カナダでのIQ調査結果 --- 過去の大麻使用は知能に悪影響を及ぼさない
|
2002年4月4日(オワワ、オンタリオ州、カナダ) |
今週のカナダ医師会ジャーナルに掲載された調査結果によれば、マリファナの喫煙は、たとえそれが長期にわたるものであっても知能に害を及ぼさない。
調査グループは、かつて平均して過去38週間に5,793本のジョイント〔≒1日に5本〕を吸い続け、現在では使用していない被験者群の知能指数(=IQ)に測定し得る悪影響が出ていないことを報告している。現在も1週間に5本以上のジョイントを吸い続けているヘビーユーザー群には僅かながらIQ値の減少が見られたが、それでも彼らのスコアは同年齢層の平均値を上回っていた。
レポートの報告者はマリファナがIQに与える悪影響が軽微であることを「特筆すべきもの」と言及しており、「マリファナは知能全般に対して、長期にわたる悪影響を及ぼさないと結論づけられる」と書いている。
過去に実施された、認知機能に対するマリファナ使用の影響を評価した調査でも同様の結論が出ている。最近では、米国の「精神医学ジャーナル」に掲載された研究結果によって、マリファナ喫煙を中断後一週間以上経過した被験者の認知機能テストのスコアとノンスモーカーのスコアの間には差異が見られないことが確認されている。さらに、1999年にアメリカ疫学ジャーナルが1,300人のボランティアを対象に行った調査では、過去15年間にわたるマリファナのヘビーユーザー、ライトユーザー、およびマリファナを全く使用しなかったノンユーザーの間で認知機能の低下に関する顕著な差異は見られなかった、と結論づけている。
(出典:NORML News Archives)
【補足】
同じ研究結果に関する記事が下記にもあるが、報告の内容が大きく異なっている。
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/medi/178337
これらの記事のもととなっている論文の結論は下記の通り。
結論:
* 今回の調査対象となった年齢層では、現在のマリファナの使用とIQの低下の間には服用量に依存する強い関連性が見られる。
* 現在使用しているライトユーザー(5.8)、以前使用していたユーザ(3.5)、未使用者(2.6)ではポイントが向上しているのに対して、ヘビーユーザーでは平均4.1ポイントの低下が見られる。
解説:
* 現在のマリファナの使用は、一週間にジョイントを5本以上吸う場合に限り、IQスコアに悪影響を与える。
* かつてのヘビーユーザーで、現在は使用していない被験者には悪影響は見られなかった。
* マリファナの使用は全体的な知能に長期的な悪影響をことがないというのが我々の結論である。
* 記憶や 集中力といった特定の認識機能に対しても、マリファナの残存効果がないか否かについてはまだ確認ができていない。
|
|