduction、危害の最小化。薬物問題におけるより現実的な対処として近年提唱されている概念であり、薬物そのものが及ぼす危害と、薬物を犯罪として扱う事によって社会や個人が被る危害を比較した上で、その危害が最も少なくなる方を選択するという考え方)
(出典:NORML News Archives)
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ジャマイカ政府議会がマリファナの非犯罪化について熟考
2002年2月14日(キングストン、ジャマイカ)
 ジャマイカ政府議会は近々、国家ガンジャ委員会の勧告によるマリファナの所持と使用の非犯罪化について審議する。昨年(2001年)8月に委員会が出したこの勧告は、政府内閣により月曜日に議会に提出された。
 この好意的に受け入れられている勧告に関して、アメリカ合衆国の政府筋は引き続きジャマイカ政府議員らに現行マリファナ法の改正を行わない様にプレッシャーをかけ続けている。最近では、在ジャマイカ米国大使館のスポークスマンであるオルナ・ブルームがジャマイカ国営ラジオ放送の番組で、「合衆国政府はこの島においてマリファナ法を緩和しようとする、いかなる試みに対しても反対している。その理由は、(緩和によって)マリファナが有害でないという認識を作り上げてしまうからだ」と語っている。
 ジャマイカにおける現行のマリファナ法では、僅か1本のジョイント所持であっても最長10日の禁固刑に相当する刑事犯となる。
(出典:NORML News Archives)
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がん患者に対するマリファナの鎮痛効果を評価する試験がイギリスで開始される
2002年1月17日(ロンドン、イギリス)
 医療マリファナの栽培および臨床試験を実施するための免許を取得しているロンドンのGW製薬(GW Pharmaceuticals)は、がん患者の痛みに対するマリファナの効力を評価する試験を開始した。GW製薬による第三相臨床試験試験は全英20以上の施設で行われ、100人以上の患者がこれに参加する。
 試験に参加する患者には舌下スプレーを介してマリファナ抽出物が投与される。GW製薬が以前実施した多発性硬化症患者や脊髄を損傷した患者に対する試験では、マリファナ舌下スプレーの投与により、約80%の患者に痛みの緩和や生活の質の向上といった効果が確認されている。
 がんに対するマリファナの鎮痛効果を検証する臨床試験としては今回が初の大規模なものとなる。GW製薬会長ジェフリー・ガイ氏は「潜在的な市場規模はかなり大きい。何故なら現状の約40%のがん患者が痛みを軽減できていないからだ」と述べている。
 GW製薬の年度報告書にて専務取締役ジャスティン・ゴーバー氏は、来年中に臨床試験結果を英国の取締当局に提出する意向を再確認している。「我々は予定通り2004年までに最初の製品を市場投入すべく、開発を進めている」と声明文の中で語っている。また、GW製薬が米国政府よりマリファナ抽出物を米国へ輸出する許可を得たことについても言及している。
(出典:NORML News Archives)
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ブラジル大統領がマリファナおよび他のドラッグを非犯罪化する画期的な法案に拒否権を発動
2001年1月17日(リオデジャネイロ、ブラジル)
 ブラジルのフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ大統領は先週、マリファナの所持やその他のドラッグ犯罪の刑事罰を社会奉仕活動や罰金などの代替的な量刑基準に置き換える法案に対して拒否権を発動した。
 ブラジル議会は過去10年間にわたってドラッグの規制を緩和する条項に関する議論を行ってきたが、昨年9月にようやくこの量刑基準を承認した。現在のブラジルにおけるドラッグ取締法では、たとえ初めてのマリファナ[所持]違反で有罪判決を受けた者であっても、違反者に対して2年以下の禁固刑を義務づけている。ブラジルのドラッグ取締法改正論者たちの見積もりによりと、現在刑務所に服役している総受刑者の約3分の1がドラッグ関連であるという。
 大統領のスポークスマンは、カルドーゾ大統領が今回のドラッグ自由化を推し進める法案に対して拒否権を発動した理由について、それが「憲法違反」だからだと述べている。一方、大統領は、ドラッグの密売に対してより厳しい刑事罰を科す法案には署名をしている。
 大統領は議会の「危害を最小化する」政策を却下したが、初犯のドラッグ取締法違反者に対して刑事罰以外の制裁措置を取ることについては支持しているとスポークスマンは語っている。カルドーゾ大統領は今春〔2002年〕の議会において代替案を提示するものと期待されている。
(出典:NORML News Archives)