桂川さんからの手紙



カンナビストの皆様

 ○○さんより送付の検察資料への反論を11月26日に受け取り読みました。こんな短期間によく検証できたものと皆さんの努力に敬服します。三人の判事がちゃんと読んでくれればよいのですが、引用の引用への反論を引用を利用してと、やや難しくなっているので、読み易くする工夫が必要かと感じました。◎検察が引用した資料の記述◎カンナビストが引用した資料の記述◎カンナビストの見解と主張、これらが混然としていますので、書体を変える等可能であれば、より判然とするように思いました。また、読み進むと唐突に出典名が登場して、とまどいますので、すべての出典の解説を冒頭にもってくるのはどうでしょうか。表物は独立させ、罫を使ってレイアウトすれば完璧だと思います。
  申立人署名の件を詳しく述べます。署名簿送付を受け付けない拘置所側の理由は連名だと同房者に氏名が特定できるとのことで、各人が自分の名前だけを書いて個別に送付するのはかまわないとのことでした。とにかく、ここはやたらと制限を加えてくるお役所中のお役所なので仕方ありません。

 24日の傍聴ありがとうございました。当日は今まででいちばん熱気が伝わってきて、えらく興奮してしまいました。同時に強度の緊張にも襲われ、興奮と緊張のせめぎあいの中で、言いたいことの半分くらいはぶっ飛んでしまいましたが、余計なことも護りませんでしたので、まあまあだったと思います。この余韻はしばらく収まらず、当日も翌日も翌々日も公判のことばかりが頭の中を駆けめぐり眠ることができませんでした。大麻の自由化は地上の神劇、悪役も必要です。その意味では法廷で、たった一人の検事は、周りを敵に囲まれて、本当に気の毒な役まわりだと思いました。あのオヤジが居ることでこのドラマは進行している訳ですから善悪一如を実感しています。そしてカンナビストの組織が実績を残し充実してきた時期に私が逮捕されたことも…の配剤とも思えます。カンナビストが無ければここまでやれなかったはずです。

 獄中において自らの深層心理を探りますと、私はミヤケン裁判のときのミヤケンがこの上なくうらやましかったのです。同時期に捕まりながら、形式的にせよ自分は頭を下げて違法行為を謝ったのに、ミヤケンは闘った。それが私のトラウマであり、ミヤケンへの負い目だったのです。自分も被告席で堂々と真実を述べたいと10年間、心の奥底にあり、それが大胆な行為につながり、フリー大麻のエネルギーでした。今回の事件で長年の忸怩たる思いを晴らすことができました。これも大勢の支援者のお陰です。厚く御礼申し上げます。

平成16年11月28日 桂川直文